おもいつくまま きのむくまま(経済指標グラフからみえるもの)

おもいつくまま きのむくまま(経済指標グラフからみえるもの)

2010年08月04日
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カテゴリ: 国内政治
 聞くに堪えない話である。気分が悪くなる。ただ、虐待した親の極悪非道さや、児童相談所等の行政の怠慢を強調する報道には違和感を覚える。一番、罪の重いのは虐待をした親であるのは間違いないのだが、彼らを化け物の様に伝えるのは、実態を伝えていないのでは、なんて思ったりもする。まして、児童相談所等の行政機関の責任を追及するのも筋が違う気がしてならない。


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 人間の出産間隔は1年、人間以外の大型霊長類は5年。乳児期間は人が1年、人間以外は5年。大型霊長類中、人間がもっとも多産で、育児親による絶対的な育児期間が一番短い。ゴリラ・チンパンジーは人と共通の祖先を持つことから、繁殖・育児について、人間は彼らと逆方向に進化したと考えられる。ゴリラ・チンパンジーは、手厚い育児行動を行うことで死亡率を下げ、出産数を抑えるように進化したのに対し、人間は、可能な限り育児行動を抑えて、出産数を稼ぐよう進化したのだ。育児行動抑制による死亡率上昇は、出産数の増加で補う戦略である。
 人間は、生活環境が悪化すると、積極的に育児を放棄し、生活環境が改善すると、新たな出産でロスした子供を補う様に進化しためずらしい大型霊長類。人間であるかぎり育児放棄を避けられない。
 もう一つ、人間の育児行動には特徴がある。自他の区別がないことである。人間以外の動物は、他人の子供を育てることはまずない、極めて特徴的な行動。全ての動物で、育児行動は、繁殖行動と相反する。繁殖期には育児行動が抑制され、育児期は繁殖行動が抑制される。この為、繁殖能力を失った世代は育児衝動が増幅されがちとになる。人間は、繁殖能力を失ってからも途轍もなく長く生きするのだから・・・。 爺・婆が孫をやたら可愛がるのはこの為。また、適齢期を過ぎた独身者がペットを子供の様に育てるのも、人間の育児衝動が自他を区別しないからである。もっとも人間らしいと言える行動なのかもしれない。
 これを先の話と繋げると、群れを取り囲む生活環境が悪化すると、生活力はないが繁殖力を持つ若年個体は積極的に育児放棄を行い、一方、生活力があるが繁殖能力のない年長個体が積極的にこれを受けることで群れ全体の個体ロス数が最小限に抑える仕組みが出来上がる。これが、800万年の時間を生き抜いた動物として人間に備わった生殖・育児能力の本質である。

 個人の意見として、親の教育や訓練で児童虐待を抑制することは、人間である限り不可能。生活環境が悪化すれば生活力のない若年世代で児童虐待が起きるの至極当たり前のこと。本質的な問題ではない。
 寧ろ、育児放棄された子供を、適正な里親に斡旋する仕組みがないことの方が重大な問題。子供が引き取られなければ、本格的な児童虐待にエスカレートし、子供達を死に至らしめることになる。
 かつては、家族内で育児放棄された子供の引き受けが行われていたのだが、核家族化により、その機能は既にない。生活環境悪化は、凄惨な児童虐待に直結することになる。

 若年層にとって、当該ニュースは自らに潜む育児放棄衝動を意識させ、恐怖心を煽られ、年長層は、育児本能を刺激され、嫌悪感を示す。共に人間の本能に直接訴えてくるので、社会的な過剰反応を引き起こしやすい。とんでもない方向に物事が進みそうでちょっと不安を覚えてしまう。民主党が過剰反応しなければいいんだが・・・。








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最終更新日  2010年08月09日 12時15分36秒
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