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2016.01.20
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カテゴリ: アメリカ紀行

仕事の環境の変化やプレッシャー、メンタル面での浮き沈み、体力や年齢的な不安、弱気になったり、気分が乗らず無為に過ごしたり、。。。そのまま怠けものになれるなら、そうなりたいなあと思ったりもする。そこで「もう歳だなあ」とか、「おじいちゃんになってしまったなあ」などと漏らそうものなら、カミさんに「そんなこと言っている50代、60代って回りにいない」と喝!!が入る。

気持ちをピークに引き上げ、奮い立たせる。そんな繰り返しだが、そういう気持ちにさせるにも、自身をモチベートさせてくれるもの、力を与えてくれるもの、そして想いが必要だ。私にとってその一つは、信じるところをもって頑張っている人、そして物事に挑戦する人の姿だと思う。昨年それを求めてNYへと渡った。

思い出せば、キッカケは2015年の4月某日、たまたま見ていたTVで、ブロードウェイのミュージカルへ挑戦する渡辺謙さんの生きざま、姿勢を見たこと。それは、王様と私"The King and I"の主演を演じる謙さん。"独眼竜政宗"でその人を初めて知ったのは数10年も前のこと。その後白血病を克服し、今や世界が認めるハリウッドスター。とは言え、本場ブロードウェイの舞台、いくら前評判が高くても酷評を受ければほんの数日で幕を下ろすショーもある厳しい世界(記憶にあるのは"赤い靴")での挑戦だ。

初めてのミュージカル、その一瞬一瞬がやり直しの利かない勝負の世界、そこで英語で表現し、そして歌い踊る。それもミュージカル史上の名作中の名作"The King and I"。ユル・ブリンナーが演じ続けた王様を、渡辺謙がいかに演じきるか。当初、謙さんの話す英語が聞き取れないといった批評もあったようだが、果敢に挑戦された。それはご本人も曰く、55歳にしての人生一大の挑戦。

そして2015年の GWを前に謙さんの舞台はいよいよ幕を明け、大変な評判になっていたが、同時に是非それを見に行きたいという想いが私の中で高まっていった。昔から好きだったミュージカル、中でも "The King and I"はお気に入りの一つ。 デボラ・カー とユル・ブリンナーが主演した 映画はもちろん、約25年前初めてロンドンを訪ねた時にはちょうど上演されていたその舞台を2度見に行ったほど。そういう背景もあって、挑戦する謙さんから力を貰おうと思った。 NY行きに迷いは無かった。

その舞台についてここで私が何かを述べることは畏れ多いこと。とにかくとても感動した。目の前で王様を演じる渡辺謙さんに鳥肌がたち、涙した。日本人の誇りだと思った。 それはトニー賞の主演男優賞にノミネートされたことにも裏付けられるのだが、主演女優賞をとった共演のケリー・オハラの受賞直後の声にも凝縮されていた。" You are my King !! " そして勇気と力をもらった。

さてその舞台は、私にとって2015年一番の感動の時間だったが、その場に身を置くことができたのは本当に幸運だったと言っていい。 NY行きの航空券を手配した時、既に"The King and I"のチケットを取るのが不可能な状況で、あまりの人気ぶりに何倍ものプレミアがついたりもして半ば諦めていた。しかし、インターネットを調べて辿り着いた最後の砦、" あっとニューヨーク "でチケットを手配。それは出発前日の5月1日のこと。そして舞台の日程は、米国到着日5月2日の夜。時差と疲労を考えると一番過酷なスケジュールとも言えたが、滞在中唯一手配できた日程、価格は1人309ドル と高額となったが生涯1度のチャンス、決断したのであった。(その後、謙さんが演じた6月末までの講演は軒並み争奪戦で1000ドルを超える例もあったようである)
王様と私NY2

ホテルで若干の仮眠をとって、訪れたのはブロードウェイの劇場ではなくて、マンハッタン随一の音楽・舞台芸術の殿堂、リンカーンセンター。他の劇場と比較すると、格の高い雰囲気、そしてオーケストラの質も高く、その後 滞在中に見るミュージカル2本も、この日の"The King and I"にはとてもとてもとても及ばなかった。 しかも日本からも結構見に来ているのかと思いきや、日本人は本当にまばらで、殆どがアメリカ人(欧米人)。その光景に、ブロードウェイで認められて、大いに受け入れられていることを実感したのであった。
王様と私NY

惜しまれるようにして、ブロードウェイでの王様役をやり遂げて日本へ帰国した謙さん。その王様が再び、この3月にブロードウェイに凱旋する(~4月)のはとても嬉しい。もちろん見にいくことは出来ないが、そのニュースにまた力を得る思いである。





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Last updated  2016.01.31 11:42:54
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