愈々庵気まぐれ日記

愈々庵気まぐれ日記

2020.10.08
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昨今散歩しているとどこからともなくいい香りがしてくる。

かすかな香りというのをあまり感知しないがそれでも金木犀の香りはしっかりと
受け止められる。一般に強い香りというものはいやらしいものであるが
木犀の香りは例外である。



私の散歩道には十本前後密生しているところがある。
それが今一斉に開花しているので公害並み香りである。



金木犀にはその仲間に銀木犀と言う花の色が白いものがある。見たことは
あるが今近所には見あたらないのでWikipedia から拝借したのが下の写真。



いずれも香る木であるが花の密度や香りは金木犀が強い。「木犀」とは
変な名前であるが葉っぱの形が動物の犀の足に似ているのだそうだ??
雌雄異株で花の付きは雄株が断然多いそうだ。日本には雄株しかないらしい。
植木としての苗木はすべて接ぎ木で簡単に作られるそうだ。
香りが強いので昔は便所の脇に植えられることが多く、最近ではトイレの
消臭剤に用いられることが多く、若い人にはトイレの匂いと認識されることもあ
という。

植物の香り物質としては炭素数が10-15個の分子が多く、脂肪酸のように
直線型の分子もあるが炭素が5個で枝分かれした構造のイソプレンと言う単位が
2,3個結合しているテルペン類と言う化合物が多い。
小さな分子では揮発し過ぎていい香り物質も芳香とはならない。
分子が大きすぎても揮発せず空気中に放出されない。
メントールは炭素数10個のアルコール、木犀香のひとつの成分である
リナロールも炭素数10個のアルコールである。

森林浴は樹木が放出するこれらの成分を浴びることで、私はドイツの黒い森
(Schwarz Wald)、オーストラリアのブルーマウンテン、白神山地で経験した
ことが有る。これらの森から出る植物の分泌物をフィトンチッドと称し、森林浴はこの
フィトンチッドを全身に浴びることとされるが外国のそれは濃厚すぎて息苦しい
感じさえ覚えるほどであった。
日本のそれは杉、ヒノキ、ヒバ、ブナなどの香気でどちらかと言えばまろやかである。

このブログを書いていて今は旬を過ぎてしまったが「ニオイバンマツリ」言う
やはり芳香を放つ灌木が我が家の屋上植込みにあることを思い出した。
早速外に出てみるとまだ2輪だけ白い花と花びらが散ったズイだけが残っていた。



アップで撮るとまだかすかに紫の影が残っている。



この花は咲き始めは下の写真(Wikipediaより)のように紫色をしている。
日が経つに連れて退色し最後には白くなる。



これは上品な香りを放つので名前のニオイは理解でき、漢字では
「匂蕃茉莉」と綴る。蕃は外国のことで茉莉はジャスミンの類を指すそうだ。
そう言えば江戸時代オランダの書籍を翻訳する役所を「蕃書調所」と言い
これは今の東大のそもそもの始まりである。

ニオイバンマツリは花の寿命中に変色すると書いたが一日花ではない。
それに対して今を盛りの花として酔芙蓉がある。我が散歩道の始まり点に
一本の酔芙蓉の木があり、​ 何年か前にブログに記したことが有る ​。
この時は朝から夕方まで一日数回定点写真を撮って白→ピンク→赤と
酔っぱらって変色してゆく様子を示した。
昨日は一日雨模様で近所の酔芙蓉は夕方になってもまだピンク色であった。







今回のテーマは香る木であまり匂いのきつくない酔芙蓉は主題でないので
朝と夕刻の花、そして明日咲く白い蕾の写真に止めておく。
今回酔芙蓉をここに載せたのはある人のブログで「大人の香りがする」と
記されているのを拡大解釈をしたまでである。
低温、曇雨のこの日は夕刻になっても真っ赤になるほどは
酔っ払いもできずちょっと飲み足らなそうである。





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Last updated  2020.10.14 14:49:01
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