のんびり・ゆっくりダイエット

のんびり・ゆっくりダイエット

2026/05/11
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カテゴリ: 家族





縫合してくださった先生は手術中で、
若い先生がカルテを見ながら静かに説明してくれました。

傷を見て、
手際よくガーゼを替えてくださって、
「次は月曜が縫合した先生の診察日ですね」と。

思った以上に順調で、
その日はそのまま帰りました。

家に戻っても、
胸の奥のざわつきが消えなくて、
どうしても心に引っかかっていて、
姉に電話をしました。

声を聞いた瞬間、
なぜだか涙があふれてしまって、
「お姉ちゃん」と呼ぶ声がつまってしまいました。

姉は笑いながら、
「どうしたん、なんで泣くん」と
昔のままの声で言ってくれて、
そのやさしさに胸がゆるみました。

私にとって姉は、
姉というより 二人目の母 のような存在。
小さい頃から、
いつもそばにいてくれた人でした。

だから私は、
泣きながら思わず言ってしまいました。

「だって…幼い頃からずっとそばにいてくれたやん・・
いっつもそばにいてくれたやん・・」

姉はまた笑って、
「私は何もしてないよ」と
やわらかく返してくれました。

その声を聞いて、
「お姉ちゃんに会いに行きたいな」と
小さく呟いていました。

それを聞いていたクマさんが、
「明日行こか」と静かに言ってくれました。

翌日。
姉に持っていくいちごを綺麗に洗って、
タッパーにそっと詰めました。

そうちゃんに送る荷物(大量のいちご)も発送してから、
姉の顔を見に行きました。

姉はクマさんの包帯を見て驚いて、
「どうしたん・・」と心配そうに眉を寄せました。
説明すると、
「もう気をつけなあかんで」と
やさしい声で言ってくれました。

帰ろうとしたとき、
姉がそっと財布を開いて、
「これでお昼でも食べて帰り」と。

その仕草が、
昔と変わらない母のようなやさしさで、
胸の奥がじんわり温かくなりました。

でもクマさんと二人で、
静かに首を振りました。

「それはあかんよ。
受け取られへんよ」

姉の気持ちはしっかり受け取りながら、
負担にはさせたくなくて。
そのやりとりもどこか懐かしく、
やわらかい時間でした。

病院の帰りに寄ったアウトレットは、
ただの買い物の場所ではありませんでした。

パーキン病で亡くなった母を、
クマさんがリハビリのために
ゆっくり歩かせてくれた、
忘れられない場所。

建て替えになってしまって、
もうあのお店はないけれど、
母と歩いたあの道だけは残っていて。

その上をふたりで静かに歩くと、
母がクマさんに身を預けて
一歩ずつ頑張っていた姿が
そっと浮かんできました。

手はなんとか動いたから、
時間はかかっても自分で食べられた母。
歩いたあとは、決まってケーキと珈琲。
美味しそうに食べる母の横顔を思い出して、
胸が少しだけきゅっとしました。

クマさんはジーンズを二本、
私も一本。
それぞれ靴も一足ずつ選びました。

私はジムで使えるスパッツとTシャツも見つけて、
張りつめていた気持ちが
ゆっくりほどけていくようでした。

残っていたあの道が、
今日の私の心をそっと抱きしめてくれたように思います。


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Last updated  2026/05/11 08:11:41 AM
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