ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2002年06月18日
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 パート経験者なら百も承知の「103万円の壁」。これを超えると、夫の収入に対する配偶者控除がなくなり、妻の所得にも所得税がかかる。だから、年収が103万円を超えないように、一生懸命、勤務時間と収入を調整すると。

 でも、年収103万円って、えらく安いと思いません?ホントは取り分以上に貢献しているのに、安く使われているんじゃないの?

「103万円の壁」があるがために、いつまでたってもパートの賃金や待遇は正社員と大きく差がついているという批判があります。

 また、これは恐らく高度成長期の確信犯的な政策だったに違いないのですが、結果として「夫=会社員、妻=パート」という役割の固定化をもたらす制度になったのではないか。

 そもそも税金を取られないからトクだっていう発想がおかしくありません?税金払ってないっていうのは、言わば労働者として半人前以下。だから、いつまでたってもプロ意識が芽生えない中途半端な働き手で安くこき使われているのかも。

 ちょっときつい言い方になりましたが、103万円の壁を超えるとマズイもっと大きな理由は、多くの企業で支払っている配偶者手当がもらえなくなるからのようですね。妻からすれば、家計の足しがほしい。一方、夫にとって、「配偶者手当」は男のコケンにかかわるものらしい。

 内閣府の調査によると、平均支給額は月額約1万4499円。支給条件として、「配偶者の年収が103万円を超えないこと」とする企業が全体の78.4%を占めるそうです。

 月々1万5000円の手当というと、年間18万円。ぐっとくる金額ですね。103万円を超えたとたん、翌年の18万円が消えてなくなるとすれば、心が揺らぐかもしれません。単純に計算すれば、時給900円のパートだと年間200時間余分に働かねば18万円を稼げない。1カ月に直すと約17時間。1週間あたり約4時間。

 ちなみに、地方公務員および国家公務員にも配偶者手当があり、支給額は1万6000円(国家公務員一般職および、東京都・神奈川県・愛知県を除く地方公務員)で、支給条件は「配偶者の年収が130万円を超えないこと」となっています。



 2004年度に年金制度改革が行われますが、その際、この「第3号被保険者」の問題には手がつけられないまま、先送りにされるようです。けれども、この「3号」がもたらす不公平感解消のための改革案は幾つも提示されており、それぞれに課題を残しつつも、全くの廃案になることなく、継続的に検討されることでしょう。

 それよりも差し迫った問題としての税制改革。配偶者控除は圧縮される方向のようです。また、年金改革のからみでいうと、130万円の壁は65万円に下げられる見通しで、そうなると、かなり多くのパート労働者が厚生年金保険に加入することになるでしょう。

 厚労省の試算では、収入が月6万円、年72万円のパート主婦の場合、無料だった保険料が月5000円、年間6万円払うことになります。もちろん、払った分だけ、老後にもらえる厚生年金の額が増えて、月に1万8000円。

 ただ、厚生年金加入条件の年収のハードルが下げられると、健康保険、介護保険(40歳以上)も横並びになる可能性が高く、そうなると月々に払う(天引きされる)保険料がさらに増えるわけですが、同時に社会人・労働者としての保障も厚くなる。悩ましい……かな?

 そんなに保険料ばかり取られ、果たして将来の保障は大丈夫なのかと心配になりますよね。ましてや、健康保険はサラリーマンも自営業者同様に治療費3割自己負担にされようとしているわけで。

 国民皆保険の原則で、保険料を強制的に徴収されるっていうのは、まあ、福祉国家を支える源泉で、直接的にはいまのお年寄りの生活を保障するもとになっているので、日本人として当然の義務なのでしょうが、将来、自分の老後へのリターンを考えたとき、払った分の運用の仕方、使い方が気になるところ。

 2025年の試算では、少子高齢化が進む中で現在の支給レベルを保つには、厚生年金の保険料が月収の3割を超えるらしい。労使折半ですが、それにしても大変な額。

 自営業者と自由業者は原則として国民年金だけで、それだけだと月々の保険料が低いかわりに将来の年金も少々で、老後の生活をまかないきれませんから、そのへんは自助努力でなんとか考えなさいということですね。

 一方、厚生年金は強制的に天引きされる保険料は高いけれども、それだけで老後の保障が十分なように運用・管理するのがタテマエのはず。おいおい、大丈夫かよって感じでみんな不安に思っているわけですね。

 民間企業のもっと優秀なところに運用を任せたほうがリターンがいいんじゃないか、とかね。401kなんていうのもどんどん普及してますよね。

 話が103万円からずいぶん遠いところに来てしまいましたが、私が言いたいのは、目先の損得でチョコマカその場しのぎに動いていても、人生をトータルに見渡したとき、果たして幸か不幸かということで。



 ワークシェアリングで経済の建て直しに成功したオランダでは、8割以上の企業で正社員とパート労働者の賃金格差をなくしたそうです。そうなれば、パート労働者でも、プロとしてやりがいのある仕事ができるはず。

 税金、年金の不公平感をなくし、パートと正社員の格差を縮めて、多様な生き方の選択肢が可能になるように、声をあげてアクションを起こしていかねばなりませんね。がんばろー!

 昨日一日、年金・税制改革の現状報告レポートを書きつつ思ったことをメモしてみました。おそまつ。





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最終更新日  2002年06月18日 13時04分35秒


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