ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2002年07月15日
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 池田小事件の詫間被告の報道では、その異常な心理ばかりが強調されているような気がします。

 あのような「怪物」を生み出した社会的背景についての考察はほとんどなく、せいぜい成育歴や家庭の事情といった、小さいところへ押し込められていく。

「アイツは特別に異常な怪物であって、正常な常識人である我々とは何の関係もない。理解を超えている」。このような受け止め方は、ある意味で「思考停止」ではないだろうか。

 私が学生のころは、「犯罪心理学」よりも「犯罪社会学」のほうに説得力がありました。犯罪を生み出す原因の多くは社会にあると。永山則夫が『無知の涙』で語っていたように、貧しさや差別が犯罪を生む温床になる……。

 ところが冷戦の終結と一億総中流意識時代を経て、貧困や差別の問題が表舞台から姿を消してから(それは錯覚だと思いますが)、アメリカの「サイコパス」ものに代表される、異常心理の世界を描いた推理小説や心理学の入門書がもてはやされるようになってきた。

 とくにキリスト教の国であるアメリカでは、サイコパスが悪魔のイメージと結びつき、絶対悪として説得力を持つようになってきた。

 たとえば、ミッキー・ロークvsデ・ニーロによる映画「エンゼルハート」で話題になったウィリアム・ヒョーツバーグ著『堕ちる天使』(ハヤカワNV)は、悪魔の世界を描いた怪奇小説と読むこともできるし、悪魔崇拝の傾向を持つサイコパスの異常心理モノと読むこともできるという読後感を持ちました。

 人間の心の暗黒面(スター・ウォーズでも使われている概念ですね)については、まだまだ未解明の部分が多く、慣習的に分かっていても、科学的には明確な管理手法が確立されていない。それだけに、ファンタジーが花開く余地が残されているわけですね。

 ただ、社会の中のワナや落とし穴については、解明しようと思えば、いくらでも解明できるし、対策を立てられるはず。それが不十分のような気がしてなりません。



 でも、心理学と社会学だけで人間と犯罪の関係を説明するのは難しい。仲を取り持つ哲学にも、もっと頑張ってもらいたいところです。

 ……とまあ、薄っぺらい表現しかできなくてお恥ずかしい限りですが、どうも喉につまった魚の小骨のように気になる問題だったので、とりあえず書いてみました。





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最終更新日  2002年07月15日 11時30分34秒


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