ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2002年09月30日
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 ジンリッキー、ジンライムと2杯飲んだところで、さて、次は……と、考え込んでしまった。ライムの酸味に少し飽きて、さりとて茶色いお酒は、今夜は胃に重い感じがした。

 やっぱりワインかな。安くてお手ごろのワインをカラフェで出してくれるんだ。

 他のお客は皆、帰ってしまった。嵐が去った後みたい。さっきはちょっとしたドラマだったな。酒場っていうのは、不思議なことが起きるものだね。

 かつて助っ人として私が参加していたバンドの女性ヴォーカルとキーボード奏者の2人連れが、唐突に現れたのだった。2年ぶりぐらいかな。「きゃー!久しぶりー」と、抱きつかれ、どぎまぎしちゃったよ。相手は大トラだ。

「あの当時のバンドのこと、どう思っていた?正直な気持ちを聞かせて」

 うーん。言っちゃっていいかな。言っちゃおう。

「怖かったです」

 リーダーの男性が「暴君」って感じで(時代劇でよく悪代官役をする俳優の睦 五朗に似てる。ウルトラマンシリーズにも出ていたな)、メンバーが演奏や歌を間違えたり、練習不足だったりすると、みんなの前で厳しく指摘する。その言い方が怖かった。私は怒られたことないけどね。誰かが攻撃されるのを見るのが嫌だった。

 ピアノとドラムスにプロのスタジオ・ミュージシャンを招くという本格志向のバンドで、演目はカバー曲ばかり。イーグルス、クラプトン、ドゥービー・ブラザーズ……。

 アンニュイな雰囲気を上手に出す女性ヴォーカルは、カーリー・サイモンの曲がよく似合ったっけ。私は主にコーラスのアレンジを担当し、ソロは1曲、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」を歌わせてもらった。

 なーんて思い出にふける間もなく、2人は1杯ずつ飲んだだけで嵐のように去って行ったのだけれど……。

 ワインを堪能していると、おつまみにチーズが出てきた。他ではなかなか食べられない、「テット・ド・モワンヌ」というフランスチーズ。専用の削り器で、花びらのように薄いフリル状にスライスして食べるの。この削り器がないと、雰囲気が出ないね。ピンクペッパーを飾りにつける心づかいがうれしい。

 お店のリエさんと、しばしチーズ談義にふけった。前夜の宴会で私が食べたエポワスやコンテについて……。

「コンテといえば、ナッツの香りっていうでしょ。チーズはやっぱり、硬質が好きだなあ。お酒にもよく合うよね。あとはミモレットともいいね」

「ミモレットは、練りウニの味がしない? あれだったら、日本酒にも合うね」

 酒には、硬質チーズがよく似合う。クリーミーな白カビ系やブルーチーズもいいけれど、口の中がちょっとべたつき過ぎて、ハードボイルドな気分には合わないゼ。

 シングルモルトにグラナ・パダーノが合うことを教えてくれたのは、立川のバーの仲村トオル似のバーテンダーだったっけ。元バレーボール選手の川合(?)という説もあるが。ハンドルネームは彼が一番好きなモルトの"Oban"だ。

 あの店にはもう3年ぐらい行っていないなあ。久々にひょっこり顔を出してみようかな。近くの昭和記念公園のコスモスを見に行く帰りにでも。

「きゃー!久しぶり!」とか言って抱きついたりして。うふふ。





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最終更新日  2002年09月30日 22時59分29秒


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