ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年05月31日
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 ああ、温泉へ行きたいな。私には湯治が必要。のんびり湯につかって、風呂上りのビールをくぴっ! 浴衣で畳に寝転がり、好きな本を読んでいるうちにうたた寝するの。

 そしてまたお湯につかり、同じことの繰り返し……。

 だけど、迎えに来てくれる王子様はいない。




 ようやくかかとをついて歩けるようになった。まだ、ちょっとした瞬間に痛みが走るので無理はできないけれど。

 雨さえ降っていなければ、タクシーと電車併用でニコタマの温泉へ行けるかもしれないな。近いうちに、実現できるといいな。

 ……。

 一生で一番疲れた一週間かもしれない。

 松葉杖で歩くことを、私は全然恥ずかしいとか、惨めだとか、思ったつもりはなかった。でも、おそらく、いつもとは違う視線に疲れたのだろうと気づいた。

 笑いたければ笑え。どう思われようと、構いやしない。

 しかし、浴びせられる視線、あるいは故意に避けられる視線のありかは、それとなくわかる。

 視線に疲れたのだなあ。

 この一週間、いろんな電車やバスに乗ったが、席を譲ってもらったのはたったの一度だった。あとは「知らないふり」をされた。

「インビジブル・マン」を書いたアメリカの黒人の気持ちが痛いほどわかった。

 昼ごはんを食べ損なって夕方入った大和駅前の「コロラド」で、あからさまに無視され、忌避された経験を私は一生忘れないだろう。松葉杖で独り歩く女性がそんなに怖がれるとは。

 というわけで、やはり酒を飲まずに居られないのだった。足がジンジンこようと、なんだろうと。

 これも怪我のせいとは分かりつつも、ひがみっぽくなっている自分だった。

 色々な方から励ましのメールをいただき、それはそれで嬉しかったけれども、でも、「これは神様が休めと言っているのだから、休みましょう」という言葉は素直に聞き入れられなかった。

 私の仕事は、誰も代わりになれる人がいない。

 それが、嬉しくもあり、やりがいがあり、生きがいに直結しているのだが、その厳しさ、恐ろしさを知った。そして、この感覚を共有できる人は、ほとんど存在しないことも知った。

 神様がなんと言ったか。それは「休め」ではなく、私を罰しているのだと思った。自信過剰で自惚れやの私を罰しているのだと思った。

 思えば、そんな罰を受けたのは私の人生でこれが三度目だと思った。しかも、二度目はつい最近。最愛の人を私の何気ない一言で傷つけたことだった。

 弱っている人を助けることを仕事に選んだからには、この世のあらゆる……というか、可能な限りのいろいろな痛みのバリエーションを引き受けねばならないのだろう。

 もしかすると、この足が一生不自由なほうが、自信過剰になりやすい、強者の視点に偏りがちな私にはちょうどいいのかもしれない。

 絶対、うつ病にだけはなりそうもないと思われた私も、怪我をきっかけに危機的状況に陥ったようだった。

 こんなときは、呑むっきゃないね。あはは。

 コート・デュ・ローヌの濃厚なやつを、結構、楽しんだのでした。ワイン・マニアでよかったなあ。ガス抜きの色々な方法を知っておくことは、決してムダにはならないよ。





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最終更新日  2003年05月31日 22時51分10秒


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