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2003年07月29日
なりたい自分になるには
テーマ:
自分を生かすキャリア(73)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
老婆心ながらここでひとこと。よく「耳ざわりのいい」という表現が使われますが、これは正しくない。使うと教養のない、アタマの悪い人だと思われるので止めましょう。
「さわり」とは「障り」であって、ジャマになるとか、煩わしい、不快であるという意味です。したがって、「耳ざわり」=悪いものであって、「耳ざわり」がいいはずがないのです。
最初にこの表現を使った人は、愚かにも「さわり」=「触り」だと思ってしまったのですね。
私は「耳ざわりがいい」という言葉を聞くと、なんともやりきれない思いがするのです。かといって、間違いを指摘して、その場の雰囲気が気まずくなってもいやだしなあ。だからさりげなく「耳に心地よい」とか言い換えて同意したりね。
それはさておき、本題の続きです。
「なりたい自分になる」とか「やりたいことをできることに変える」というのは、とても前向きで素晴らしいことですが、かといってそれが独りよがりになっては、社会にとってはトンでもない迷惑になります。とくに仕事の世界ではそうですね。
どんな仕事にも、相手があります。いわば「お客さん」ですね。自分だけ満足すればよいと思っていて、お客さんを満足させるために何ら努力しない人は、プロの世界から即刻、退場してもらわねばなりません。
実際、プロ意識のないアルバイトやパートが世の中にあふれた結果、世の中にひどい害悪がもたらされているではありませんか。
たとえば、小学生でもアルバイトできちゃって、お金がもらえちゃうと本人たち自身が思っていて、その欲望を巧みに利用しようとする大人がいる。例の小学生4人監禁事件は氷山の一角でしかなく、渋谷では小学生や中学生に迫る「変態ビジネス」が盛んで、「カラオケに付き合う程度でお金がもらえるなら」→「ちょっと触られるぐらいなら」→「高いお金がもらえるなら」と、どんどん恐ろしい闇にハマっていく実態が最新号の「アエラ」に書かれていました。
いつからアルバイトは、「ドシロウトでもやれる半端で無責任な仕事」になっちゃったのかな?
飲食業は、いまやアルバイトやパートなしでは成立しないぐらいに依存しているのが実態ですが、ドシロウトたちのいい加減な働きぶりは、私たちの心を寒くするものがあります。
郊外にある友人の実家の通夜に行った帰り、他に店がなかったので仕方なくチェーン店の居酒屋「○民」に皆で立ち寄ったときの惨憺たる体験を弟が話してくれました。
最初の1杯目はまあ、普通に届いたのだけれども、その後は料理も飲み物も待てど暮らせどできないし、侘びの言葉もなかった。ようやく届いたお代わりのビールが、妙に甘いので変だと思ってよく見ると、どうやら甘いフルーツ系の酎ハイのグラスをよく洗わずに使ったらしい。
挙句の果て、ようやく届いた焼き鳥に髪の毛が混じっていたので店員に文句を言うと、「ああ、入っていましたか」。
「入っていましたかじゃないだろう!まず、きちんと謝ってから、代わりのものを持ってくるのが当たり前だろう!」
「でも、これから焼くとなるとさらに30分ぐらいお待たせすることになりますが、それでもよろしいでしょうか」
弟は、呆れてモノが言えず、「こんな店、もう出ようや」ということで見限ったそうだが、私なら「責任者を呼べ!」と言うし、それでもナットクいかなかったら、「○民」の本社に電話しちゃうね。
いまの飲食ビジネスって、それほど顧客をナメきっているのだろうか。ナメられたままでいいの?気色悪いぜ。
こんなことを許していたらダメだと思う。
安っぽいニセモノにお金を払ってはいけない。存在を許してはいけない。
「まあ、安いんだから、この程度でも仕方ないや」と思う心が、世の中を安物だらけにしてしまうぞ。
「安いんだから、国産牛肉だと思うほうがアホだ。国産表示はタテマエに決まっているじゃん」っていうのが、例の牛肉偽装事件の根底にあるユルい心なんだろう。
「原材料費を切り詰めるには、法律で認められた材料かどうかなんかにこだわっちゃいられないよ。世の中、タテマエだけじゃやってられないよ」っていうのが、例の続出した違法食品添加物事件の背景にある心理ね。
「ホンネとタテマエ」って、日本人の民族性を客観的に表現するために使われた言葉なのに、いつしか大人のいい加減さを取り繕う言い訳の格好の材料に成り果ててしまった。中根千枝さんはさぞや悲しんでいるだろうな。
もう大人は、自信をもって「タテマエ」を語れなくなってしまったのだろうか。「タテマエ」を語ることにウソ寒さを感じる、感受性豊かでやさしい自分に酔っ払うのもいいけれど、ほどほどにしないとイカンよ。
大人が「タテマエ」自信をもってを語ってくれなければ、善悪是非の判断のつかない子供たちは道に迷ってしまうじゃないか。
キャリア問題を専門とする私としては、「仕事をプロの手に取り戻せ!プロにしか仕事をさせちゃいかん!」ということを言い続けたいと思う。そうすることが、世のため人のためになると信ずる。
だから、「やりたいことをできることに変えたい」とか「適職を見つけたい」という人に対しては、自分の内面や適性を見つめることも重要だけれども、自分がしようとしている仕事のお客さんをイメージしなさいと言うようにしている。
お客さんに対して貢献できる能力があるなら、その仕事に向いているし、する意義がある。
いまはまだ貢献できる能力が未熟だけれども、お客さんのために、その能力を開発していきたいと思える気持ちがあるのなら、その仕事に向いているし、する意義がある。
だって、逆の立場を考えてごらんよ。
人体に害のあるかもしれない食品を売りつける会社の製品なんて、誰も買いたくないじゃない。そんな食品を、「美味しいですよ」「安くてお得ですよ」と言葉巧みに売りつける広告会社の人や、無批判にそんなCMを流すTV局の人間や、食品会社の営業マンや、スーパーの販売員を、人間として信じられるだろうか?
仮に自分の大切な両親が寝たきりになったとして、介護を頼むなら、経験豊かで、専門知識も確かで、本人の望むことを過不足なくしてくれて、しかもいい気持ちにさせてくれるヘルパーや訪問看護師に仕事を依頼したいと思う。
スーパーで買い物するなら、計算間違えすることなく、作業が早くて的確で、感じが良くて、またここで買い物したいと思わせてくれるレジ係のいる店がいいと思う。
カウンセリングを受けるなら、お説教ばかり垂れているエラそうな先生よりも、親身になって相談に乗ってくれて、なるべく短い期間に、確実に効果を感じさせてくれるカウンセラーがいいと思う。
仕事っていうのは、社会的なものであって、個人の欲望を満たすためだけに存在しているわけじゃない。
そのキホンさえ分かっていれば、適職も天職も、やがて確実に見つかるし、あなたを必要としている「職」は必ずどこかにあるはずだ。
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最終更新日 2003年08月22日 09時41分02秒
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