ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年10月14日
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カテゴリ: カテゴリ未分類


 女性がこれから取ってみたい資格についてのランキングで、パソコンや英語関係の資格とともにいつも上位にランクされるのが医療事務ですね。人気の理由は、堅実そうで、時代の波に影響されずに需要がありそうに見えるからでしょうか。女性の大好きな事務系のお仕事ですし。しかし、「資格は取ったものの、就職先が見つからない」という声もチラホラ耳にするようになりました。勤務の実態や将来性について検証してみましょう。

★お仕事データ★

①仕事の範囲
 医療事務には、病院等の医療機関で会計や文書作成、カルテの整理など一般的な事務の仕事全般が含まれます。なかでも大きなウエイトを占めるのが医療保険の請求事務で、一般に「医療事務」と言った場合はこの医療保険請求事務のことを指すと考えていいでしょう。各種の医療事務関連資格も、この医療保険請求事務の技能に焦点を当てた内容になっています。

 では、医療保険請求事務とは何であるかというと、私たちが病気やケガで病院で治療を受ける際、健康保険に加入していれば、高齢の人などを除いて治療にかかるお金の3割を自己負担しますね。つまり、病院側は残り7割のお金を国や各健康保険組合へ請求しなければならないわけです。保険の種類は国民健康保険、老人保健、船員保険などさまざまにあります。その請求についての細かい事務作業を受け持つ仕事が医療事務です。

 仕事の流れはこうなっています。①医師がカルテに投薬、注射、検査などの診療行為について記入する→②医療事務担当者がカルテを読み、法規に従って点数化する→③診療報酬明細書(レセプト)を作成して提出する。

 カルテに書かれた内容は、記号や専門用語が多く、門外漢にはさっぱり分かりません。その内容を理解して点数化することに、医療事務の専門性があるわけです。初診、投薬、注射といった診療項目それぞれについて点数が異なるので、その点数を調べて正確に記入し、合算するという仕事になります。そしてもうひとつの専門性が、レセプトの記入ルールに従って正確に必要事項を書き込むという仕事です。

②ミッション(仕事の使命)
 医療事務は病院の中では「縁の下の力持ち」的存在ですが、現行の医療保険システムを支えるためには、なくてはならない重要な仕事です。

 医療保険に関する専門知識をベースにして、正確に、スピーディに事務処理を行い、保険請求業務を円滑に進めることがプロとしての使命(ミッション)です。

「正確にスピーディに」ができて当たり前というのは、実は非常に厳しい世界ですね。できなければ、医療ミスなどの事故につながる危険もあり、会計で長時間、患者を待たせてしまうなど、周囲に迷惑をかけてしまいます。

 医療の現場では顧客満足の発想が乏しいと批判され、「患者中心の思想」で医療サービスのあり方を変えようという動きが活発に見られます。医療事務に従事する人も、ぜひ、「患者=お客さま」という発想を持っていただきたいものです。

 病院へは普通、喜んで来る人はいませんよね。みんな、不安、苦しみ、悲しみ、痛み、ストレスといったものを抱えて来ています。多くの病院では、最初(受付)と最後(会計)に患者が接するのが医療事務のスタッフですから、ぜひぜひフレンドリーな態度で出迎えてくれて、送り出してほしいものです。

★なるには情報★

①必要な資格
 医療事務関連の資格は多種多様な民間資格が乱立している状態で、何を取ればいいのか分かりにくくなっています。「どの資格を取っても同じ」「医療保険請求実務の知識さえあれば、資格の名称は関係ない」といった声もよく聞きます。その中で受験者が多く、すなわち社会的認知度や採用側の評価も高いであろうと考えられる資格は次の2つです。

診療報酬請求事務能力認定 (財団法人日本医療保険事務協会が実施)

医療事務技能審査 (財団法人日本医療教育財団が実施)

 厚生省と労働省が統合される以前は、診療報酬請求事務能力認定試験は厚生省系、医療事務技能審査は労働省系という見分けができてわかりやすかったのですが、いまは「両方とも厚生労働省認可の財団の実施する試験だから、まあ、大丈夫だろう」といった評価が世間的にされているようですね。

 診療報酬請求事務能力認定試験は年2回実施されます。最近は受験者数が増える傾向が見られ、直近2回の試験では受験者がそれぞれ1万人を超えています。合格率は過去18回の試験の平均で約30%となっています。つまり、年間ざっと6,000人の合格者が出るわけで、それだけの人材ニーズがあるかどうかが問題です。この点については別項で。

②適性
 まず第1に、医療事務関係の基礎知識が求められます。前記2種類に代表される何らかの医療事務関係の資格を取っておいたほうが有利ですが、取れば必ず就職できるとも限らないようです。

「なれる人」に比べると「なりたい人」や、「いまはすぐに働くつもりはないけれど、将来に備えて資格を取っておきたい」と考えている人が多いのがこの資格の特色といえるでしょう。ただし、高齢化社会を迎えていま、医療保険制度は大揺れに揺れていますので、タンスの中に資格をしまっておくと、イザ、使おうというときに時代遅れになってしまうリスクがあるので注意しましょう。

 事務的な仕事の中では、人との接点が多く、気働きや気配りを多く求められる仕事でもあります。そのため、コミュニケーション能力が重視されます。たとえば、対医師の関係。カルテに書き込まれた字が判読不能な場合、本人に確認をとらなければならないのですが、医師にもいろいろなキャラクターの人がいるし、比較的温厚な人だって、忙しい最中に要領を得ない質問をされれば腹が立つこともあるでしょう。相手の様子を観察して、的確なタイミング、内容、態度でやりとりできる能力を要求されます。

 医師のほかにも看護師、助産師、看護助手、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーなど、さまざまなコーメディカルのスタッフがいて、医療事務のスタッフが接点をもつ場面もあります。それぞれの役割と仕事の範囲を踏まえた上で、的確なコミュニケーションをとっていかなければなりません。

 そして、対患者の人間関係も重要ですね。医療事務は外来患者や入院の手続きをする患者、家族と直に接する仕事もあり、いわば「病院の顔」ですから、その仕事ぶりが病院の評価を左右しかねないわけです。

③勉強法・資格取得費用など
 医療事務関係の資格を取るには、専門のスクールで学ぶのが早道でしょう。通学制または通信制の2種類があります。代表的な2つのスクールについて学費を調べてみました。

●日本医療事務協会の例
 通学制 85,000円(税込)標準学習期間2カ月(1年間有効)
 取れる資格=診療報酬請求事務能力認定

●ニチイ学館の例
 通学制 83,580円(税込)3カ月で修了
 通信制 68,250円(税込)6カ月で修了
 通信(オーディオ・ビジュアル)制 83,580円(税込)3カ月で修了
 取れる資格=医療事務技能審査

 スクール選びのポイントは、①資格試験の受験指導が親切で合格者が多い、②通学制の場合は自宅や勤務先に近くて通いやすい、③欠席時の授業振り替えなど、個人の事情に合わせて融通をきかせてくれる、④就職指導が親切で就職率が高い等々。

 最近では、病院のシステム化が進んでいるため、医療事務の仕事もパソコンを使ってする場合が多く、パソコンの基本的な知識があり、入力をスムーズにできる人材が求められていますから、資格試験の勉強と同時に医療事務に必要なパソコン技能も身に付けられる学校を選びたいところです。

★なるまで情報★

①人材ニーズ
 旧通産省の「人材ニーズ調査」によると、年間の人材ニーズは3,631人。ということは、年間の資格取得者数よりも非常に少ない。就職するのは「狭き門」だということですね。

 同調査によると、募集年齢は20代とするところが多く、35歳を過ぎるとガクンと減ります。事務系の職種はなんでもそうですが、「35歳の壁」があることを覚悟したほうがいいですね。

 ニーズが少ない理由のひとつは、定着率の高さ。一度、採用されると辞める人が少ないため、欠員補充の機会や人数に限りがあるということでしょう。

②おもな就職先
 大病院では定期的に採用が行われますが、公立病院などでは医療事務システム全体のアウトソーシングが盛んで、派遣スタッフを利用するところが大半を多くなってきています。個人の開業医では、常勤の医療事務員を置かずに忙しいときだけパートタイマーに任せるところもあるようです。

③就業形態
 上記のとおり、人材派遣で働く人が多くなっています。資格取得支援スクールの中には、グループ内に医療事務の人材派遣会社をもつところが多く、資格取得後の就職支援策として、派遣会社への登録やカウンセリングを売り物にするところもあります。

★なってから情報★

①待遇
「人材ニーズ調査」によると、医療事務の平均賃金は18.3万円。同じ調査の総務事務(21.1万円)、営業事務(21.4万円)、貿易事務(28.2万円)に比べると低くなっています。民間企業に比べると安定性は高く長く勤めやすいけれども、手取額の大きな伸びは期待できないといったところでしょうか。

②やりがい
 医療に携わる仕事という社会的貢献度の高さや、患者さんから「ありがとう」と言われる仕事であることにやりがいを感じている人が多いようです。

③大変さ・修羅場体験
 病院の中には経営難のところも多く、医療事務スタッフを丸ごと派遣社員化するといったリストラ策も取られています。安定性の高い仕事とは言えない時代になってきたようです。

 また、多種多様な人々との接点の多い仕事ですから、コミュニケーション能力や協調性に欠ける人の場合、人間関係の問題を苦にして辞めるケースも少なくないようです。

④ステップアップ・将来性
 IT化がさらに進めば、医療事務のスタッフはほんの少人数でこと足りるようになるでしょう。通院歴や既往症などの個人データをIDカードに記録し、これを専用の機械にかけるだけで治療費の精算ができてしまうシステムの病院も増えてきています。

 カルテが電子カルテ化され、医師が診療行為についての入力をすると同時に保険の点数計算や集計ができてしまうので、診療報酬請求事務を行う人間を必要としないシステムなのです。

 ただし、対患者へのサービスの部分を全て機械化することは難しいので、来院から受診、精算までのエスコート役、入院患者向けの説明・カウンセリング役といった対人的な仕事は最後まで残るでしょう。

楽天日記の制限字数(5000字)では書ききれないので、皆さんからお寄せいただいた「やりがい体験」「現場情報」「修羅場体験」などを加えつつ、別ページに完全版を掲載しますね! メール待っています!





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最終更新日  2003年10月15日 23時33分57秒


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