ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2004年01月23日
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「自分はたったひとりだが、やつらは束になって来やがる」

 原文はちょっと違っていたかもしれないけれど、ドストエフスキーの『地下生活者の手記』に出てくる一節として私は記憶していて、この言葉はパイプにこびりついたヘドロみたいに、私の脳から剥がれ落ちることがない。

 私が学生時代に味わった孤独感、疎外感をこの言葉ほど明確に表現するものがないからだ。

 今朝もまた、ふとした瞬間に蘇ってきた。

 朝のワイドショーで、宅間守死刑囚と獄中結婚しそこなった女性のインタビューを放送していた。彼女も宅間死刑囚に同情し、文通を願い出たり、差し入れをしたりした支援者の一人で、残念ながらライバルに負けて妻の座を獲得できなかったのだった。

「世の中のすべての人が自分の敵に思えた」という宅間死刑囚の疎外感に共感したのだと彼女は言った。私はあなただ、あなたは私だと思う心から、恋は始まるものだ。

 そんな彼女に対し、番組のコメンテーターは口々に「不快だ」「怒りを覚える」「理解できない」「共感できない」「悪いことを悪いと理解できない人が増えているのが腹立たしい」などと全員が全面否定のコメントを述べた。

 獄中結婚しそこなった彼女は、またも疎外感を覚えたことだろう。かわいそうに。

 怒っている人の顔は醜い。朝の番組にはふさわしくないぞ。



 私はまたカウンセラーでもある。カウンセラーは、無条件の肯定的態度で、相手の話を傾聴し、受容し、ニセモノではないホンモノの心で共感する。獄中結婚しそこなった女性の話を聴く機会があればそうするし、宅間死刑囚の話を聴く機会があればそうする。うまくできないかもしれないが、少なくとも、やろうと努力するだろう。

 そんな人も世の中にはいて、少ないけれどもたぶん、たったひとりじゃない。





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最終更新日  2004年01月23日 11時01分52秒


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