ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2006年08月30日
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カテゴリ: 女性労働研究
 某所で開催した再就職セミナーにて、こんな質問を受けました。

「母親が働くことで、子どもにどのような精神的影響があるのかを知りたい」

 再就職をしようかどうかと迷うとき、その大部分は子どもへの影響に対する不安なのでしょうね。

 さまざまな角度から「母親の就労が子どもに与える影響」について考えてみたいと思います。

 この問題について考えるうえでの最初の手がかりとして、第3期東京都児童環境づくり推進協議会「最終報告」(1999年?)を引用してみたいと思います。



彼は乳幼児期に母性的養育が与えられない状態が続くと、後の人格形成に悪影響が起きる可能性があることを、戦後まもなくの時期において、条件の悪い施設で養育されている子どもたちについて観察し報告しました(1951)。ボウルビィは特定の人(多くは母親)への愛着が形成される乳幼児期に、たびたび母子分離を繰り返し、子どもの立場から見れば複数の人物からマザリング(母親的な世話)をうけることになる母親の就労に始めは否定的でした。

彼の研究に対しては初期から疑問が提出されましたが、彼自身も後に次のように見解を修正しました。すなわち、仕事をもつ母親の子どものように、朝、保育園で母親と別れても、夕方迎えに来てもらうというような規則的な分離は、それほど心配するには当たらないこと、また、複数の母親的人物による養育については、養育の仕方が母親のやり方とほぼ同じで、継続性があれば問題がないことなどです。しかし彼の愛着理論は誤解されて世間に広まり、「3歳まで母親が育てるべきだ」という、いわゆる3歳児神話につながっていきました。

 働く母親たちは、「仕事をしたい」という強い願望や、「仕事をしなければ生活できない」という状況の中で、「母親が働くことが子どもにどんな悪い影響を及ぼすのだろうか」という不安に駆られていました。1960年代から1970年代にかけては、「母親の就労が子どもに及ぼす影響」というテーマで、乳児期から青年期までの各発達段階ごとに、子どもの知的発達、情緒的発達、社会的発達などへの影響が検討され、数多くの研究が行われました。

乳児の愛着については、はじめは一人の人、特に母親に愛着が形成され、次第に他の人へも愛着が拡がっていくと考えられていました。けれども、乳幼児は早い時期から複数の人に対して同時に愛着を形成していることが明らかになっています。乳児は大人との相互作用を積極的に求めようとする傾向性をもっており、相手との関係に応じて愛着の度合いは様々ですが、多くの人に愛着をもつことによって、豊かな人間関係を作っていくと考えられます。


母親の就労が子どもに及ぼす影響については、母親の就労の有無よりも、母親が現在の自分の状態に満足しているかどうかの条件が重要であることや父親の育児参加度など家族、親子関係の状況が関連があることが明らかになっています。

 赤字で示した部分が、「母親の就労が子どもに与える影響」についての、現時点でももっとも妥当な考え方とされているようです。

 納得できるんじゃないかな?どうでしょう?






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最終更新日  2006年08月30日 07時39分18秒
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