ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2007年05月11日
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 私が再就職セミナー講師を担当するときには、なるべく一方通行にならないように、会場にマイクを向けます。

 参加者の皆さん1人ひとりが、それぞれに違った課題を抱え、違ったふうに悩み、考えているはずなので、なるべく個々に応じたアドバイスやサポートをしたいからです。

 また、聞くばかりでなく、自分から声を出して思うことを言ったほうが、頭脳がよく回転して、効率的、効果的に学習することができるでしょう。他人事だと思って聞いていると、眠くなっちゃいますよ。

 さて、参加者の皆さんとのやりとりの中で、どうしても忘れられない言葉、頭に引っ掛かってくる言葉があります。

「最近、再チャレンジ支援という耳ざわりのいい言葉を聞くけれども、現実はきびしい」

 という言葉も、その1つ。発言の主は、怒ったような表情をしていました。

 うーん、困ったなあというのが、私のそのときの正直な気持ち。この言葉の中には、事実誤認が3つ含まれています。それを1つひとつ厳しく指摘することは簡単ですが、それだけでは本人のチャレンジ意欲を減退させたり、怒りを増幅させかねない。難しいところです。

 そのときは、なるべく本人を傷つけないように言葉を選んでアドバイスしましたが、本当は、こういうことなんです。

 事実誤認の第1は、「耳ざわりのいい」という表現。結構、多くの人が使う表現ですが、これは明らかな誤用であり、教養のなさを露呈させて恥ずかしいので、使うのを止めましょうね。



「手ざわり」(手触り)とは言うけれど、「耳触り」は誤用です。注意しましょう。

 間違った言葉を使うと、本来の意図が相手に伝わらないので、言葉は正しく使いましょうねというのが、教訓その1です。

 事実誤認の第2は、「再チャレンジ支援(という甘っちょろい方法)では、きびしい現実に対処できない」という考え方。

 よーく考えてみてね。再チャレンジ支援ですから、チャレンジする意欲のある人や、実際に行動を起こす人しか支援しません。家の中に引きこもっている人や、保護されている生活や、失業生活をエンジョイしている人のことは支援しないのです。だから全然、甘くないわけ。

 この自由で平和な社会においては、労働は強制されるものではなく、自発的行為であるわけですから。

 事実誤認の第3は、「現実は、(求人が少なくて)きびしい」。

 確かに地域によって、あるいは職種によって、求人数が求職者数よりも少ない場合もあります。しかし、ゼロではありません。「自分の希望にあう」求人がないというのが、事実です。

 ここに事実誤認の根っ子があります。仕事は、お金を出して買う商品とは違います。自分が欲しいものが必ずしも手に入るわけではない。「買われる」のは求職者のほうだというと表現が露骨過ぎるけど、「選ばれる」のは求職者であり、求職者が一方的に仕事を選ぶことはできないのです。

 日本一売れっ子のテレビ司会者である、みのもんた氏は、著書の『義理と人情 僕はなぜ働くのか』(幻冬舎新書)の中で、「なぜそんなに働くのか」という問いに対してこう答えています。

「仕事は選ぶんじゃない。仕事に選んでもらうんだ」

 求職者は自分の過去の就業経験や、それを通じて身につけたもの、仕事に対する適性、成果を出す能力などについて、応募書類(履歴書と職務経歴書)および面接の場面でアピールしなければなりません。その内容が評価、審査に付され、「この人はわが社のこの仕事に適していて、こちらが期待する成果を出して、貢献してくれる」という結論が出されれば、採用されるわけです。

 だから実は、「自分にあう求人がない」と公言するのは、ある意味で恥ずかしいことなんです。「自分はいま現実にある求人用件を満たす能力がない」ということなんですから。



 まずは、もっとよく探しましょう。ハローワーク、無料の求人誌、有料の求人誌、新聞の求人広告、人材紹介会社、人材派遣会社、電話帳やインターネットで会社を探して売り込む、口コミ等々、探す方法は色々あります。それでもダメなら、雇われない働き方……フリーランスとか、独立開業っていう方法もあるじゃないですか。

 自分をよく見つめてみましょう。自分が「やりたい」こと「好きなこと」だけでなく、「この分野なら、私も人の役に立てる」と思われるものを探して、その「人の役に立てるチカラ」をいまのレベル以上に引き上げるために努力すると同時に、そのチカラを言葉として表現し、そのチカラが自分に備わっていることを相手に理解してもらう方法を考えてみましょう。

 ダメもとでチャレンジしてみましょう。就職は、一度のチャレンジでうまくいくものではありません。最初に応募した会社に決まることが最良の結果であるとは限らないのです。雇う側と雇われる側のどちらか、あるいは双方に誤解があった場合、雇われる側がほんとうはその仕事、その会社に全然適していなくて、満足できなかった結果、長続きしないかもしれないからです。

 人間は変われるし、何歳になっても成長できます。「合うか、合わないか」で考えるのではなく、「合わせられるか、合わせられないか」で考えたほうがいい。

 現実は変えられなくても、現実をとらえる認知のあり方、現実に向き合う態度、現実に対応する行動(対処法)は変えられるのです。



1)就職、転職、再就職などのキャリア上の問題について、問題解決できるかどうか自信がない状態にある

2)新しい選択肢を避けがちであり、自分が慣れており、不安の少ない選択をする傾向がある

3)間違った情報や仮説のもとに考えがちで、その結果、誤った選択をしがちである

4)自分自身の潜在的キャリア(これまでに身につけてきた職業能力と今後の可能性)を正しく評価できず、間違った学習(思い込み、偏見、とらわれ)を行っていることがある

5)非現実的目標(高過ぎる目標、自分に合わないので結果として長続きしない努力目標等々)を立てたり、他の目標と矛盾した行動をとることがある

 思い当たるフシがありませんか?






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最終更新日  2007年05月11日 12時36分31秒
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