旅先でつい、土産を買い過ぎても、宅配便で家まで送ってもらえる便利な世の中になりました。所持金が足りなくなれば、カードでも買えるし。
私もご多分にもれず、その土地の名産品や地酒を買い過ぎてしまうので、折りたたみ式のバッグを1つ旅行カバンに常備し、このキャパの範囲内でと自分を戒めるようにしています。
実は昨日、長崎から帰ってきたところです。旅行ではなく、いつものセミナー講師のお仕事です。
お土産は、東京で言う「薩摩揚げ」のたぐいを色々と、鯨のカツ、角煮まんじゅう、皿うどん、文明堂のカステラ巻。かさ張るカステラ巻だけ、旅行カバンの中にしまいました。両親の喜ぶ顔が見たくて、つい、買い過ぎちゃうんだなあ。
別送便もあります。それは7冊の本。長崎にちなんだ本ばかりで、ホテルの部屋から、あるいは携帯からamazonに注文しました。
まずは、キリスト教伝来に関する本。大浦天主堂で30分ぐらいあれこれ考えたことがあって。それは、なぜ、日本人がキリスト教の信仰をもつに至ったか。八百万の神に対する土着の信仰や、仏教、神道もあったのに、なぜ、「異教」を受け入れたか。そこに心理的葛藤はなかったのか。そんなことが知りたくて、以下の本を注文しました。
"ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)"
ルイス フロイス; 文庫; ¥ 588
"フロイスの見た戦国日本 (中公文庫)"
川崎 桃太; 文庫; ¥ 840
次に訪ねたグラバー館にて、メインのグラバー邸の家具調度や古い写真を見学するうち、グラバー夫人・ツルの生涯はどんなであったかと、興味が湧いてきました。そこで、もう1冊。
"もうひとりの蝶々夫人?長崎グラバー邸の女主人ツル"楠戸 義昭; 単行本; ¥ 1,785
関連本をもう1冊。
『 蝶々夫人を探して- 歴史に見る心の国際交流』
オペラの「蝶々夫人」は、ツルがモデルではないかという説があります。「蝶々夫人」を演じた日本人オペラ歌手といえば、もっぱら三浦環が有名で、グラバー園にも三浦環の像がありましたが、実は、戦前のヨーロッパで活躍した喜波貞子(きわ・ていこ)というクォーターのオペラ歌手がいたことを初めて知りました。古い着物や、日本人ともガイジンとも見えるテイコのブロマイドを見るうち、またまた興味が湧いてきたのです。これは絶版本らしく、古書しか入手できませんでした。
『蝶は還らず-プリマ・ドンナ喜波貞子を追って』松永 伍一 (著) 毎日新聞社 (1990/03)
セミナー会場は、長崎ではなく大村です。開始時刻より前に会場に着き、図書室へ案内されると、そこの壁には石井筆子の年譜が張られていたのです。
あの石井筆子が大村出身だったとは知らなかった!
石井筆子は、日本で最初の知的障害児の施設「 滝乃川学園 」を二度目の夫である石井亮一とともに創立し、「知的障害者の母」と呼ばれています。
最近、常盤貴子主演による映画「 筆子・その愛 」が公開され、話題になりましたね。
会場は、男女共同参画センターです。石井筆子は時代を先取りして男女共同参画を唱えた人物として紹介されていました。
筆子の「思ひ出つるまま」の一部が引用されていて、思わず書き写してしまいました。
「全身全霊を傾けて心身を委ねることのできる人とめぐりあうことができなく、独身の生涯を送るとしても何の妨げもない、心に適う理想の夫と思えなければ、結婚を拒否しても何ら責めを受けることはない」
筆子がこう叫ばすにおられなかったほど、当時の女性たちは自分の意のままにならない結婚を、親や周囲の人たちに強要されてきたのでしょうね。
筆子自身は一度目の結婚こそ、親の勧める「良縁」でしたが、結婚後も津田梅子とともに女性の自立教育に関わってきたとのことですから、意のままにならぬ結婚生活ではなかったのかもしれません。
最初の夫である大村藩家老の息子・小鹿島果は結核で亡くなり、二度目の夫になる石井亮一と出会うきっかけになったのが、知的障害をもつ筆子の長女の存在でした。
滝乃川学園は、もとは東京の滝野川にあったのが、都市化による環境の悪化ということで、昭和3年に現住所の国立市谷保に移転してきたのでした。
私は2年ほど前に、滝乃川学園に取材する機会があり、そのとき初めて石井筆子のことを知りました。
そして昨日、大村で「二度目の出会い」があり、もっともっと筆子について知りたくなったのでした。さっそく、携帯電話のネット機能を使ってamazonで本を検索し、この2冊を注文したのでした。
『無名の人 石井筆子-"近代"を問い歴史に埋もれた女性の生涯』
『筆子 その愛-世界で一番美しい涙の物語』
届くのが楽しみです。
人生って、不思議な出会いがたくさんありますね。でも、うっかりすると、貴重な出会いを見逃してしまうかもしれない。出会いをきっかけに何か新しいことを始めるか、始めないかは、自分しだいですね。
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