ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2008年08月14日
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カテゴリ: 女性労働研究

いきなりクイズです。(    )の中に入る数字はなんでしょう。

Q.就労している女性の約(    )割が第1子出産を機に退職している

正解は、7割です。意外に大きい数字であることに驚かれたでしょう。学校を卒業して就職しても、女性はいまでも結婚退職する人もいれば、大半が第1子出産時に退職してしまい、残るのは2割か3割というのが現実です。ワーキング・ウーマンであり続ける人は社会の中では少数派で、女性の大半は専業主婦として子育てに何年か専念した後、パートのオバチャンとして企業社会に復帰してくる。それが現実ですね。

しかし、今後の少子高齢化の進行で、働く人の数がどんどん減っていく。それでは日本経済が立ち行かない。国家としても税収が減り、保険料収入が減る。国民は「低負担高福祉」を望んでいるが、現実にはあり得ない。北欧型の「高負担高福祉」を選ぶのか、弱肉強食社会であるアメリカの「低負担低福祉」を選ぶのか、その真ん中の極めて難しい「中福祉中負担」の方向性を目指すか、いずれかを選択しなければならない。「低負担低福祉」で金持ちだけが豊かな老後を送れる社会でいいはずはない。となると、労働力が低下する中で社会保障のための個人の負担増は止むを得ない。それでいいのか?

国としては、「女性に働き続けてもらわないと困る」状態に来ているのではないでしょうか。女性も稼ぎ、世帯収入が増え、男性が育児・家事参加することにより、経済的にも質的にも「家庭福祉」のパワーが増すことによって、少子化のみならず高齢化の問題を受け止めるキャパシティが広がり、長い目で見れば解消されていく……そんな未来図を国としては描いているのではないかという気がします。

今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書 」のサブタイトルは、「子育てしながら働くことが普通にできる社会の実現に向けて」とあります。

いまは「子育てしながら働くこと」が普通にできていない。多くの女性は「仕事を続けたかったが仕事と子育ての両立の難しさで辞めた」と考えている。育児休業中は良いが、育児休業後に両立を続けられる見通しが立たないと考えている。

では、国としては、今後、どのような方向性で両立支援を行なうべきか。そのための「基本的な考え方」が、この報告書の中に書かれています。

要点を挙げると、

・育児休業からの復帰後も継続就業しながら子育ての時間確保ができる働き方の実現⇒全ての企業の労働者が育児期に短時間勤務が選べるようにする必要

・父親も子育てにかかわることができる働き方の実現⇒父親の育児休業取得などの育児参加を促進する必要

・労働者の子育て・介護の状況に応じた両立支援制度の整備⇒労働者の子育て・介護の状況はさまざまであり、状況に応じた利用しやすい制度とする必要

子育てや介護をしながら働くことが普通にできる社会への転換(父母と子が接する時間も多く取れるようにする)

以上の「基本的な考え方」を実現するための方策としては、

・育児休業後の短時間勤務及び所定外労働免除

・在宅勤務の普及促進

・子の看護休暇を子どもの人数に応じた制度とする

・配偶者が専業主婦(夫)であっても夫(妻)が育児休業を取得できる中立的な制度にする

・出産後8週間の父親の育児休暇取得促進

・父母ともに育児休業を取得した場合の育休期間の延長

・子どもが病気やケガのために一定期間の療養を要する場合には、再度の育児休業の取得を認めるべき

・介護のための短期の休暇制度の創設

・正社員以外の期間雇用者の休業の普及促進

などが掲げられています。以上を増税なしに実現し得るか?少なくとも企業については物心両面の負担増が目に見えていますね。個人に対しては生活習慣(ライフスタイル)の調整、意識改革(男女共同参画意識の推進)といった要請がかかっていますね。

少子高齢化、低成長の社会においては、国だけで福祉を支えきれない。企業福祉力、家庭福祉力と国家および地域による公共福祉力の三者の連携と協働が不可欠になっていると今さらながら痛感させられます。

人はひとりでは生きられない。家族というチーム、企業というチーム、地域というチーム、国家というチームに所属し、その中で自分の役割を果たし、助け、助けられることにより、個人の尊厳を輝かせて生きていくことができる。

私はいま、「チーム」という言葉が示す価値の重要性を再認識しているところですが、みなさんは、いかがでしょうか。

今後の日記では、先日、私が特別養護老人ホームを取材したときに感じたことを踏まえ、介護と仕事の両立について考えてみたいと思います。






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最終更新日  2008年08月14日 12時01分06秒
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