ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2008年09月22日
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カテゴリ: 女性労働研究

日本人の使う英語の中にはハチャメチャなものが多いのは事実ですが、ここまでメチャクチャでいいのか。たとえば、「パートタイマー」という働き方があるけれども、この言葉は実態に反しています。

先日、母子家庭のお母さん向け就労支援セミナーの講師をしてきました。少人数であったので、講義というより、グループカウンセリングのように1人1人の話をじっくり聞いて、皆で意見を交わし、私がコメントを添えるというスタイルです。

働き方の実態を尋ねてみると、月~金の週5日勤務で、9時~5時といった週35時間勤務の人がほとんど。どこが「パート」か!

ただ、残業はしたくてもさせてもらえないとのこと。法律で超過勤務手当を支給しなければならないと雇用者が労基署から厳しく指導されているから、コスト増を嫌ってのことでしょう。

実態はフルタイムでも、待遇はパートタイマーすなわち時間給制度であるため、子どもが熱を出して当日急に休まねばならない場合、その日の収入はゼロになってしまう。

「ひと月の勤務日数が20日になると、家計が苦しい」

「あと5万円あったらなあと、切実に思います」

「夏休みぐらいは、子どもを旅行に連れて行ってあげたいのに、その余裕がありません。お金をかけずに絵日記に描けるような思い出をつくりたいと思って、家にある材料でお弁当をつくり、近くの公園でピクニックしました」

そんな声に切実さが感じられます。

たとえば、時給800円で月に20日働けば16万円。所得税の源泉徴収、各種社会保険料を天引きされれば、手取りは8割に満たないぐらいでしょうか。

フルタイム・パート場合、雇用主は正社員と同様に社会保険に加入しなければなりません。保険料が労使折半の部分は、労働者も保険料を払います。

パートタイマーであっても有給休暇を取得する権利があり、週30時間以上の勤務であれば正社員同様に入職半年以降から10日間の年次有給休暇を取れて、1年経過するとごに1日ずつ加算されていくはずなのに、もう3年間も有給休暇をもらっていないという例もありました。これは明らかに違法です。

仕事の内容は、決してピンチヒッター的なものではなく、請求事務部門の全員がパート、倉庫の出荷管理部門の全員がパート、販売店の店長以外は全員がパートというように、それぞれが重要な戦力であり、熟練と定着が望まれているようでした。

それなのに昇給・昇格なし、研修なし、ボーナスなし、退職金なしの時間給制。自分や家族の病気で休まなければならない場合、その日は無給。長期にわたる場合は、失業保険の傷病手当を利用できますが、職場によってはその情報が働く人に知らされていなかったりするし、正社員に比べて利用がスムーズでないという実態があります。

これって、身分差別、人権侵害以外の何ものでもないのではないかしら。

いまどき、正社員でもボーナスが出るとは限らないとか、いつクビになるかわからないといっても、それとこれとは話が別。毎月の給与が保障されている人と、休んだ分だけ賃金が目減りしてしまう人の差は天と地ほどに大きい。パートはセーフティーネットの編み目がゆるゆる、スカスカなんですね。これもいわゆる「自己責任」でしょうか!

将来のことを考えると、パート勤務には希望がないので、いずれは正社員を目指しましょうとアドバイスしたものの、仕事から帰って来て急いで子どものために食事をつくり、もろもろの家事を片付けると、もうクタクタに疲れてしまって寝るだけという日々の生活ぶりを聞くにつけ、資格取得のための時間・お金・気力もなく、休みの日は疲れを取ることと子どもとの親密な時間を確保するだけで精一杯。ハローワークへ行ったり、就職活動をする余裕もないし、なんとか時間を捻出してハローワークへ行ったものの、窓口の相談員の対応が冷淡でガッカリしたという声も……。

ただ、そんなハードで誰にも頼れない日々であっても、「100%子どものためと思うのではなく、自分のための時間も大切にしたい」という声も出て嬉しくなりました。






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最終更新日  2008年09月22日 11時53分56秒
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