「事実が私を鍛える」というのは、私が尊敬するジャーナリストの故・斎藤茂男さんが遺したエッセイ集のタイトルで、私にとって忘れられない言葉のひとつ。
リーマン・ブラザーズの破綻という事実、そこに至る事実を直視してみると、鍛えられるなあと思う。さまざまな人の考えに触れ、さまざまな角度からその事実を見てみると、ますます鍛えられる。
斎藤さんのルポのスタイルのひとつに、「X先生」という専門家を登場させて、事実について多くの人とは違う角度からものごとを見たときに見えるものを提示するという手法があった。「X先生」というのは、複数の専門家の意見を集約した仮託の象徴的な存在であり、名前を出さないことによって、あくまでも文責は筆者にあることを強調したのだろう。「X先生」は、「X先生のお説をこう聞いた」という斎藤さんの言わば分身である。
いまも古びることのない、ダイナミックで読者に知的興奮と参加意識を促すスタイルだと思う。「私はこう思う。X先生のこういう見方もある。キミはどう思うか」と常に問いかけている感じがする。
私の場合、斎藤さんのように「X先生」に集約させるところまではまだまだ至らないが、色々な人のものの見方、考え方に触れ、またそのベースになる事実そのものを細かく追いかけていくことで鍛えられるなあと思うのでした。
内田樹
さん、 平川克美
さんのブログに、とってもインスパイアされました。少なくとも、金融業界で働く友達がなんであんなにタカビーなのか、とってもよく理解できました
ああ、スッキリ。
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