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開催日:2026.5.3(日) 14:00開演
場所 :スタジオ シャコンヌ
プログラム
前半
1.花のワルツ op.87 /E.ケーラー
2.2つの間奏曲 /J.イベール
3.夢と小さなワルツ(フルートソロ) /A.カプレ
4.こうもり変装曲(オーボエソロ) /山洞智
5.フルートとオーボエのための協奏的二重奏曲 op.51 /P.A.ジュナン
後半
6.登山列車と雨男 /坂上領
7.THAT'S THE ANSWER!(オーボエソロ) /服部隆之
8.後悔と決心(フルートソロ) /G.ショッカー
9.ブラジレイラ「スカラムーシュ」より /D.ミヨー
10.地球の詩 /三浦真理
アンコール
11.風笛〜あすかのテーマ〜 /大島ミチル
12.ブラジレイラ「スカラムーシュ」より take2
レポート
花のワルツ op.87
演奏会のスタートは、チャイコフスキーではないケーラーの花のワルツということで、演奏後に渡辺氏よりケーラーはフルートのエチュードで有名な作曲家という紹介がありました。楽曲は、優雅なワルツでフルートとオーボエが交代で旋律をとるような形となっており、その入り組んだ感じがたくさんの花が重なり合って咲いているかのような情景を連想させるところでした。
2つの間奏曲
とてもお洒落な曲を多く使ったフランスの作曲家イベールの作品ということで、1つ目の曲は中世ヨーロッパを感じさせる古風な感じ。2つ目の曲は、スペインや北アフリカを感じさせるエキゾチックな雰囲気が特徴的とのことでした。演奏をききながら感じたのは、ピアノは風景を表現して、フルートとオーボエが人を表現し、いろいろ会話をしながら旅をしている(オーボエとフルートの音色が違うのが異なる二人をくっきりと印象付けている)…そんな情景が浮かんできた次第です。
夢と小さなワルツ(フルートソロ)
作曲者のカフレは、ドビュッシーの曲をオーケストラ化したことで名前を残した方とのことですが、そんなカフレのオリジナル曲は、どこかドビュッシーの色を感じさせるところがありました。このあたり2022年に演奏を拝聴した泉真由氏がドビュッシー押しのフルーティストという印象があったので、おそらくフルートの淡い音色は、ドビュッシーの音楽と相性が良いという感じがあるので、その影響を受けたカフレの音楽もまた素晴らしいと感じたひとときになりました。
こうもり変装曲(オーボエソロ)
変奏曲ではなく変装曲というのが、編曲者のダジャレとのことでした。これは、原作となるオペレッタのこうもりが喜劇であるということも関係しているようで、石井氏より喜歌劇こうもりの楽しい様子をお話いただきました。そして演奏はおなじみのこうもりのフレーズをけっこう原形に近い形でつなげてあり、とても楽しめました。
フルートとオーボエのための協奏的二重奏曲 op.51
演奏に先立って作曲者のジュナンについてお話があり、優れた技量を持っていたフルーティストでもあったそうで、その楽曲は超絶技巧も入っていて、この曲を演奏するにあたりフルート奏者にとっては受難(ジュナン)というジョークが飛び出しました。またこの楽譜は、いろいろな編成でできるようになっているとのことで、今回はフルートとオーボエとピアノの3重奏にての演奏となりました。曲中には、フルートとオーボエによるペアカデンツァのようなところ。ピアノのソロやそれぞれのフルートとオーボエがかけあいで演奏するようなところと、いろいろな形が出て来て音楽的にとてもバラエティーにとんでいて楽しめる曲だと感じました。
登山列車と雨男
演奏に先立って渡辺氏がアドリブを勉強したいと思った時に出会った坂上氏の音楽に感銘を受け、弟子入りしたというお話があり、ある意味渡辺氏の坂上氏へのリスペクト選曲という位置づけかなと思いました。楽曲は、坂上氏が幼い頃に訪れた箱根登山列車でのわくわく感を曲にしたものだそうで、ブラジル系のラテン風リズムに乗ったご機嫌の音楽を楽しませていただきました。
THAT'S THE ANSWER!(オーボエソロ)
1997年に放映された「神が宿った」と評された世界的なマエストロを主人公にした番組「それが答えだ!」のオープニングテーマで、曲紹介をした石井氏自身は、リアルタイムでは番組を見ていなかったそうですが、小説化されたものとサウンドトラックが高校時代の吹奏楽部で大流行りしたそうで、込められた想い「音楽はみんなのもの」に感銘を受けたとのことでした。そんな感動的な楽曲を約30年の時を経てまた聴けるという縁を感じつつ楽しませていただきました。
後悔と決心(フルートソロ)
演奏に先立って渡辺氏が6人兄弟の真ん中という衝撃の事実が明らかにされました。6人兄弟という大家族ゆえに音大を諦めたこと。それでもフルートという楽器が無くなった訳ではないので紆余曲折を経て音楽の道へ戻ってきたことなどのお話がありました。そんな渡辺氏の半生の縮図がこの曲に込められているようでありました。
ブラジレイラ「スカラムーシュ」より
前半に演奏したイベールと同じ時代に生きたミヨーの作品とのことですが、この曲はけっこうあちこちで演奏されていて、いろいろな編成で聴いたことがありましたが、フルートとオーボエという異なる音色のハーモニーがとても多彩感があって、サンバの賑やかさがより感じられるところがありました。
地球の詩
もともとは合唱曲とのことで、夜明けを彷彿とさせる前奏を経て、語り掛けるような主題がとても感動的で、地球で生きる全ての人たちの営みを感じさせる壮大なものがありました。
風笛〜あすかのテーマ〜
アンコールは、オーボエを世に知らしめた曲で有名なこちらの楽曲ですが、今回はフルートとのコラボという新鮮なサウンド感を楽しませていただきました。
まとめ
フルート渡辺幸絵氏、オーボエ石井聡恵氏、ピアノ山極遥香氏の地元音楽家で構成された若葉きらめく音楽会ですが、その命名は、生成AIで導き出されたようで、まさにいまの時期にぴったりのすばらしいもので、時代はAIという認識を改めて感じた次第です。そしてスタジオシャコンヌのオーナーから施設の紹介がありましたが、それによると昨年10月にオープンしたスタジオシャコンヌにあるピアノは90年前に作られたものだが、じつは今のピアノは大きなホールで演奏することを想定して作られているので、この90年前のピアノがこのスタジオにとってはちょうどよいスケールの楽器であること。またスタジオの大きさから、演奏者が奏でた音が壁で跳ね返ってもう一度空間に響くという日本国内でも珍しい音響であること。そして響き止めとしてカーテンで調整したり、パイプの入ったボードを複数設置して無駄な音を吸収する工夫が施されていて公共のホールでは聞けないような音響が楽しめるというお話があり、練習・コンサート問わずに利用できるステキな施設だなという印象を受けました。