北国の遊び方 ~北海道の釣りブログ~

北国の遊び方 ~北海道の釣りブログ~

2021.01.14
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カテゴリ: マグロ
さて、今シーズン終了モードのマグロ釣りですが来シーズンはどうなるんでしょうか?

今回少々長文です。4000文字以上あります。
お時間の無い方、長文苦手な方はまたお時間のある時にでもどうぞ。

今後のクロマグロ釣りはどうなるの?


漁業に関する変更点や現時点の取組みなど


年末年始にはマグロに関する特番が色々放送されていましたね。

漁師の方が狙っているマグロってもちろんかなりの大型マグロかと思いますが、釣り人の私にしてみたら、ん???そんなにマグロいなかったですか??毎回のようにマグロは見かけましたし、キャスティングゲームにおいてですが、ほぼ毎回それなりの釣果があったような・・・と思ったのが率直な感想でした。


もちろん、漁師にはある程度漁場の制限もあるでしょうし、漁具の制限もありますし、免許の制限もありますから、いきなり漁法を変えたり、ピンで狙うとなると最新の機材を積んだ船でも厳しいのかなぁ?とも思えるところがありました。

しっかし、ナブラに漁船が突っ込んでいく様子は圧巻でしたね!一回やってみたいですよ(笑)



さてさて、マグロを狙う釣り人であれば一回は聞いたことがあるんじゃないのかな?と思うのですが、令和2管理年度(第6管理期間)の大臣管理分(沖合漁業)が昨年末に終了し、都道府県分(沿岸漁業)が今年の3月までとなりましたが、令和3管理年度(第7管理期間)の大臣管理分が開始されました。そして、都道府県分が4月から開始されます。


引用:水産庁ホームーページ

そして、今年から少し変更点があるのですが、その中で特に気なった項目がありました。

漁獲割り当てによる管理に向けて、漁業者自身による自主的な取組として、試験的に船舶ごとに漁獲量を割り当てる手法を組み合わせた管理と行う といいます。

この方法は俗に言う
これは既にミナミマグロや大西洋クロマグロを対象とする遠洋まぐろはえ縄漁業などで導入されているようです。


参考までに、 今までは当該大臣管理区分の漁獲量の管理の手法は、漁獲量の総量の管理とする。

でした。




ちなみに日本近海のクロマグロに関して、個体数は増えていると言います。

昨年行われた国際会議では 日本は漁獲量の枠を増やして欲しい と、要望を出しましたが、まだ不十分、その時期ではないとNGを出されています。

国はクロマグロを増やすために色々な政策や事業を行っているわけですが、漁獲量の管理のほかに、 「クロマグロの混獲回避のための休漁に対する支援」 「クロマグロの混獲回避の取組に対する支援」 などがその例です。




その甲斐もあってか2020年11月30日時点での大型魚に関して


引用:水産庁ホームページ
※速報値であり、報告が間に合わなかったものも可能性としてあり

漁獲上限の7割に達している都道府県は青森、秋田、山形、沖縄県のみとなっているようです。

北海道に関しては12月に入る時点で、90トン近く余力を残していますからかなり漁獲量を抑えた結果となりました。




遊漁に規制の動き


さて、長くなりました本題に入りましょう。


この漁業者の配分について
令和元年度漁期の開始にあたって、数量配分の透明性を確保するために、農林水産大臣のの諮問機関である水産政策審議会の資源管理分科会に くろまぐろ部会 沿岸・沖合・養殖の各漁業者の意見を踏まえ令和元(2019)年漁期以降の配分の考え方を取りまとめました。 令和元(2019)年漁期以降は、くろまぐろ部会の配分の考え方に基づき基本計画を策定しています。



それが、私達釣り人にも多少影響しているのですが、

よく耳にする例で、 「マグロ釣りはグレーな釣りだ」 や「 マグロを釣った写真をSNSで公開してそれを見た漁師が怒り、役所に抗議、これ以上ことが進めばマグロ釣り自体できなくなる」 なんてことは、まずありえないと思います。


まず、 「グレーな釣り」 に関してですが、現時点で決まり事はあります。そして何についてグレーなのか全く意味不明です。他の釣り人の視線を気にして「とりあえず自分も言っておけばよいのかな?」と何となく言う必要もありません。 ただ、雰囲気的に漁師が漁獲量を制限している中、釣り人にはその制限がないため、そんなムードになっていることが原因の一つ でしょう。


もっとも、 ​日本国内最高峰と言える釣り​ なのにコソコソする必要はありません。
誰でも簡単にできる釣りではないですし、簡単に釣れる魚でもありません。



また、 写真をSNSで公開 したからと言って、例えば 水産庁が来年からマグロ釣りは禁止!! なんてこともありえません。

もしそうなったら、私も国民として一言抗議しますよ(笑)
何ですか?その理由って(笑)


行政の行う政策には必ず目的や意味がありますし、とりあえずは筋の通った理由があります。 ですからその理由が「釣り人がSNSの写真をアップするから」はまずありえないでしょう。そもそも、その写真が誰が撮影して、本物なのか、どこで釣ったのか、いつの物なのかなど雰囲気は伝わったとしても、信ぴょう性が無さ過ぎです。



それを踏まえてですが、



実は遊漁に関する制限については、水産庁がもう既に公にチラつかせています。


どういう事かと言うと、水産庁は太平洋クロマグロについてはWCPFCの決定を受け、漁業者に対しては、TAC法に基づき、TACによる管理が行われているという事を冒頭に、


遊漁に対しては、同様の管理措置がない。

そして、 そのことを漁業関係者より、早急な対応が要望されている と言っています。


そうなんです、決まり事はあるのですが、管理処置がないのです。


なので、水産庁は都道府県や遊漁団体等と協力して、遊漁者や遊漁船業者に対して漁業者の取組について周知を図るほか、資源管理に対する協力を求めている。


違う言い方をすると、現状が詳しく把握できていないため、 今は そんな協力しか求められないという事かと思います。


それが、クロマグロを対象にした釣りの自粛であったり、30kg以下のクロマグロのリリースなどの協力要請となっているのです。


また、昔からの経緯もあると思いますが、マグロなんてそんな簡単にキャスティングで釣れる魚でありませんでしたし、ここ数年道具の進化に目まぐるしいものがあり、獲れる道具ができた。獲れる船がいる。獲れるアングラーが増えたこともその要因の一つかもしれません。もちろん、気候の変化や個体数の増加も十分あると思いますが。



ぶっちゃけ、これに強い強制力を持たせたら、船に何百万、何千万と投資している遊漁船の船長なんかに廃業して下さいって言ってるようなもんですよね。
わざわざ遠征して、ブリ釣りや五目釣りに何万もかけてする方も少数かと思いますので。



そして、リリースリリース言う人に限って、トリプルフック使ってたりってのを、私は何件か見てきました。トリプルフックには色々な利点や使い方がありますが、リリース前提だとデメリットしかありません。
ただ、何の目的もなくリリースするであればそれで良いのですが、実際口はグッチャグチャになってるし、他のフックが目に刺さってたり、お腹にささってたりなんてのも多々あると思います。

トリプルフックが知恵の輪状態でフッキングしてたら、もう、厳しいなぁと個人的に思うところがあります。


それでは根本的には意味がないです。

仮に国が本気で資源回復のためにリリースって言うのであれば 、シングルフックなどの漁具の制限もあっても良いと思います。これから死んでしまう確率の高い魚をあえてリリースする必要性もどうかと思います。それならしっかりキープして食べた方が良いと思います。
もっと極端なことを言うと 、釣具店などにもっと働きかけても良いと思っています。


マグロを釣れる道具の販売を自粛して下さい と。そして、 メーカーには道具の製造も含め、煽るような道具の動画などの広報 もやめてくださいと。

現実は殆どの釣具店の店頭にお決まりの自粛リリースポスターが1枚張ってあって、形的にはリリースをお願いしています。と言ったスタンスをとっているものの、ガンガン道具を売っているのが現状です。
(中にはリリースサイズの目安やその方法など詳しく説明してくれるお店もあります)


結局、そんなことも言って、国は責任も取れませんから、それができない 一番立場が弱く、効果も薄い遊漁者がターゲットにされるわけ です。


中身は空っぽの要請 と言えるでしょう。


ただこれにも少なからず意味があり、もちろん、遊漁者が率先してリリースして資源管理に取組んでくれるほか、漁業者に対して行政は何もしていないと言われないための、アクションともとれます。




さらに、話は続きます、水産庁はこうも言っています。

遊漁は地域活性化策としても期待される一方で、資源管理の重要性が高まる中で、遊漁における資源管理の取組を図ることが必要となってきています。このため、水産庁では、遊漁と漁業の共存及び資源管理に関する検討を令和元(2019)年度より開始したところであり、今後もこれを進めていきます。
引用:水産庁ホームページ

遊漁は地域活性化策として期待されること理解しつつ も、 遊漁と漁業の共存及び資源管理に関する検討を令和元年より開始したところ だという事です。



そうなんです、 実は遊漁と漁業の不公平感を無くす取組みの第一歩は既に始まっている のです。


具体的には遊漁船などにどれぐらいのマグロの捕獲があったかの調査が入っています。


ですから、SNSに写真をアップしたからマグロが釣れなくなると言う噂は嘘であり、今後釣りができなくなると言うのも信ぴょう性が薄いです。(漁業者の感情はお察ししますけど)



この共存、資源管理について、 今後遊漁者もなんらかの規制・ルール等が定めらることは、既にほぼ決定事項 だという事です。


だからと言って、釣ったらハチャメチャに釣果をSNSにアップしても良いという事にならないと思いますが、遊漁船の船長も当然お仕事ですから、自分の船でこんな釣果があったと報告したい方もいるでしょうし、自分の操業する船でお客さんが釣ってくれたら自分のことのように嬉しいもんだと思いますよ。



そもそも、マグロ釣りが最近ブームになりつつありますが、始めるにあたってとても敷居が高いです。
これは本当に身に染みています。

道具もワンセットだけでも20万はしますし、消耗品も考えるともっと掛かります。
ルアーなんかもロストを考えると結構いい値段しますし、ラインだけでも数万します。
遊漁料だって、ブリなどのジギングに比べると相場は1.5倍から2倍、安い船でも一回、1万5千円はします。釣れるか釣れないかわからないような釣りにです。

チャーターなんてすると7万から10数万の船もありますからね。


そして、どんなに人口が増えようと、まず船が少ないです。ぶっちゃけ今、道南のマリーナはどこもいっぱいなのですが、それでも沖に出られる人数と言うのは、サケ釣りなどの非にならないぐらい少ないです。毎日最大でも限られた人数しか沖にでられません。


しかも、ちょっと大型になると、釣りあげるのも他の魚の非にならないぐらいの体力と腕前がないと厳しいですし、11月以降なんて月に沖に出られる日なんて今年何日ありましたかね?
2週間沖にでられないとかザラでしたね。

誰でも簡単にできる釣りできはないのはお分かりかと思います。



もっと、言わせていただくと、私が沖で見て来た遊漁船って言うのは、どの船もみなさん漁師思いですよ。

漁業者の船団には絶対に近づかないですし、漁場にもできるだけ近寄りません。
そして、トロールしてる船があったら、みなさん航路を譲ってあげてますよ。
漁船が近づいて来たら、お客さんも船長に知らせたりしながら釣りしてます。

漁師の方には凄い気を使っていますね。

そこまでしてるのに、よく事情が分からない人に、テレビで見た、今年はマグロが獲れてないのに、漁獲制限があるのにうんぬん・・・・と遊漁者が叩かれたら正直一言いいたくなる方がいても不思議ではありません。


ってな具合で、近い未来、遊漁に関する何らかの規制ができると思いますが、令和元年にデータを取って、翌年にすぐそのデータを反映させて規制を作るのは正直難しいかな?と個人的に思っています。
最低、2,3年分の資料・根拠は必要になってくるんじゃないでしょうか?
今後、試験的な取組みや効果測定期間がどこかで儲けられる可能性もゼロじゃないですね。

まとめ


久しぶりに長文になりました。
最後まで読んでくれた皆さま、ありがとうございます。短い言葉で表現するのが難しくてロングな内容となりました。
今は今の決まり事内で釣りをすることしかできませんが、この遊漁に関する管理処置に関しては動きはじめています。規制が変わればその中で遊漁をすれば良い話かなと個人的に思っています。
釣りの自粛・リリースは個々の判断によりますが、その辺は常識内で取組めば大いにOKかと思います。
マグロ釣りに限らず、釣りと言うのは決まり事作りが難しいものですね(^^;






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Last updated  2021.08.14 11:06:23


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