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2005年06月19日
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テーマ: 父の日(7)
カテゴリ: 思い出した
今日は父の日。

いよいよ父の日なので書いてみようかなぁ。

かずちゃんは、若女将が中学3年の時に逝ってしまいました。
でも、その人生はまったく奔放そのものできっと悔いはなかったと思う。

かずちゃんは七人兄弟の三男坊。
おじいちゃんの幸吉さんは大工の棟梁でしたが、大工になったのは
かずちゃんだけ。
厳密に言うと長男のおじさんも大工だったけど、ちゃんと修行をして


でも、かずちゃんは後を継いで棟梁にはならず、若女将が知ってる範囲では
工務店の大工さんだった。若女将が生まれる前に幸吉じいちゃんはもう亡くなって
いたので経緯はわからないけど、たぶんもしなったとしても潰しちゃってただろうなと思う。

若女将は三人姉妹の末っ子だったからか、かずちゃんはすごくかわいがってくれた。
なぜか姉妹の中でもいつも若女将が行動を共にしていたかな。
たえちゃんと喧嘩をしてぷらぁと出て行ったときも、若女将をつれてボーリングを
したり、デパートをぶらぶらしたりしていた。

小さかったから良く憶えていないけど、材木屋さんや職人仲間のところへ連れて行ってもくれた。だからなのか今でも材木の匂いというか現場の匂いがなんだかシックリくるんだなぁ。

かずちゃんはお酒が大好きで、いつも呑んで帰ってきた。
たまには明るいうちに家にいた時もあったけど、たいていは行きつけの呑み屋さんで呑んでから帰ってきた。
呑むことも好きだっただろうけど、呑み仲間たちとおしゃべりをするのが好きだったんだと思う。

呑み屋さんの前で若女将が待ち伏せしたこともあったし。
たえちゃんも大変だっただろうな。
二日酔いで休んじゃったりするし^_^;

全然経済的に余裕はなかったけど、かずちゃんもたえちゃんも私たちに
精神的に貧乏を感じさせなかった。感じた記憶がないなぁ。

狭いながらも楽しい我が家って感じです。
家族でよく外食もしたし、好きなものを食べさせてくれた。
すごくいい思い出。
今から考えると本当は大変だったと思う。

かずちゃんは呑むとちょっと理屈っぽくなるけど、そのウンチクが人をひきつける
魅力になっていたのか、お客さんからも仲間からも一目おかれていた。
仕事に関しては厳しくて、道具も大切にしていた。
雨の日に墨壺の手入れをすごく丁寧にしていたことを憶えている。

だからうちには日曜大工の道具がなかったから、工作の宿題をするのも道具を
使わせてもらえなかった。学校にもっていく工作用具もなかったし、子どもとしては、ちょっと不便だったな。

小学校の夏休みの宿題の工作で、私は金種ごとに貯めたり出したりできる貯金箱を作りたくて、設計図をかずちゃんに見せて必要な木切れを現場から持ってきてもらいたかったのに、結局材料を切るのも釘を打つのもやらせてもらえず、原型はかずちゃんが作ってしまったことがある。それは、うまく作ってあげたい親心ではなくって見てられなかったんだと思う。すごくりっぱな貯金箱が完成してしまった。
どこから見ても小学生が作った作品には見えない。
当初の自分のイメージよりもすっごくゴッツイ仕上がり。
名付けて「大型貯金箱」
学校の授業で作る私の姿を知っている人にはあまりのギャップ。
とりあえずせめて色を塗るのと、100円とか金種の字を書くのだけは自分でやった。
女の子は工作といっても手芸系の作品を作ってくるのがほとんどだったから、
やけに目立ってしまった。学校に持っていくときも大きかったから風呂敷に包んで
持って行った。なかなか開けなかった。

夏休みの工作は市だか県だかの工作コンクールとやらに先生たちが選んだ作品を出品するようになっていて、普段の授業の作品なんて選ばれもしないくせに、
知らないうちに勝手に大型貯金箱は出品されていたらしい。
そしてなんだか一番いい賞に輝いてしまった。
作りがよかったのか、企画の発想がよかったのか未だに定かではないけど、
発想がよかったのだと信じたい。

あともうひとつ。
若女将は、作文と絵が比較的得意だった。(自慢ではないっす)
作文はいつも先生にほめられてみんなの前で読まされたり、創立記念の式典で
全校生徒の前で学年代表で読んだこともあった。

ある日授業で書いた作文だか詩だかを毎日新聞の子どもの詩のコーナーに投稿するので、原稿用紙を何枚かと父兄への手紙を持ち帰させられ、家で清書をしてきなさいと言われた。家に帰るとかずちゃんが二日酔い明けで家にいた。
たえちゃんは出かけていなかったので、かずちゃんに手紙を渡すと、急に星一徹のようになり、テーブルの正面で腕組みをして私は正座で清書するのを指導された。
子どもながらにそこまでしなくても・・・と心の中でつぶやいた。
きっとかずちゃんの子ども時代(ガキ大将だったので)にはなかったから内心うれしかったんだろうね。

まだまだたくさんの思い出があるけど、それはまたの機会に。

かずちゃんの晩年のこと。
亡くなる1年位前から体調が思わしくなくって仕事も休み勝ちになった。
あんまり病院に行ったことがないかずちゃんが病院に行ったのだからよっぽど
なんだろうな。お酒もいっぱいのんで不摂生してたからね。
たばこはその頃から一切吸わなくなった。でもお酒はやめられなかったけど。
その頃は腎臓系が悪いと診断されていたらしい。
夏はほとんど毎日家にいた。
中学生で思春期の若女将としては、そんなかずちゃんがちょっといやだった。
子どもだったんだね。反抗期だったし。

秋口ごろから、少し回復して仕事に行くようになった。
千葉から東京の現場まで電車で通っていたので、呑んで帰ってくると
いつも午前様になってしまう。そんなかずちゃんをたえちゃんはすごく心配していた。

春になり、若女将は中学3年生。
ある日家に若女将とかずちゃんだけの日があった。
二人とも何をするでもなくぼけぇっとしていた。
かずちゃんは自分の仕事をした日数をきちんと手帳につけていたので、
手帳はたくさん持っていた。何気なく手帳をみると内ポケットに女性の写真がたくさん入っていた。かずちゃんにいうと、取り出して一枚一枚解説を付けながら
見せてくれた。
それぞれに思い出のある方々ばかりで必ずしも彼女だった人ばかりではなく、
お世話になった人などもいた。
そして最後に旅館の浴衣姿の女性の写真。
「なんだかんだいってもこの人が一番なんだよねぇ」といいながら見せてくれた
写真はたえちゃんだった。
ちょっとうれしかった。

それからひと月後の日曜日。すごくいい天気だった。
若女将とたえちゃんは銀座まで絵の展覧会を見に出かけていた。
かずちゃんと二人の姉は家で昼間からイカの丸干しを焼いて食べながら
和やかな日曜日を過ごしていた。かずちゃんは少しお酒も飲んだらしい。

若女将とたえちゃんもブラブラ銀座の散歩をしたりとても充実した
日曜日でした。
夕方家に帰って5人揃っての夕飯後、かずちゃんもいつになくご機嫌で
横になってテレビを見ていた。
急に苦しがり左半身が麻痺したと言い出し、救急車を呼び運ばれた。
そのまま翌日の朝病院で亡くなりました。

こう書くとしんみりしてしまうと思うけど、かずちゃんにとっても
家族と団欒をしている中で症状が出て良かったんだと思う。
しかも好きなお酒を飲みながらいい思い出を持っていけたと私は今でも
思っています。

お葬式の時も自宅のアパートに入りきらないくらい、どこから聞きつけたのか
たくさんの弔問の方に来ていただいて、かずちゃんの人徳だなぁとしみじみ感じ
ました。
私も亡くなる時にはにぎやかに送られたいなぁ。

こんな父でしたがかずちゃんとたえちゃんの娘に生まれてよかったなぁって
心から感謝しています。

長くなってしまい思いつくままに書いたのでめちゃくちゃな文章に
なってしまいました。もし、最後まで読んでいただいた方がいたら
本当にありがとうございました。





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最終更新日  2005年06月20日 02時17分31秒
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