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2013年05月21日
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カテゴリ: 日本の財政問題
最近は連日、株価が最高値を更新と言うニュースが飛び交って、景気が良いな~
私も少々相場にはあやかれてるので、嬉しいは嬉しいですね
車業界や電機業界辺りの業績発表を見る限り、相場は業績相場に移行してるなと言う印象です。
ずっと株を持っていると、4月の下旬くらいに売っちゃおうかと言う誘惑が強くなると思いますが、こういう時は粘り続けた方が結果が良くなるような気がしますね
あくまで経験則の話ですが
私は相場に関しては、かなり時間経過と言うのを意識します。大きな相場は年単位で続きますから、まだ先はあると思っています。

アベノミクスは相場関係者にとっては非常に嬉しい話でしょう。が、将来負担が増えると言う意味では、私は全く評価できません
景気対策として行っている財政出動は、全部借金ですから、これはそのまま将来世代の負担になります。1998年当時、小渕首相の時も大規模な財政出動をしましたが、当時の小渕首相は、「世界の借金王」を自認していました。
そして、将来私は恨まれるかも知れないと言っていましたね。

安倍さんが自分の言っていることを信じてるとすれば、完全に経済オンチとしか言えない

現在、リフレ政策と言うのをしてるわけですが、リフレ派の人の主張を見ると、インフレになれば国の財政状況がよくなると言う意見をよく目にします。
この意見の大本がどこかって、実はよく知りませんが
三橋何某とか言うアホ評論家が、そんなこと言っていました。流石に学者でこれを言っている人は・・・居るのかな? よく知りませんが

私がこの三橋さんと言う人を知ったのは、yahoo知恵袋を見ていた時に、この頓狂な「インフレになれば国の財政状況はよくなる」と言う意見を見たときです。結構たくさんこの手の意見と言うのがあって、この人のサイトにリンクが張ってありました。
が、内容が「オイオイ」と言う内容でしてね
分析、してないんですよ
この人は、例えば「消費税を上げたから税収が下がった」と言っていますが、その証拠資料が財務省の所得税の税収推移だけです。これも分析なしでびっくりしました。
昨年のブログでも書きましたが、所得税の税収推移と言うのは、数字に連続性がありません。税制改正の影響を加味せずに、数字だけ比較しても無意味なのです。
例えばですが、国税と地方税の分配比率と言うのが変わっていまして、以前と比べると、税収が変わらなくとも、所得税は3兆円減っています。
これを単純比較しても意味がないというのは、説明を聞けばだれでも納得するでしょう


「インフレになれば国の財政状況はよくなる」と言うのも、最初聞いたときはビックリしました。どう計算しても、インフレになっただけでは国の財政状況は良くなりません
それこそ、高度成長時代の「イケイケ高成長」状態が10年続かなければ、今の日本の問題は解決など不可能です。そして、現状の日本で高度成長時代の成長率は不可能です。
日本がかつて高度成長をしたのは、国内が貧しく、グローバル化に伴う内外の所得格差の是正に助けられていたのは間違いなく、この助けのない現在で高度成長は無理としか言えません。
日本が現状で望みうる最高の状態は、名目成長率3%、実質成長率2%くらいでしょう

国の財政危機の解決方法として、インフレによる実質債務の減少を狙うのは、ごく現実的な話です。なので「インフレにする」と言うことは当然の結論なのですが、そのインフレによる実質債務圧縮効果に過度の期待は禁物です。

しかし、インフレにより実質債務が減るためには、財政収支が名目値で均衡していると言う前提がなければいけません
ところが、日本は周知のとおり、財政収支が極端に悪い
過去10年間の公債残高の増減を見れば一目瞭然です。
過去10年で、公債残高が減ったのは2006年のみ それ以外は毎年20兆円を超える金額の公債が増えています。
インフレによる実質債務の減少を狙うためには、名目値での債務膨張を防がなければいけない訳ですが、これを名目成長率増による増収効果で相殺は不可能で(数字がかけ離れています)実効性のある施策は、大幅な政府支出のカットと増税しかありません。しかし、財政赤字は簡単に減らせませんし、仮に減らせば、乗数効果を加味しない数字でも、GDPは大幅に減ってしまうのです。(これはフィスカル・ドラッグと呼ばれます)
これで高成長できる訳がありません

まぁ、リフレ派は増税やら歳出カットなしに財政再建が可能とか言ってますが、実態は不可能です。
以下のリンクはモルガンスタンレーのレポートですが、これの分析では、金利が2%になれば日本の財政赤字は急速に膨らむとしています。
危険水域にある日本の財政事情
インフレ率が上がれば、当たり前に金利は上がるので、金利を「インフレ率」に変えても差し支えはないでしょう。

物凄く単純な計算を昨年も書きましたが、
インフレ率が1%になったら、普通に考えれば政府の支出も1%増えます。それに対する税収は、1.1%程度増えます。現在の収支バランスは、支出>歳入なので、財政赤字は増えます。
しかも、インフレ率がプラスになれば、当然長期金利が上がってしまう。金利が上がれば、金利負担も上がってしまう。
社会保障費は自然増でドンドン増えていきます。(今後5年間で、約9兆円程度と予想)
当たり前の話なのです。
支出は横ばいどころか、金利負担は兆円単位で増えるという、非常に救いがたい状況に陥ります。

政府の財政状況を好転させるためには、大幅な緊縮財政が必要不可欠
これは、ごくごく単純な算数です。





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最終更新日  2013年05月21日 07時53分08秒
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Re:インフレになっても、国の財政状況は良くならない(05/21)  
かわかみ さん
借金には必ず貸し手がいます。
政府の借金が増えているということは、
民間の貯蓄が増えているということです。

では、なぜ民間の貯蓄が増えているかというと
それはデフレだからです。
デフレ環境下ではお金の価値が上がっていくため
消費せずに貯蓄することが合理的な選択になります。

結果として民間がお金を使わないために
政府が代わって支出をせざるおえない状況になっています。
しかしデフレ状態なので、政府がいくら景気対策をしようが
民間の貯蓄が増えていくだけです。

これに対する解決策は、インフレにすること
つまり、お金の価値を落としていくことです。
お金の価値がどんどん落ちていくような状況では
貯蓄を減らして他の用途に使う圧力が働きます。

お金がババ抜きのジョーカーになるわけですから
お金を使って他の人に渡してしまうことが合理的な選択になります。
これは経済活動が増えるということですから、景気が良くなります。
民間貯蓄が減り、政府の借金が減ります。

で、ここまでの話はリフレとは関係ありません。
インフレになれば景気がよくなるというのは
リフレ派も反リフレ派も合意している事実です。

リフレ派と反リフレ派で争っているのは
金融政策でインフレにすることができるのかということです。
インフレになれば財政状況はよくなるでしょう、
インフレになるかどうかは……どうでしょうね。


まあ、リフレ派にもいろいろいるんであれですが
リフレ派は増税を否定してないと思いますよ。
ただ、増税はデフレ圧力を増すことになるので
デフレ状況で増税してしまうと、さらに民間貯蓄を増やしてしまいます。
つまり借金が逆に増えてしまうということです。

きちんとインフレにしてから増税なり財政再建なりをしましょうよ、
というのがリフレ派の主張だと思います。 (2013年05月25日 03時02分02秒)

Re[1]:インフレになっても、国の財政状況は良くならない(05/21)  
探検隊1995  さん
かわかみさん
>借金には必ず貸し手がいます。
>政府の借金が増えているということは、
>民間の貯蓄が増えているということです。

民間の貯蓄が増えようが、公債が膨張すれば、その負担は国民負担として将来必ず発生します。
この負担があたかも存在しないかのような言説が流布しているのは嘆かわしいことです。
三橋氏は、ラーナーの機能的財政論とか持ち出して負担がないかの発言をしてますが、これは財政学の分野ではとっくに否定されています。
これは次の日記で書くつもりでした。

>では、なぜ民間の貯蓄が増えているかというと
>それはデフレだからです。

日本はインフレ時から一貫して貯蓄率はプラスですよ
で、貯蓄率自体はここ10年、減り続けてます。

>結果として民間がお金を使わないために
>政府が代わって支出をせざるおえない状況になっています。

これは認識間違いですよ。
政府が代わって支出しなければいけないわけではありません。
政府が使わなければ、国際収支に反映されます。
熱力学の第一法則みたいなものです。

>しかしデフレ状態なので、政府がいくら景気対策をしようが
>民間の貯蓄が増えていくだけです。

これは流動性の罠の説明の一部です。
貯蓄率の説明としては不適当です。

>これに対する解決策は、インフレにすること
>つまり、お金の価値を落としていくことです。
>お金の価値がどんどん落ちていくような状況では
>貯蓄を減らして他の用途に使う圧力が働きます。
>お金がババ抜きのジョーカーになるわけですから
>お金を使って他の人に渡してしまうことが合理的な選択になります。
>これは経済活動が増えるということですから、景気が良くなります。
>民間貯蓄が減り、政府の借金が減ります。

民間貯蓄が減ると、とても困りますよww
政府の借金は減らないからです。
政府の借金が減るためには、増税による政府の歳入増か大幅なインフレによる実質的な資産課税かのいずれかの現象が必要です。(これが将来の国民負担なのですが)
例えば2%のインフレでは、政府の財政状況は悪化します。
その話を今回の日記で書いたのですが、理解できませんか?
インフレ自体に劇的な景気浮揚の力はありません
マイルドなインフレが景気には良いですが。

>で、ここまでの話はリフレとは関係ありません。
>インフレになれば景気がよくなるというのは
>リフレ派も反リフレ派も合意している事実です。

景気にはデフレよりインフレが良いのは合意してますが
インフレになれば景気が良くなる??
そんな合意はありませんよ
内容次第です。
焼け跡リセットになる可能性は考えてないのですかね

>インフレになれば財政状況はよくなるでしょう、
>インフレになるかどうかは……どうでしょうね。

単純に考えて、インフレになれば財政状況は悪くなります。
良くなると主張してるのは、トンデモ評論家や一部の学者です。
以下は斉藤誠さんのインタビュー記事
経済学者の間では、非常に評価が高いようです。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201302260679.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201302260679

物価上昇に関して
「物価が2%上昇すると金利は3%ぐらいになる。賃金も3、4%ぐらい上がるでしょう。そうなれば企業のコストは膨らむし、国債価格が急落して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も困る。」

これがまともな経済学者の認識です。 (2013年05月26日 07時14分38秒)

Re:インフレになっても、国の財政状況は良くならない(05/21)  
mac さん
いいこといいますね。
(2014年04月01日 22時44分48秒)

Re:インフレになっても、国の財政状況は良くならない(05/21)  
hirocbrs さん
インフレになれば良くなる、みたいな主張ではないと思いますよ。自分の読み違いに対してせっせと反論されてるように見えます。 (2014年11月23日 09時49分43秒)

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