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2005年08月12日
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プー太郎生活を続ける委員長の元にジュリーから電話が入ったのは、Tomorrow USAを辞めて約1ヶ月が過ぎようとしていた頃でした。

「ロニー、元気か? 仕事してんのか」

「何にもしてないよ。無職だよ」

「そんなことだろうと思ったよ。USAに戻ってくるか? マチャアキの穴埋めるのにもう一人DJがいるって、江川店長が言ってんだけどどうする?」

「江川店長が? 俺で良いのかなぁ」

「ああ、ロニーならかまわないって言ってるんだけど」

「じゃ、やってみようかな」

「おう、とにかく早い方が良いから今日にでも店に顔出せよ」

またしても江川店長の思いやりに頭が下がる思いでした。

糸数支配人、須貝主任、渡辺主任、館山主任(相変わらずでしたね、この人は)、みな快く迎え入れてくれました。USAファミリーとして復活したロニーの再スタートです。
お店の調子は相変わらずでしたが、心持かスタッフの雰囲気が明るくなったように思えました。そしていつの間にか、ジュリーこと鈴木のしょうちゃんがチーフDJになっていたのにも驚きました。更にもう一人新しいメンバーとして紹介されたのが、なんとあのビバヤングに出演していたフィリッピンバンド、サウンド・ウェーブスでキーボードを弾いていたリトでした。彼の話によるとバンドは解散、自分は今年から上智大学に留学生として日本に来ているとのことで、全ての面倒を見てもらっているガールフレンドの負担を軽くするため、アルバイト探しでジュリーを頼って来たとのことでした。
ということで、ここに新生Tomorrow USAのDJメンバーが揃ったのでした。
チーフDJ・ジュリー、DJ&パフォーマンス・JOE THUNDERS、DJ in English・LITO LUSTORE、DJ&ダンス・ロニー、この個性的な4人でシフトが組まれました。
学生リトはオープンから10時までの早番専門、ジョーはメインの8時~午前1時、その合間を縫ってアイドルDJジュリーが7時から12時、そして委員長が11時~午前4時までの深夜専門。
早い話、早番リトと遅番ロニーは、メインDJのジュリーとジョーのつなぎみたいなモンでした。
だからといって別段不満もなく、委員長はダンサーズ解散の精神的けじめをつけるためにもしばらくは死んでようと思っていました。
ライバル・ジョニーも博多に都落ちしたし、お互い次のステップまでしばらくの間は充電期間だと思って、おとなしくしていようと考えていました。
DJとして復活したものの、約1年のブランクがありますから、勉強するのにも深夜番はうってつけでした。
江川店長の構想では、4人が独自の個性的なパフォーマンスでDJスタイルを創りだし、時間帯によって店のムードを変えるというものでした。
ジュリーとジョーはすでにそのスタイルがある程度出来上がっていましたが、リトと委員長はこれから独自の個性を生み出さなくてはなりませんでした。


当時のディスコDJには大きく分けて2つの流れがあり、ひとつはブロードキャスト、いわゆる放送局系のDJ。もう一方は、踊り場・ディスコから生まれたローカル系のDJでした。
もともとディスク・ジョッキーという名前はラジオ局のパーソナリティを表現したもので、競馬の騎手・ジョッキーが馬の代わりにDISCの上に乗る、という意味からそう呼ばれるようになったそうです。
昔は、ラジオ局でもジョッキーが自らレコード(ディスク)を回しながら喋っていましたから、まさにディスクのジョッキーですね。

話は飛びますが、DJの大御所糸井五郎先生と一度仕事をご一緒させていただいたことがありました。
この時の先生、レコードの回転数45を33と間違えて回してしまったのですが、その切り替えの速さといったら素晴らしかったですね。

昔のターンテーブルは、針のついたアームを置くストッパーの下の位置に回転数の切り替えレバーが付いていて、センターがストップで左が33、右が45というふうになっていて、レバーを右左に倒して回転数を合わせるようになっていました。
先生はシングル盤を33回転モードでプレーしてしまったのですが、その頭が出た瞬間に気が付き、「はい、次の曲は~」と声を被せつつ、ターンテーブルを人差し指で早回し、と同時に親指でレバーを45に切り替え、「ゴーゴーゴー」とか言い終わる頃にはきちんとイントロが終わりコーラスに入っていました。
いやー、プロの技を目の当たりにしてスゲーなと思いました。
さすがに年季が入っているなぁと思いましたね、実際。
全然慌てない。落ち着いておしゃべりを被せて、殆ど誰も気付かぬうちに事は終わっていました。

「先生でも間違いはあるんですねぇ」と言ったら、

「当たり前ですよ。でもこのごろはね、自分で回すことは滅多にありませんから楽ですけどね。こういった現場ではちょっと緊張しますね。このごろはちょっと耳も遠くなってきましたから、気が付くのが遅いこともあります」

普段の喋り方もラジオのDJそのまんまでした。
委員長が中学生の頃夢中になって聞いていた深夜放送オールナイトニッポン、まさかその大御所パーソナリティの糸井五郎さんと、こんな形で仕事をご一緒できるとは夢にも思っていなかった出来事でした。忘れがたいエピソードのひとつです。

ということで、いわゆるブロードキャスティング(放送)をメインとしたディスクジョッキーが、俗に言うDJで、これが本流とでもいいましょうか、音楽を紹介しながらおしゃべりをするという放送局のジョッキーですね。
昔はクラシックやジャズ、ロックなどを売り物にした、DJが入っている音楽喫茶みたいな店も多く、放送局目指して修行するジョッキーが随分とおりました。
この流れから「踊り場」、俗に言うディスコへ流れていった方々が、鈴木昇二氏や赤シャツのみつぐ氏を代表とするグループです。
大先輩、小林克也さんなどは元々放送局の流れで、ディスコDJを手がけたりしたわけですね。昔は糸井五郎先生なども時々お仕事をされていました。
言ってみれば、メージャー選手が時々マイナーでプレーしたみたいな感じですかね。

もうひとつの流れは、踊り場から育っていったDJです。
昔はディスコのDJというとベースの黒人がアルバイトで入ってて、その合間を従業員の目ざといヤツが回す、みたいな感じでしたから、さほど職業的な意識は高くなかったように思えます。
GETに代表されるように、従業員は踊りの手本も見せるし、踊りとセットになっている新曲も紹介するし、ウェイターもやるしって、とにかく何でもやってましたからね。
見よう見まねで自然と覚えちゃいますから、あとは喋らせて面白いヤツとか、選曲が上手いヤツとか、それなりに皆楽しんでやってたってのが実際ではなかったでしょうか。
75~76年にかけて一気に爆発したSOULブームの時には、アフロして踊れなきゃDJもダメだぁ、みたいな風潮がありましたから、ディスコDJ=ダンスマスターみたいな感じですよね。GETが典型的な例ですね。アフロこそしてはいませんでしたが、DJは踊らせても上手くなきゃいけないみたいな、ちょっとした資格のようなものがありました。DJだから踊れて当たり前みたいな。
だから、従業員でも踊りの下手なヤツは中々DJの番も回ってこない。
そんな形でディスコの現場から必要性というか必然的に生まれてきたのがディスコDJでした。
表向きは同じに見えても、方向性が明らかに違っている二つの流れがブームと言う同じ土俵に乗ってしまったわけです。
そして、この辺の考え方の違いが後に大きな対立を生んでいくことになるんですね。
この話は長くなりそうなので、つづきはまた明日。。。。。。。





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最終更新日  2005年09月22日 15時06分10秒
コメント(4) | コメントを書く
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DJだから踊れて当たり前  
じょんとら  さん
そこなんですよ、僕が言いたいのは。
昔はそうだったですよね、
ディスコDJ=ダンスマスター
今は全く違う人が多いですよね。
能書きは立派だが踊れないみたいな・・・
だから踊り手の気持ちがわかんないんでしょうね。 (2005年08月12日 19時11分21秒)

Re:DJだから踊れて当たり前(08/12)  
RONNYジイ  さん
じょんとらさん

ちょっと理屈っぽくなるかもしれませんが、この時代の解釈を私なりに続けて書いてみたいと思ってます。
-----
(2005年08月12日 19時32分00秒)

カラオケと同じ  
じょんとら  さん
僕が思うに、客の気持ちや場の雰囲気もわからずに自己陶酔しちゃうようなセルフィッシュDJは、カラオケのマイク独占野郎と本質的に同じって気がします。
ましてやDJが踊れないというのは大問題だなぁ。
(2005年08月13日 08時40分54秒)

Re:カラオケと同じ(08/12)  
RONNYジイ  さん
じょんとらさん

同感です(^.^)
踊れれば良いってことでも無いんですけど、踊りの良さが解らなければ踊らせる音楽もわかりませんよね。
カラオケは歌う方も聴く方も、お互い素人同士だからまだ許せますけどね。。。。。
もし、「私ゃプロです」って言ってがなられたら、そりゃ誰だって怒りますよね。
-----
(2005年08月13日 10時37分21秒)

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