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2005年09月26日
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録音時間は3時間、ミキシングに1時間、プロ並のスケジュールで行われるホンモノの録音に緊張が高まります。

この制作に関しては、恵比寿にあったインターコムというマイナーレーベル(制作会社)との契約で行われました。
この会社の若社長は当時の音楽業界にあって、マイナーレーベルからの事業展開をしようとしていた中々の野心家でもありました。
当初、この企画を持ち込んだ時点で非常に興味を示してくれて、自社が持つ配給システムを使って販売もやってみたらどうか、とのアドバイスも貰ったりしました。
当時の自主制作盤は販売ルートを持たないため、どこまで行っても正規の出版までには辿りつけないことがレーベル立上げのネックでした。
そんな中で、この会社は銀座に本店のあるレコード販売店チェーンとの直接契約を結び、独自の販売ルートの開拓を模索しており、少しでも話題になるようなレコードであるならば自社で取り込んでメージャーへの切り込みも考えていたのでした。
(今で言うインディーズのDistribution Systemですね)

その昔、ジュリーとタッグを組んで営業した委員長のハッタリは、何故かこの社長にもかなり効力があったようで、委員長とムラちゃんのコンビは当初から一目置かれていました。まず、委員長とムラちゃんが自費出版を決めた時点で、正式にこの会社へ制作依頼を行ったのですが、制作物に関する内容を一切公開せず、制作についての概要だけを話したことがかなりのインパクトを与えたようでした。


それを、「今は楽曲の公開できません」(あたりまえですね、まだ曲が無かったんですから)、「ミュージシャンの詳細も公表できません」(今のところ3人しかいないし)などとやってしまったものですから、相手もこれはタダモノではないと思ったわけです。
しかも、この自主制作盤制作の目的がディスコに配布する試聴盤だというのですから、相手の社長も初めてのケースに随分と面食らったと思います。
そんなバンドごっこ二人組のハッタリに見事引っかかった社長は、こいつらはひょっとするととんでもないことをやらかすのではないだろうかと思ったことでしょう。
もちろん委員長たちはハッタリで引っ掛けるつもりなどさらさらなく、ただ正直にそのままをお話しただけなんですけど、まさかレコードを作る依頼をしに来ているのに、その楽曲がまだ出来ていないとはいくらなんでも言えませんでしたからね。

更に、最終目標はメージャーレコードへの売り込みです、と大見栄を切ったものですから、こりゃちょいとヤバイみたいに思われても仕方ありません。
制作依頼に対する契約と内金の支払いの時なども、若社長は事務所にテープデッキを持ち込んで会話を録音し始めたりしました。(詐欺師か山師に見えたのかなぁ)
それだけ、胡散臭いと言うか、得体の知れない二人組にみえたのでしょうね。
常日頃大雑把な水商売で暮らしている二人ですから、内金の支払いにしても、普通は前金を収めて、納品時に残額精算というような手順を踏むところを、面倒臭いからと全額前払いしたものですから更にビビってしまったようです。
もし製作工程で間違いでも起こしたら脅されて金でも取られるのではないだろうか、みたいな疑惑も生まれたのではないでしょうか。(当時の二人って外見はかなり水っぽかったですからね、かなり怪しく見えたのではないでしょうか)

その時交わされた契約内容と制作コンセプトを簡単にまとめると
1.制作枚数は100枚だけで良い。理由は試聴盤同様、業界の中でしか出回らないレコードとして話題性を持たせるため。市販されていないので入手困難、更に限定数しかプレスされていないので、何処の誰が何の目的で作ったレコードなのか?という謎を投げかけるため業界への話題を狙う。


2.ジャケットは要らない。覆面アーティストによる謎のレコードとして、業界での興味をひきつけるために楽曲の説明は一切しない。
(ジャケ制作代まで手が回らんもんね。しかもアッちゃんの写真なんか絶対載せられないし、紙袋だけってのも結構面白いしって、テキトーそのものです)

3.楽曲は録音当日まで極秘とする。ネタがばれるとディスコ業界でのインパクトが薄れてしまう。(まだ曲が決まってないし、そんなこと正直に言ったらホンモノの馬鹿だと思われるからね。言えねぇーだろ普通、っていうか普通はしないよねそんなこと)

4.スタジオ代の超過料金は別途支払うので、製作工程全費用は一括前払いする。(Y子に借りてきた50万円、先に払っちゃわないとすぐに使っちゃいそうだったからね。ってこれはあとでムラちゃん、アッちゃん、委員長の3人で割って、Y子にはちゃんとお返し致しました)

凄いですね。過去これほどまでいい加減に自費でレコードを製作した奴らはいなかったのではないでしょうか。


そんな条件、状況の下で行われたレコーディングですが、このマイナーレーベルの若社長は音楽製作に対する姿勢も中々立派でしたし、日本でマイナーレーベルの立上げを真剣に考えている熱意のある方でしたので、このバンドごっこのためにミキシングエンジニアは業界でも有名な一流のSさんを用意してくれました。
Sさんはフリーのエンジニアでしたが、ビクターレコードの仕事をメインとしておられましたので、業界ではかなり名の通った方でした。
普通はアマのレコーディングなんぞに立ち会うような方ではないのですが、この若社長の人脈といったところでしょうか、これは我らがバンドごっこにとっては100人力の助っ人を得たも同然でした。

なんといっても職人中の職人ですから、予算の乏しいアマチュアにとっては高いスタジオ代を無駄にせず、たとえどんなクズ音楽でもそれなりの音に仕上げてもらえるという安心感があります。
運も良かったのでしょう。人とのめぐり合い、運も実力のうちとよく言われますが、人生には本当にラッキーと思えることが幾度かは必ずあります。
20代の道楽者たちの日頃の行いが良かったのかどうかわかりませんが(良いわきゃねーだろ)、ここまで何とか来れたのも、なにはともあれ馬鹿な道楽に一生懸命のめり込んだ結果とも言えます。

さて、メンバーは30分前には全員集合して準備を整えます。
ところがコーラス部隊のC子は、結局学友の協力が得られず本人のみの参加となりました。仕方ないのでその場に居合わせたムラちゃんの彼女とアッちゃんを入れて、急場凌ぎの三人で何とか乗り切ることになりました。
(っていつもこんなんばっかり。出たとこ勝負)
そんなんで良いのか~、本番のレコーディングなのに・・・・・。





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最終更新日  2005年09月26日 06時55分50秒
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