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2005年10月08日
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1979年は、幕開けから次から次へと仕事が委員長の元へと舞い込んで来ました。
まあ、ジュリーとのコンビ復活や、その後ろにど~んと控えていた日本フォノグラムの渡部氏などが委員長のキャラクターを気に入ってくれたことで、もうこのころはほとんどタレント気取りでしたねぇ、恥ずかしながら。
でもって、昨日お話した「ラスプーチン」に続いて、今度はなんとレコードジャケットのモデルなどという大変おこがましい仕事が巡ってきたのでした。
これも、もちろん渡部氏の大抜擢で、要は渡部氏の構想にあった和製ビレッジピープルってのを委員長にやらせてみたいがための業界売り込み作戦の一環だったわけです。

さてそのお仕事は、渡部氏監修のベスト・ディスコ・ヒットなる2枚組のLPのジャケットのモデルということで、な、なんと相手はアメリカ人の若いおねーちゃんと聞いて喉をゴロゴロ鳴らしながら撮影現場に出向いた委員長でした。
って、現場はもちろんトゥモローUSAですね。(当然ですよね)
渡部氏からの要望で、ジョントラボルタ風にってことで白のスーツを着こんで挑みました。
よくありがちな便乗モノみたいな、サタデーナイトフィーヴァー風なジャケで売ろうと言う魂胆ミエミエです。もちろん中味は全て日本フォノグラムですから、ベビーシッターだのオハイオプレーヤーズだのごちゃ混ぜですね。

さて現場に着くと、それなりのプロカメラマンと渡部氏が待機しておりました。

そんな現場へちょいと小柄なぽっちゃり系の青い目をしたジーンズ姿のお嬢ちゃんが現れました。
彼女は渡部氏やカメラマン、その助手に向かって、手当たり次第に英語でベラベラ喋り出しました。カタコト英語とカタコト日本語でようわからん会話が続きましたが、そこへ大きな衣装ケースを抱えたスタイリストのオバちゃんがアタフタと現れ、ようやく意思疎通が図られました。なんとこのオバちゃん、モデルクラブのマネージャー兼スタイリストということで、英語も堪能でした。

少なくともディスコサウンドなんぞに関わる業界の人間が誰一人満足に英語も話せないというのに、このぷっくらした中年のオバちゃんはアメリカ人モデルに英語でテキパキと指示を与え、しかもカメラマンの要望なども聞きつつその場を取り仕切ったのでした。
(人は見かけで判断してはいけませんね)

栗毛に青い瞳のぽっちゃりとした可愛い娘で、彼女の名前はマリー。
発音ではそう聞こえましたが、メアリーだかマリーだかは定かではありません。
(そんなこたぁどーでも良いだろ)
事前に用意されていた真赤なフリルのドレスに着替えると、オバちゃんがパッパッとメイクを施し真赤な口紅が入る頃には、おおっ~と声を上げそうな美人モデルが一丁上がりみたいな感じでした。

カメラマンの指示で、二人してジルバのような踊りを踊りながら「ポーズ!」の声でストップしてシャッターがバシャバシャと切られます。
手をつないで肩を抱いてポーズ、青い目のおねーちゃんに見つめられて微笑まれた委員長は完全に目の玉ハートマーク、心臓ドキドキ・バクバクって結構やばかったですね。
でも肝心なカメラワークは彼女の正面と委員長の後姿って構図ばかりでした。

渡部氏の強引な要請と言うか、経歴作りというか、要は踊れてそれなりの男なら誰でも良かったわけですが、まあそれなりに楽しんだ委員長でした。

1時間ほどで撮影は終了。
撤収作業などを行っているうちに、店の従業員などが営業準備を始めだしました。
彼女はお着替えもせず、スタイリストのおばちゃんに言われるまま衣装は着たまま、現地解散と言うことになりました。
おつかれさまでした。

きっとこの店の関係者だと思ったのでしょうね。
渡部氏は委員長にどうする?と尋ねましたが、当然と言わんばかりに鼻息の荒くなった委員長はすかさず彼女をDJブースまでエスコートし、ブースの後ろのテーブルに付かせると、弟分の小鷹ウェイターを呼び、お飲み物などを注文して上げました。

もう彼女の笑顔からはオーラが溢れ出て、緊張する委員長に彼女は「あなたもモデルのお仕事をしているの?」などと聞かれ、待ってましたとばかりに、「ノー、アイアムDJ」などとおおイバリのポーズでお答えすると、「Oh」と言って驚いておりました。
すっかり調子くれた委員長はこれ見よがしにDJブースに入り、営業前のBGMで適当なレコードをターンテーブルに載せて回しました。

とそこへ早番のリト君登場。
リト君、真赤なドレスの青い目のお嬢ちゃんに一瞬驚きましたが、委員長の白いスーツ姿を見てなにやら状況を把握した様子。
早速、ブースに入るとリト君の大好きなビージーズ特集から入りました。

NIGHT FEVER (この二人の格好見りゃそうだろうなぁ)

「Would you like dance?」

「おーイェス、イェス」

ってなもんで、まだ口開けの誰も居ないフロアで踊り出す二人。
委員長は天にも昇る気持ちで夢の世界を漂いました。

更にリト君調子に乗ってメドレー~Staying alive

おおーまさしく私たち二人はサタデーナイトフィヴァーじゃんこれは。

彼女は満面の笑みを溢して委員長と楽しく踊っております。

リト君もう一発ビージーズ(かなり彼の趣味ですね)

Subway~”Take me to the subway”

リト君がここで英語のMCを一発入れました。

「Take you to the subway・・・・・(覚えてません)」

彼女はこのMCに反応してリトに向かって笑顔でウィンク。
(く、くっそ~、英語ができないのが悔しい~)
この曲、ディスコと言うよりは軽快なポップスといった感じですが、やはり白人系ティーン(彼女の歳は知りませんでしたが、たぶんね)に人気のありそうなメロディーです。

結構ノリノリで踊る彼女と、委員長はそのお相手をしている自分にかなり酔ってました。

さあリト君、最後の決め手はアンディギブのシャドウ・ダンシングです。

おーっと、彼女赤いフリルのスカート、腰を振って絶好調です。

Do it right, take me through the night, Shadow dancing~

なんと彼女はこのフレーズを口ずさみます。しかも微笑みながら委員長の顔を見つめて唄ってくれてます。(ってその時は何故かこのフレーズがストレートに耳に入ってきました)
言葉は聞くんじゃなくて心に直接飛び込んでくるんですね。
冗談抜きで「歌」の真髄をこの時体感しました。(ちょっとマジです)

ということで、この曲の終了と共に彼女はご帰宅です。

「Can you take me to TAXI?」(そんな感じだったと思います)

委員長は彼女を歌舞伎町の裏通りまで送ってタクシーを止めました。
赤いドレスを翻しタクシーに乗り込んだ彼女は手を振って去っていきました。
えっ、これでお別れなの?
当たり前ですね。英語もろくにわからんようなヤツとお付き合いするほど暇じゃありません
よね。
興奮冷めやらぬ委員長は夢の中を漂っておりました。
店に戻るとリトがニヤニヤして聞いてきました。

「ドコデナンパシタノ?」

「違うよ、仕事だよ、仕事。彼女はモデルさん」

「チャントデンワバンゴーキイタ?」
し、しまった~!そうだよ電話番号くらい聞いておけよな~。(後の祭りです)
でもひょっとすると彼女方から尋ねてくるかもしれない。
はい、いつもの道楽者ドリームはかれこれ1週間以上は続きました。
しかもよせば良いのに、同棲中のC子に「アメリカ行っても良いよ、勉強してこいよ」などと調子くれた委員長でした。

実はこの仕事の数週間前に、C子にサンフランシスコ行きの話が持ち上がったことがありました。当時彼女は区役所通り近くの女子大生パブで働きながら、JAZZヴォーカルのレッスンを受けておりまして、その歌の先生からの紹介でシスコのクラブでピアノ弾き語りを募集しているという話が舞い込んで来ました。
相談を受けた委員長は、いきなり一人で渡米するってのはかなりヤバイんじゃないかってことで、もうちょっと詳しい話をちゃんと聞いてからにした方が良いぞ、などとアドバイスをしていました。(半分は彼女が居なくなったら淋しいってことなんですけどね)
でもって、彼女の兄貴とかが先方のエージェントと会って話して来たらしいのですが、どうもメインはウェイトレスっぽい感じだったようで、結局話はまとまりませんでした。

そんな経緯があったにも関わらず、今度はイケイケで奨める委員長を訝しく思うC子でした。
「何で急にそんなこと言うの?」

「いや、何か俺がチャンスを潰しちゃったみたいで、ちょっと悪いことしたかなぁと思って」
(よく言うよ、このテキトー抜かし野郎は)

「ありがとう。でもこういう大きなチャンスはそう何度もないと思うから・・・」

結局最後の最後まで、二人の道楽者ドリームは高円寺亀屋マンションからは飛躍できませんでした。
なお、出来上がったレコードジャケットは、委員長の後姿、横顔の部分はミラーの反射でフラッシュになっていて正体は不明でした。
自分で言わなきゃ誰もわかりませんね。。。。。





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最終更新日  2005年10月22日 22時46分11秒
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