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今日のタイトル「ようこそ先輩」は「課外授業」という副題の付いたNHKの番組名です。
昨夜は、ブルース・シンガーの大木トオルさんが講師で、出身校の東京は日本橋にある小学校での課外授業でした。
大木トオルさんといえば、委員長くらいの年代でR&Bファンであればまずご存知ではないかと思います。60年代~70年代に日本のロック界で活躍された数少ないホンモノ志向のアーティストでしょう。
委員長も、大木さんが米国から自らのバンドを引き連れて凱旋帰国した際に発表したアルバムのテープコピーを未だに持っているくらいで、当時のインパクトはかなり大きなものでした。なんせ大木さんのヴォーカル以外は全員黒人(一部白人・笑)で編成されたブルースバンドで、しかも全曲英語というシブ~イ登場の仕方があまりにもカッコよすぎて、何故かその後の消息が不明となってしまったほどでした。(笑)
ってかよく意味判りませんね。
かれこれ30年も前のことになるのでしょうが、久しぶりに見る大木さんはちょっと太り気味で、逆に若返ったような錯覚すら覚えました。
「えっ!?ホントにこの人が大木トオルなの?」
ってくらい、当時の枯れた不良っぽさは微塵もなく、中堅貿易会社の社長(?)みたいな風格で貫禄まで滲み出ておりました。
かろうじて、昔からのトレードマークの白いスーツにパナマ・ハットは健在でしたが、なんかブルースマンには程遠い感じでしたね。
さて、そんな大木さんの課外授業は「ブルース・SOULで辛さ、哀しみを乗り越える」というものでありました。
もちろん彼の持論なのではありますが、遠い昔、奴隷としてアメリカにつれて来られた黒人の歴史やらブルースの発祥やらを交えながら、12歳の子供たちにわかるようにブルース・SOULの真髄を語っておられました。
更に、ブルースで人生を乗り越えていく、というような体験をさせるため、子供たちに今の自分で一番辛いことや悲しいことを書かせ、それを自身で読ませるというような宿題を出しました。
もちろん、大木先生の授業ですから、時折先生のブルース・フレーズなども飛び出し、子供たちは少々面食らった様子でした。
しかし、大木さんの声、なんか昔の枯れた切ないブルージーな声も、幾分柔らかくなって、ブルースという雰囲気ではなくなっておりました。
太ったせいかなぁ~。。。。。
なんかちょっと無茶な授業に少々興醒めした委員長でしたが、一人の少年の登場で一気にムードはブルースへとハマっていったのでした。
おとなしそうな少年の詩は、「塾なんて行きたくない。毎日毎日勉強ばかりで、自由な、遊ぶ時間が欲しい。塾なんて大嫌いだ」といった内容で、読み始めた少年は感極まって涙が溢れるように目からこぼれ落ちてきました。
涙ながらに訴える少年の詩こそ、まさにブルースでしたね。
しかし一昔前、委員長の時代なら、「塾なんてクソ喰らえ!オレは塾なんて行かねぇ~ぞ!」とか叫んで、きっと抵抗を試みたのではないかと思います。
でも、ここで涙まみれになっている少年は、心の中にある自分の気持ちを素直に言葉にしただけで感情が高ぶり、興奮して涙まで流しています。
さすが大木先生もタジタジといった様子で、ありきたりの言葉しかかけられず、なんとなく歯切れの悪い答えでお茶を濁したような感じでしたね。
それにしても、自分の本心、感情を露出できない子供たちってのは一体どんなものなんでしょうか。それも高々、塾に行きたくないという程度のことを訴えるのに、ここまで感情を高ぶらせて涙してしまう子供、自然な心を押し込められて生きている子供たちっていったい。。。。。。
その発露がブルースってことならば、それはそれで魂の叫び、SOULなのかもしれません。
そんなこんなで、なんとなく心の奥底をさらけ出した子供たちは、少しだけ顔つきが変わりました。
番組の締めくくりは、現在、大木さんが私財を投げ打って取り組まれているという、介護犬の育成のお話でした。
重度の障害を克服するためにリハビリに励む人々を支える「犬」たち。
犬に手を触れることで麻痺した手を動かす運動にしたり、犬の名前を呼ぶことで言葉を発する練習を重ねる患者さんたちも揃って登場し、場面は一気に盛り上がりました。
人に癒しを与える犬、心の触れ合い、そんな和んだ授業の締めくくりは皆でブルースを歌うことで終了しました。
う~ん、大木さんもブルースをココまで昇華したのか、そう思うと、今の大木さんの姿もなんとなく納得です。
辛さ、哀しみが大挙してやって来るブルー(BLUE)の複数、委員長はあえてブルーズ(BLUES)と呼びます。
ブルーズは心の奥底に眠る魂(SOUL)を揺さぶり、そして叫ぶのです。
FREEDOM!