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2006年11月11日
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このテーマの当初に言った、偽者(ニセモノ)についてです。
これは、委員長が現役時代からずっとひきずったまま、未だに抱き続けているトラウマにも似た感覚です。

前にも言いましたが、SOUL系ディスコDJのルーツは、ウェイターに始まる従業員からのスタートですから、目標としてディスクジョッキーを目指して業界で働いていた人間とは根本的に違っていました。

確かにその時代ではプロ意識もあったし、専門職という自負も持っていましたが、所詮は非常に狭いジャンルの中だけでお山の大将になっていただけのことで、きちんとアナウンサーとしての基礎である発声練習や発音の勉強をしたわけでもなく、楽曲の勉強などもせず、ただ成り行きでなってしまったというのが事実です。

まあ、かろうじて、好きこそものの上手といわれるように、ことSOUL、ダンスミュージックに関しては誰よりも早く沢山の情報を漁ったりはしていましたが、所詮は少ない情報量の中での素人の手習いですからどうしても限界があります。
DJ養成所や専門学校などがあろうはずもなく、結局はアチコチの店を回っては手探りで自己学習する以外になかったわけです。

そんなわけで、アチコチのディスコを回ってはそれなりにDJ仲間などもできるようになると、だんだん業界の中身が見えてきて、それまで自分が抱いていたコンプレックスのようなものが、実は単なる幻想だったと思い知らされたとき、今度はそれがコンプレックスを通り越して不安の泥沼と化して行ったのでした。(笑)

だってそうでしょ、たとえディスコとはいえ、DJなんて職種についたのだから、下手したらラジオのディスクジョッキーに繋がる道だってあるんじゃないかとか、音楽関係の仕事に就けるんじゃないかとか、それなりに将来への夢や希望も生まれてきますよね。


今まで耳にしていた彼らの英語だって、それなりに皆英語は喋れるものだと思い込んでいた委員長は、それが単なる聞きかじりのテキトー英語だと知ったときには、それまで漠然ながらも描いていた将来の夢が音を立てて崩れ落ちていったのでした。(笑)

かろうじて、多少なりとも放送関係を目指すDJが居たことが救いにはなりましたが、そんな彼らだって英語なんてまず話せなかったし、音楽知識だってかなり偏っていたし、せいぜいが音楽喫茶のパーソナリティ止まりってな感じでした。

「あー、オレはこんな世界でこれから先どーすりゃ良いんだろう」

などと溜息をついて嘆いてみたりはしましたが、そんなお前は一体何様なんだってなもんで、高卒でアフロして派手なカッコして遊びまわっている単なるバカに将来の心配など元々お門違いのお話で、すでに人生を捨ててしまった自覚などないままに、我を憂いていた委員長こそが典型的な時代を代表するお調子者に過ぎなかったわけです。

当時のDJが買っていた輸入シングルには、マーカーで書き込まれた暗号のようなものがよくありましたね。
MS → ミディアム・スロー
SG → スロー・グッド
FUNK → そのまんま(笑)
レコードラックの中から、こんな暗号(笑)を目安にして選曲してたんですからねー、どんなもんか大体想像がつくでしょ。
時々英語が難しくて読めないタイトルはアーティスト名だけ言って、NEW SONGとか言ってごまかしながら紹介していたんですからテキトーそのものですね。
一時が万事そんな感じでしたから、結局はプロ中のプロみたいなお店「エンバシー」に皆通ったわけです。


でもって面白いのは、所謂ロック系DJはエンバシとかハレムなんかにはまず行かなかったし、ファンキーとは言ってもファンクなんて言葉はほぼ使いたがりませんでしたね。
なんだったんかなぁって思います。
当時パートナーを組んでいた新宿のジュリーこと鈴木氏なんかも、踊りを踊ってる姿なんて一度も見たことなかったし、一緒にディスコに遊びに行った記憶など全くありません。
ただ、喋りはね、当時から本当に上手かった。
きちんと曲の間奏パートで喋って、コーラスが始まる前にきちんと終わる、基本中の基本みたいなセオリーはずっと守ってましたね。ラジオ番組の模倣みたいな感じです。


当時のDJの雰囲気を味わってみたい方は、戦友テリーのサイト「ファンラジ」を是非ご参照下さい。(爆!
 http://funky-radio.com/bbs.html
あの頃のDISCO DJのスタイルを垣間見ることができますよ。

あのころの定番フレーズといえば、RIGHT ON、GET DOWN、KEEP ON DANCIN’、みたいな聞きかじり単語を羅列するだけみたいなもんだったですね。
しょーもないヤツは歌詞カード読んだりしてね、もうワケわかんなかったですね。(笑)
まあ、SOUL系のディスコにはベースの黒人がアルバイトで来てたりして、それなりに雰囲気は盛り上がってました。ヒットとダンスを持ってくるブラザーは一種のヒーローだったですね。今にして思えば兵隊さんのアルバイトなんだから、向こうだって素人に毛の生えたようなもんだったんですけどね、そりゃ黒人が黒人音楽かけて英語しゃべるんですから、そりゃカッコ良かったですよね。

そんなニセモノDJが活躍してたディスコ業界に衝撃的なレコードが登場しました。
それは、東芝EMIがプロモーション用に作ったDJ入りノンストップ・ディスコヒット・メドレーでした。DJはMR.KATSUYA KOBAYASHI。
今でもしっかりと覚えてますよ、トップナンバーはBTエキスプレスのピースパイプ。
その他東芝のヒット曲、タバレスの愛のディスコティック(It only takes a minute to fall in love)、WARのローライダーなんかが効果音も交えた英語のMCに乗って紹介されているノンストップ・オムニバスでした。

これには、大袈裟じゃなくてニッポン中のディスコDJが驚いたんじゃないでしょうか。
もの凄い衝撃だったですね。
だってこのレコードかけておけばDJなんていらないし、ノリノリの内容はそれだけでディスコには充分通用しましたからね。
自分たちがどれだけニセモノなのかということを見せ付けられたようなものでした。
個人的見解ですが、このレコードの登場、っていうか小林克也さんの登場で、ニセモノDJの時代は終わったと、そう本気で思いましたね。
だって、こんなの聞かされたら、もう恥ずかしくて英語なんか喋れませんでしたもんね。

さあ、それからは皆で英語のお勉強です。
少なくともデタラメ英語はやめて、ちゃんと意味のあることを喋りたいと思うのは当然のことでしょう。
よくジョイ吉野なんかと、このレコード擦り切れるほど聴きましたよ。
ノートにヒヤリングして書き写したり、耳で覚えたフレーズを繰り返し練習したり、それまでは先輩達の見よう見まねでやってたことなどが一気に胡散臭く思えてきて、酷く恥ずかしく思えましたね。

このあたりからようやく、本当の意味で黒人音楽を学び始めたということではなかったでしょうか。スラングの意味なんかも覚えるようになって楽しくなったりもしました。
それなりの英語の文章を、教えてもらった通りに喋ったりすると、常連のBROTHERたちから「お前はいつから英語喋るようになったんだ?」みたいにからかわれたりして、それが嬉しくって、つたないボキャブラリーを屈指して必死にカラの頭を使いましたね。
まあ言ってみれば、ここにきてようやくSOULへの道に踏み込んだってな感じでした。
とは言ったって、赤ん坊が言葉喋ったくらいのものですけどね。いくらなんでも独学で、しかもディスコで英語覚えてペラペラ喋れるようになったら誰も苦労はしません。

っていうか、じゃあ今までのオレ達はブラザー達にとってどんな人間だったんだ、とか考えると、それはもう恥ずかしさを越えて、井の中の蛙をとことん思い知らされたような感じで、また落ち込むみたいなね。(笑)
「日本人の調子クレたバカな子供たちがアフロしてオレ達の真似してやがるぜ、見てみろよ」とか言って笑いモノにでもされていたのがオチですね、マジで。

まあ、それからはテキトー英語はやめて、できるだけきちんとした英語を喋るようになりました。ジョイ吉野は日系アメリカ人の友達作って、発音ごとフレーズにして一生懸命暗記してましたね。一時ご一緒したシュガーパイガイもちゃんとしたセンテンスの英語を使っていました。
このあたりからですね、少しずつホンモノ志向が芽生えてきたのは。
ただ、委員長の場合は根がどーらく者のお調子野郎ですから、人とは違う道を行くぞってなもんで、言葉を使わない突破口を見つけたんですね。
そうでう。もうおわかりですね。それがダンサーだったんです。(ドッカーン!)





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最終更新日  2006年11月11日 14時56分32秒
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