祝祭男の恋人

祝祭男の恋人

Jul 6, 2005
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カテゴリ: 日常をめぐる冒険

 これから盛夏に登り詰めようというのに、
 すでに夏バテの兆しか、食欲が減退している。

 先日、数学者の友人と、チクチクジワジワ飲んでいても、
 すぐに満腹感がやってきて、
 酔いもグルグルすぐ回る。
 だから酒量はピタリと減ったのだけど
 気が付くと、6時間以上も喋り続けていた。

 数学者のオッチャンは生まれが京都だから、
 喋っていると、ついついこちらにも京都訛りがうつってくる。
 とはいえ、こちらには関西風アクセントの素地がないから、
 細やかなアクセントの強弱をことごとく踏み外してしまう。
 ニセ関西弁ほど胡散臭いものはないのだけれど、
 それでもウットリその気になって、大声で喋っている。

 そんな風に思うようになったのは、
 落語をちょくちょく聞くようになってからで、
 それより以前には、
 開高健の『青い月曜日』で使われている

 方言を小説に置き換える苦労というのはいろいろあるのだろうが、
 中上健次の紀州訛りの表記が生々しく、
 苛立ちと体温がこもっているように感じられるのに較べ、
 開高の大阪弁表記にはコミカルさを含んだ切れがある。


 いわゆる名古屋弁であるが、
 この言葉は、東京に来た時点で、ほぼ、封印された。
 封印、といっても、意図したわけでなく、
 スッと言葉が引っ込んだわけである。
 訛りのある人と話していると、割合、すぐ相手の語りが
 うつってしまう体質であるが、
 母方の訛りの基調には長崎やら佐賀があるし、
 もともと西の方に訛りの憧れがあるようだ。

 数学者のオッチャンにとってみれば
 落語といえば、「江戸」ということらしく、
 一般的にどうなのかは判らないが、
 私の場合は「上方」と連想する。
 あんな風に喋れたら、気持ちいいだろうナ、と思う。

 桂枝雀が面白かったから、
 桂米朝も面白いんだろう、と図書館で借りてきて聴いているのだが、
 米朝は、笑かす、というより、聴かせる、という感じだ。
 オッチャンによると
 枝雀は「インテリ臭を隠そうとする必死さ」が鼻につく、
 ということだったが、
 そう言われて聞き比べていると、
 確かに
 そんな気がしてくるのである。
















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Last updated  Jul 7, 2005 03:07:13 AM
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