全10件 (10件中 1-10件目)
1
先日紹介したスター・ミルキー・クォーツの丸玉たちをころころと。複数あると、単に白くて半透明なだけではなくて、当メイトや色合いにもバリエーションがあることがわかる。写真一番奥はマダガスカル産の、スター・ミルキー・クォーツ1号。一番大きく、ほかのものと比べて飴色がかった色合い。その手前もマダガスカル産。一番不透明でスターが確認しにくい。一番左はイエロー・ジラソル。マダガスカル産。左から2番目の大きい玉はブラジル産。ほかと比べると、なんとピンクがかっている。……ローズ……ではないと思うのだが。一番小さいものはマダガスカル産。ほぼ透明。でもスターが出る。一番右のものが今回紹介した石。ミルキーなだけに透過光で輝いて、まるで星のよう。
2008/10/12
コメント(2)
「好きー」「集めています」「ついつい探しちゃいます」……と言っているわけではないのに、気がついたら多いぞ、ローズクォーツ。普段意識して探しているのが、ワイルド系の石だから、その反動で、やさしげなローズクォーツに手が伸びているのでしょうか。珍しさ、形のおもしろさという本来のツボで探してしまうのは、ローズクォーツの自形結晶(自然の状態で結晶の形をしたもの)ですが、塊状ローズクォーツ、つまり紅石英の数も意外に多いかも。で、一カ所に集めてみると色のバリエーションも意外に広い。これが全部ローズクォーツですからねえ……。一口にローズクォーツといってもいろいろです。真ん中の平べったいのが”いろぐろーず”。スモーキーシトリンならぬ、スモーキーローズと言いたい色合いです。左端から時計回りに。ぶっかきのローズが、先日紹介した桜餅っぽい色合いの”もちろーず”、けっこう濃い色合いでかなり不透明、さくらういろうのような”ういろーず”、軽やかで華やかなスタンダードなブラジル・ローズクォーツ。まさにラベンダー色、「本当にローズクォーツ? アメジストじゃなくて?」と、店頭で確認してしまった”ラベンダー・ローズクォーツ”。これについてはとりあえずお店の人の言葉に従いますが、「やっぱりアメジストでした」と言われても驚きませんし、その可能性もあるのでは……と未だに思っています。続いてフリーカットで色が濃いめ、もやもやした感じで極小の針状結晶も見える”もやもやローズ”、単独で見るとピンクとわかるけれど、かなり色が薄くて透明なマダガスカル・ローズ、最後の丸玉は、上側のブラジルローズと同じ色合いの、やはりブラジル産。まだまだすごいローズクォーツもあります。→桃猫さんちのローズクォーツこれにピンクメタモやピンクジラソル、自形結晶のローズクォーツ(特にアフガン・ローズ)を加えると色のバリエーションはさらに拡大。もしかして、実は水晶の中でも色の幅が大きいのは、ローズだったりして。
2008/01/09
コメント(4)
先日ご紹介した天然石20個セット。せっかくなので、ひとつひとつ写真に撮ってみました。まずはもう一度全体像を。では、左上から順番に。一番手はカーネリアン。和名で言えば紅玉随。ヘマタイトによって赤くなったカルセドニーです。……が。赤いのは帯状に一部分だけ。カーネリアンと言うにはちょっと厳しい色合いです。発色の原因がリモナイト(褐鉄鉱)になって色合いが茶色っぽくなるとサードと呼ばれます。サードが縞々模様になるとサードオニックス。上段左から2番目はヘマタイト。赤鉄鉱です。カメラが写り込まないポジションを選んで撮りました。ビーズに加工されているヘマタイトは、人工的に合成されたものがほとんどだと言いますが、これはどうでしょう?上段左から3番目ピクチャー・ジャスパーです。アースカラーが渋いです。要するにこれは商品名なので、検索するといろんな模様のピクチャー・ジャスパーが出てきます。上段4番目おなじみ、アベンチュリン。アベンチュリンという割にキラキラしてません。ここで声を大にして、キラキラしてこそアベンチュリン。緑色=アベンチュリンではありません!上段右端。レッドジャスパー。気合いの入った不透明石です。磨いてあってもぽつぽつ小さな穴が空いていて、個人的にはジャスパーというには不思議な風合い。ジャスパーとは名ばかりで実は○○岩でした、と言われても驚きません。2段目左端正体不明ブラック・ストーン! 名前そのまんまの「黒い石」アブシディアンでもなさそうだし、トルマリンと言うには重さが違うような。2段目左から2番目。キラキラしてないレッド「アベンチュリン」この石とカーネリアンを比べると、微妙な質感、不透明さ、均一さ。このあたりが、この石がクォーツァイトではないかと考える所以。2段目左から3番目グリーンスポットと名前が付いていました。これも見たまんまの、緑の斑点がいっぱいの石。緑の部分に若干透明感があってきれいですツリー・アゲートと言われている石ではないでしょうか。海外サイトでは、ツリー・アゲートをデンドリチックアゲートの一種だと言っていましたが、緑色のデンドライトというのはないだろうと思うので、却下。おなじみの石なのに、アゲート、ジャスパー類は実は謎がいっぱい。2段目左から4番目黄玉と言えばトパーズ。しかるにこれはトパーズじゃあないでしょう。質が低い不透明トパーズ……でさえなくて、全く別の石。「おうぎょく」ではなくて読んで字の如く「黄色い玉(ぎょく)」って感じでしょうか。染めを疑ってみたのですが、黄玉とか、イエロージャスパーで検索すると、中国の彫刻で妙に黄色い石がヒットすることと、実物の微妙な濃淡が、ちょっと天然っぽいので、期待を込めて黄色い謎の石と言うことに。手ざわりはジャスパーに似ています。2段目右端。これまたおなじみ、スノーフレーク、オブシディアン。漢字で書けば雪片黒曜石。ただし、雪片の部分がとても少ないです……。一度、タンブルでスノーフレークの部分に赤い色が入っているのを見かけました。そういうのもあるようです。これでやっと半分。しんどいので、残りは明日!
2006/10/21
コメント(4)
先だって行われたIMAGE2006。行列覚悟で行ってみたら、何と前から10番以内だった……というお話をしましたが、早いついでに先着50名さまのプレゼントをもらってみました。何だろう、何だろう、わくわくわく……。結果、こういうものでした。セミ・プレシャス・ストーン20点セット。それぞれの石の大きさは、ビー玉前後くらいです。筋金入りのへんてこ水晶大好き人間が何をもらってるんだ……といわれそうですが、偏りがあるというのは恐ろしいもので、20点中持っていたのは、なんと水晶とローズクォーツとアベンチュリンとヘマタイト「だけ」。所持率20%です(笑)(注:ビーズ以外)さて、ひとつひとつ石を見ていくと、アベンチュリンといいながらアベンチュレッセンス(内包物によるキラキラ)が出ていないとか、正体不明の「ブラック・ストーン」とか、トパーズじゃない「黄玉」とか、堂々と染めのハウライトトルコや天然石じゃない「茶金石」が入っているとかまあ……色々あるわけですけど、それでもじっくり見ると石ってきれい。そのうち「タンブルをかっこよく撮ろう計画」でもやってみましょうか。20個の石の中で一番気に入ったのはアイアン・タイガー。ヘマタイトの縞模様がきれいです。
2006/10/19
コメント(3)
産地はまったく違うけれど、どうしたってペアで紹介しなくちゃだめでしょう……という感じなのが今日の石。ネビュラ・ストーン(左・小さい方。メキシコ産)とカンババ・ジャスパー(右・大きい方。マダガスカル産)です。ネビュラストーンは、主に石英、アノーソクレース、リーベック閃石、エジリンの4つの鉱物からなる石で、(ペリドットが入っているとする説明もある)メキシコでしか産出しないのだそうです。(イタリア、としているところもあったけれど、多分間違いかと……)黒い地に浮かび上がる模様が、まるで宇宙空間に散らばる銀河団のようだというので、ネビュラ(星雲)の名前が付けられました。有名なクリスタル・ヒーラーであるジャーン・アン・ダウ氏やA・メロディ氏も注目しているということですが、一昨年、昨年あたりはちょくちょく見かけましたが、最近はあまり見かけません。タンブルや、ペンダントヘッドなどに加工されていることが多いようです。そのネビュラストーンの後を追うように、昨年末あたりから姿を見せ始めたのがカンババ・ジャスパーです。カバンバ・ジャスパーと呼ばれている場合もあり、どちらが正しいのかわかりません。二つの石をじっくり見比べてもらうとわかるように、色の濃淡の関係がまるで逆。ネガとポジのような関係です。カラフルな模様と色合いが印象的なオーシャン・ジャスパーの産地の近くで発見されたのだそうです。オーシャンジャスパーとは対象的に地味~な色合で、石英や角閃石、バイオタイト(黒雲母)などが含まれているようですが、まだ、発見されて日も浅いらしく、くわしいことはわかっていません。また、この石は「ストロマトライト」として紹介されていることもあります。ストロマトライトは、数十億年前に当時の浅瀬で光合成を行っていたシアノバクテリアと呼ばれる小さな生き物の死骸と泥が交互に積み重なって縞模様をtくっている岩のことです。世界各地で発見されていて、その場所によって含まれる成分が違うことから、色も模様も異なり、研究者によっても定義が微妙に違うようですが、大雑把に言えば“微生物が関与して形成された縞状の堆積岩”ということになります。この石のどこが縞模様なのか……。もう一枚写真を見ていただきましょう。右上がネビュラストーン、右下がカンババ・ジャスパー。真ん中がストロマトライトで左側の二つがオーシャンジャスパーです。なるほど、ストロマトライトはみごとにしましまです。では、カンババ・ジャスパーは……。まず、オーシャンジャスパーを見て下さい。特に左下の写真は、半透明の石なので、オーシャンジャスパーの模様が、どのような構造になっているのか、わかりやすくなっていると思います。まるでカエルの卵のようにつぶつぶした球体が浮かんだような状態で含まれています。そしてそのつぶつぶも、左上の写真の赤い部分のように、層が幾重にも重なっているようです。この構造からカラフルな色を取り除き、緑と黒に染め分けたら……はい、カンババ・ジャスパーです。つまり、目玉のように見える緑の球体を芯に黒い層が重なり、その球体の間を緑色の層が埋め尽くした状態のものを磨くとこんなちょっと不気味で不思議な模様が現れるのです。ただし、生物が関与していないのにそっくりな縞模様になる岩もあるらしく、カンババ・ジャスパーが微生物によるものなのか、そうでないのかまではわかりませんでした。それにしても……カンババ・ジャスパーの丸い模様は、まるで眼のよう。ネビュラストーンの丸い模様が銀河であり、宇宙を見る目であるならば、カンババ・ジャスパーの模様は「大地の眼」。恐ろしくも印象的な目玉模様だと思います。
2005/09/07
コメント(0)
危うくさぼりになりそうな時間帯の雑記です。さぼったところでどうというわけではないのですが、この雑記は、私にとって「久しぶりの締め切り!」であり、締め切りがあることで集中して調べたり考えたりできているような、そんな感じがしています。毎日ネタを探して、調べて、書いて(誤字脱字多くてすみません)、それを繰り返して、自分の中に何もなくなったら、ひょっとして、そこから違うものが見えてくるのではないかと思うのです。あるいは、疑問に思ったことをとりあえずつっついてみることを繰り返していくうちに、違う見方ができるのではないか……と。もしかしたら、知識ばっかり詰め込んで、「目の前の石を素直に感じてみる」という感覚を忘れてしまうかも……という危険性もあるわけですが、それについては、写真を撮るために石をにらみつけることで何とかしていきたいものです。……さて、今日のネタは石の雑記にとりあげていいものかどうか、ちょっと迷ってしまうものです。写真を見れば一目瞭然。アンモナイトです。かつては生き物だったわけですが、化石となった今では石の仲間と言うことで。(そういえば、オパライズウッドもかつては生き物でしたね)写真の左上、左下、右下はロシア産、(下二つはパイライト化しています)真ん中と右上はマダガスカル産です。小学校のころは化石好きだったりしたものですから、石好きな今でもアンモナイトには手が伸びてしまいます。……というか、この螺旋の美しさはまさに芸術的!計算されつくしたようなこのカーブを見ると、もう、うっとり……。化石ではありませんが、オウムガイの貝殻を半分にカットしたのも堪りません(笑)。左上のアンモナイトは、虹色の輝きを見せていますが、アンモライトではありません。化石化の際の変成作用を免れ、殻の真珠光沢が残ったもので、たいへん保存状態がよい化石と言うわけです。さて、名前が出ましたアンモライトは、カナダのアルバータ州の南部で産出する、オパールのような遊色効果を持つアンモナイトの化石です。その輝きは赤からオレンジ色、黄色、緑色が多く、紫色から青色のものは珍しいので高価です。また、地表から比較的浅いところで採れるものはもろく、樹脂でコーティングされたりしますが、地中の深いところで採れるものは強いのでそのままジュエリーに用いられるそうです。アンモライトの虹色の輝きは、オパールと違ってアラゴナイトによるものです。(……ということは、遊色効果ではなく、イリデッセンスという方が適切?)調べていると、多くは化石化したアンモナイトの表面にアラゴナイトが薄く付着して閃光を発するようになった……と説明されていますが、オウムガイの殻がカルサイト、アラゴナイトの2種類の鉱物からなるのに対し、アンモナイトの殻はアラゴナイトだけで構成されるという説も見られたので、「真珠層と同じ成分のアラゴナイトが浸透した」という説明も正しく思えます。そうそう、一番驚いたのは、アンモライトにも「宝石言葉」があること。その言葉は「過去の思い出」だそうです。
2004/09/29
コメント(7)
3日続けてネタを引っ張るようですが、「クリスタル」の語源はギリシャ語の「クリスタロス(氷)」です。ちょっと専門的(?)な用法では「結晶」という意味で用いられるようですが、一般には「クリスタル」といえば、透明な水晶のことがイメージされますよね。もうひとつ、クリスタルと聞いて「クリスタル・ガラス」をイメージされるかもしれないのですが、「クリスタル・ガラス」は水晶を原料にしたガラスではありません。クリスタル・ガラスは、「珪砂」「ソーダ灰」「炭酸カルシウム」などのガラスの原料に、鉛を加えた「鉛クリスタルガラス」です。鉛(酸化鉛)を加えると、輝きや光沢が増し、屈折率も大きくなって、ガラス をより美しく見せるのだそうです。 その含有量は、5%~30%ぐらいで、含有量が24%以上(あるいは24%前後)のものを「フル・クリスタル」、8~12% 前後のものを「セミ・クリスタル」と分けることもあります。ガラスに鉛が加わってきれいになるなら、もしかしてハーキマー・ダイヤモンドも、水晶の結晶の中に鉛が……?なんて考えてしまったのですが、そういうわけではないようです。ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれる水晶は、母岩の中にタールに似た成分が含まれていて、結晶の表面にそれがコーティングされている、という説がありますが、くわしいことはわかっていないそうです。さてさて、本題に入りましょう。昨日、初の予告をしてしまったので、予告通りに写真です。いかがでしょう?左側がアルプス水晶(フランス産)、右側がガネーシュヒマール産ヒマラヤ水晶です。ふだん、「変な石が好き!」と、どっちかというとワイルドな水晶を探してしまうのですが、ちゃんと透明なのも持ってます(笑)「世界一の透明度」とうたわれるのはアメリカのアカーンソー州産の水晶で、ブラジル産でも負けず劣らずの透明で端正な水晶が出ます。マダガスカルも透明度の高い水晶が出ると聞いたことがあるのですが、ポイント状で透明なものを見たことがないような気がします。もちろん、アルプスやヒマラヤも透明度の高い水晶の産地です。しかし、「透明度が高い」といった場合、いくつかパターンがあるような気がしますひとつは「アーカンソータイプ・クリア」とでも言いましょうか。(あ、また造語しちゃった)結晶の形も端正で、インクルージョンもなく、ひたすら透明な水晶です。もうひとつは、「ガーデンタイプ・クリア」と命名しましょう。インクルージョンはあるけれど、それを含む水晶はクリアなタイプ。えい、もうひとつ「ロシレムタイプ・クリア」。中はものすごく透明度が高いけれど、結晶表面に疵が付いていたりして、残念なことにその透明度がちょっとわかりにくいもの。なんとなーくわかっていただけるでしょうか。もちろん、掘りたてのときは酸化鉄などの被膜に覆われていて、塩酸でクリーニングされてきれいさっぱりとした姿で市場に出るものもありますが、そこまではわからないので、あくまでも流通している時の状態ですが。ひとくちに透明といっても、インクルージョンでなくても、中にクラックや霧状の白い部分が多ければ透明とは言い難くなるわけで、実は、私好みの「変な石」並に条件が苦しい石かもしれません。で、ヒマラヤ水晶、ロシア水晶好きの身としては、言いにくいのですが、「透明な水晶」と言った場合は、「アーカンソー・タイプ」に軍配を上げてしまいます。しかし!ヒマラヤ水晶にも「透明な水晶」はあるものです!ガネーシュ産にしては、ヒマラヤ水晶らしい特徴には乏しいのですが、むちゃくちゃクリアです(写真右側)。エッジ(結晶の角の部分)の鋭さは「手が切れる」と思ってしまうほど。そうそう、「透明な水晶」にさらにわがままな意味を加えておきましょう。「エッジが鋭いこと」です。この「 エッジの鋭さ」は、石の雰囲気を左右します。(……と思います)同じような透明度でも、エッジが鋭い方が、より静謐な、凛とした雰囲気に感じられます。写真右側のヒマラヤ水晶は、上半分の透明とエッジの鋭さが最大の魅力。普段ならガネーシュらしい形や緑泥を見どころとして石を選んでしまうのですが、この石は、透明度でそれに並びました。ガネーシュ産のヒマラヤ水晶の石は、クリーニングされているものが少ないのではと思っているので、もしかしたらこの透明度は天然のものかもしれません。だとしたらすごい!左側は、フランス産のアルプス水晶です。聞くところによれば、アルプスでは透明で大きな結晶が産出し、それを加工してすばらしい工芸品も作られたという話ですが、めったにそういう結晶にはお目にかかれません。結晶の形が複雑で、とても透明なのになかなか向こうが見通せない石が多いと言うこともありますが、ヒマラヤもアルプスもその産地故にすべて手掘りで、流通する絶対量が少ないのです。ブラジルでは膨大な量が産出しますし、アーカンソーでは露天掘りが可能です。しかし、ヒマラヤでは数千メートルの高度まで、地元の人々が取りに行くしかありません。(軍隊の人が訓練で昇ったときに採ってくる……という話も聞いたことがあります)アルプスに至っては、小数の登山家が採ってくるもののみです。写真のアルプス水晶は、地元のコレクターの放出品なのだそうです。一見、「ぶっかき氷風」に見えるかもしれませんが、左下を見て下さい。太めライン状……というか帯状に光が反射しているのがわかるでしょうか。これ、柱面なんです。非常に複雑な形状ながら、結晶形を持っている石なのです。前述のわがまま規定に照らせば、「透明水晶」とは言い難いかもしれませんが、これは、写真のせい。実物は文句なしに透明です。そう……私が透明な水晶に対してあまり騒がないのは、この写真の撮りにくさがあるからです。目で見たとき、透明な水晶は、まるで光で作られた形のようにきらめき、その美しさで心をとらえます。ところが、いったんレンズを通してみると、なんということ!黒いバックにすればバックの色を透かしてそのきらめきを失い、淡い色のバックにすればそこにとけ込み、わずかに角度を変えただけでまぶしく光を反射させて写るのを拒むのです。光を取り入れる方向を選び、反射と透過のバランスを選んで角度を調整し、そーっとシャッターを切る……しかし……またピンぼけしちゃったぁ!透明感ゆえに、結晶の向こう側にピントが合っちゃうんですねえ……。アルプス水晶のようにいろんな面を持っていると、そういう失敗は少なくなるのですが、今度はキラキラ反射しすぎて、全体の形がわからない……。困ったもんです。そうそう、右側のヒマラヤ水晶のように、先端は透明でも根本の方は白くなっているという場合が多いですが、これは、水晶が成長する際、最初はごく細く小さな結晶がランダムに成長していて、しだいに結晶する方向が定まってきてひとつの大きな単結晶になっていくのだそうなんですが、この小さい結晶だったところが白く濁るのだそうです。もしかしてものすごく倍率の高いルーペで見たら、この部分には負晶がいっぱい見つかるのでしょうか?
2004/09/18
コメント(3)
番外編で何回か本をご紹介しているので、覚えておられる方もいらっしゃるかと思いますが、私はSFやファンタジーも好きです。石好きでSF好きときたら、そりゃもう手を出さないわけがないでしょう!というものがあります。そう、テクタイトと隕石です♪テクタイトは、昔、ガラス質の隕石だと言われたこともあったようですが、では隕石が衝突した際に溶けて飛び散った(または気化・蒸発した)球の岩石が空中で急激に冷やされてガラス状に固まったものであると言われています。中でも有名なのがモルダバイト。旧チェコスロバキアのモルダウ川流域で発見される深い緑のテクタイトです。ドイツのリース隕石クレーターを形成した1480万年前の隕石の衝突と関連があるそうです。テクタイト好きにとってはモルダバイトははずせないものであるわけですが、のほかのテクタイトも大変魅力的です。みなさんは、モルダバイト以外のテクタイトというと、どんなものをご存じでしょうか?私の手元には、こんなテクタイトたちがいますテクタイトというと、モルダバイトは例外で、般的には、でこぼこしていて黒くて地味というイメージがありますが、ずしもそうとは限りません。たとえばリビアングラス。写真左下のリビアングラスは、エジプトのリビア砂漠から発見されるい金色のテクタイトです。モルダバイトと違って表面はなめらかで、に透かしたその色はまさに「満月色」!中には「クリストバライト」という、英が高温で変化した物質が小さな丸いつぶつぶになってまれていることもあります。そのほか、黒いと思っていたテクタイトもに透かすと、わずかに褐色に透けます。これもなかなか魅力的!写真を撮る場合は、なるべく薄っぺらなものを選び、いっきり逆光で撮影する必要があります。むちゃくちゃピントがあわせにくかったです!テクタイトは、一般に産地の名前をつけて呼ばれています。モルダウ川でとれたテクタイトだからモルダバイト、ビア砂漠のリビアングラス(リビアンテクタイト)、南アジアのインドシナイト、ャワでとれるものはジャワナイトとも呼ばれるそうです。オーストラリアには、オーストラライト。アメリカのベディアサイト、ジョージアナイトなどもあります。ジョージアナイトはボトルグリーンと呼ばれる緑色をしているそうなので、一度見てみたいものですね~。これらのテクタイトは、オブシディアンと同じ天然ガラスです。しかし、ボタン状やしずく型、あるいはもっと複雑な不定形をし、面に独特の丸いでこぼこが見られるほか、オブシディアンが若干の水分を含むのに対し、テクタイトは水分を含まないという違いがあるそうです。オブシディアンは、珪酸分の多い地下のマグマが冷えてできたもの、いわば地球の一部であるのに対し、テクタイトは宇宙と地球のコラボレーションによって生まれたもの。といえるのではないでしょうか。そして、宇宙からやってきたものといえば隕石。石好きさんにはギベオン隕石が有名でしょうか?ギベオン隕石は、1836年、ナミビアにあるギベオンという砂漠地帯で発見された隕石で、その成分は、地球の歴史の46億年よりもはるかに古いといわれているそうです。スライスに加工されたり、ビーズや時計の文字盤、果てはナイフにまで加工されているくらいなので、よっぽど大きな隕石だったのでしょうか。聞くところによると、大きすぎて発見された場所から動かすことができない隕石もあると言うことですが……。さて、隕石はちょっと専門的に分けますと「石質隕石」「石鉄隕石」「鉄隕石(隕鉄)」の3つに分けることができます。最も多いのが石質隕石。落下した隕石の86%を占めるそうです。この石質隕石の中には、地球の岩石には全く認められないコンドル-ルと呼ばれる直径2mm以下の丸い球を含んでいるものがあって、そういうものはコンドライトと呼ばれます。石鉄隕石は、中にペリドットがちりばめられた「パラサイト」という美しい隕石がそうだと言えばおわかりでしょうか。ちなみにここでいうところのパラサイトは、「Pllasite」で、この隕石を研究したドイツ人学者Pallas氏にちなみます。寄生虫を意味する「parasite」ではありませんのでご注意を!(私は、隕石の中のペリドットが寄生虫みたいに見えるってこと? としっかり誤解してました)これは、惑星の核とマントルの境目あたりにある石だそうで、宇宙のどこか遠くの星が砕けて、その名残が地球へとやってきたのでしょうか?そして最後が鉄隕石です。すでに話をしたギベオン隕石がこの仲間で、鉄とニッケルが主成分です。ギベオン隕石というと、スライスやビーズに加工したものの表面に見られる、独特の格子模様が印象的ですが、これはウィドマンシュテッテン構造といい、自然の状態で見えるのではなく、酸でエッチングするとあらわれるものです。この模様ももちろん大好きなのですが、やはり、隕石の自然な表面は何とも言えません。そして、隕石がらみで見てみたいものがあります。ギベオン隕石は前述したようにさまざまなアクセサリーに加工されますが、日本古来の工芸品で、鉄隕石を用いたものがあることをご存じでしょうか。日本刀です。隕石を使って作られた日本刀を流星刀といいます。もちろん、隕石だけでつくられたのではなく、原料となる玉鋼の中に混ぜ込んで作ったそうですが……。日本刀は、玉鋼をうちのばし、折り返し、さらにうちのばして折り返し……と言うように鍛えていくのですが、(これを鍛着といいます)鉄隕石に含まれるニッケルは鍛着を妨げ、燐は疵のもととなり、大変難しいのだそうです。そしてできあがった刀の地肌には、ニッケルが渦を巻いてただならぬ迫力の刀になるのだとか……。ギベオン隕石を使ったナイフでも、表面が年輪のような模様になっていますが、そういう感じなのでしょうか。☆追加モルダバイトは、ころんとした形よりも、細かく枝分かれしたような形の方が高いのだそうです。中に泡がはいっているのもあり、それも珍しいのだとか。
2004/09/04
コメント(8)
※9月1日、シトリンの写真を差し替え。説明部分も書き換えました。さて、一ヶ月とプラス1日目の日記です。今日からは「目指せ!2ヶ月め」の気分でがんばりますので、おいでいただいたみなさん、よろしくお願い致します。ここへきて気になるのが写真の枚数です。この調子では、2ヶ月を待たずして規定の100枚に達してしまうかも……。どこかに無料のスペースを借りて写真をアップして、それをここに貼り付ければいいわけなんですが、ホームページを作ったことがない私には、無料スペースに写真をアップする方法すらわかってません。その方法を説明しておられるよいサイトさんがありましたら、教えて下さい……。……という具合に、写真の枚数に若干不安を抱えておりますので、今回は(今回も?)、石メモコーナーにも使い回しできる石……ということでシトリンです。シトリンは、水晶の中でも人気がある色ではないでしょうか。「金運の石」などの意味合いはさておき、天然で良い色合いの石がなかなか出回らないというのも人気の理由のひとつに挙げられると思います。クリアやスモーキーに比べると、値段も一段と高いようです。そんな理由もあって、これぞという石には未だ出会えていない私の手元にあるシトリンはこれ。 (※9月1日、写真および以下の説明を差し替え)(1)ロシア産。ロシアのシトリンの中には、黄緑みを帯びたシトリンがあります。(もちろん、黄色いのもあります)この石は若干くすんで黄色みが強いのですが、もっと黄緑色が冴えた石を見たことがあります。これは欲しいシトリンの筆頭です!(2)ブラジル産。小さい石ですが、色味も透明感もよく、今思えば大変お買い得な石でした。(3)コンゴ産。茶色味と赤みを帯びた、素朴で暖かい色味です。中にクラックがたくさん入っていて、透明感はイマイチです。(4)ブラジル産レモン水晶鉄による発色ではなく、分子の間にイオウが入り込んで黄色くなった水晶です。レモンというだけあって、ほんのり青みを帯びたようなさわやかな色。イオウが入っているので、他の石と打ち合わせてにおいを嗅ぐと、イオウのにおいがするそうです。原石で売っているものには不透明なのが多いですが、カットされたりビーズになったものには透明なものもあります。(5)マダガスカル産シトリンというより、スモーキーシトリンと呼ばれる物で、淡いクリーム色のシトリンをベースにスモーキーがファントムになって入っています。1,2,3,5がシトリンで、一応天然の発色です。4は黄色いですがシトリンとは呼ばれません。鉱物店とか、スピリチュアル系の石屋さんでは焼シトリンは見かけなくなってきたように思うのですが、パワーストーン系や、やすい鉱物標本としては、まだ焼シトリンを見かけますね。(6)がその焼シトリンです。ご存じのようにアメシストを熱処理して色を黄色に変えた物です。シトリンでは柱面が発達した結晶は珍しくないので、柱面が発達しないアメシストの結晶の形のまま色が鮮やかな黄色(山吹色?)になっている焼シトリンは、慣れれば見分けがつきます。2と6の色合いをよく見ていただければ6がオレンジがかっていることがおわかりいただけるでしょうか。3と比べても、3が茶色がかった素朴な色合いであるのに対し、6は非常に鮮やかで、華やかな色合いです。これはこれできれいだと思うのですが、「熱処理」と表示して欲しいです。……と、昨日「石メモ」でシトリンとアメシストの違いについてまとめておきながら、その内容に反するような疑問があります。繰り返しますが、シトリンもアメシストも発色の原因となっているのは鉄です。天然の放射線を浴びているかどうかでイオンの状態に違いが出て、吸収する光の色が変わり、結果として見える色にも変化が出ているわけです。天然シトリンが少ないのも、水晶を含む母岩には、放射線物質を含む物が多いためだという説もあります。ところで、↑を調べている時に、アメシストに柱面が発達した結晶が少ないのは、不純物として鉄を含むからだという記述を読みました。ここで疑問です。鉄を含むことが柱面の発達を妨げるのなら、なぜ、シトリンはちゃんと柱面を発達させることができるのでしょう?逆に、天然のシトリンで、アメシストのようにつくつくしたクラスターというのは、あまり見かけませんよね。さらに疑問です。マダガスカル産シトリンの写真をもう一度見て下さい。シトリンとスモーキーがファントム状に交互に重なっています。これは、結晶の成長途中で熱水鉱床の成分に変化が起こって、鉄が多くなったりアルミニウムが多くなったりしたのだと考えれば説明が付きそうです。……が。たしか、私は「石メモ」でスモーキーとモリオンの違いは、「天然放射線で結晶構造が破壊されているか否か」だと書いたはずです。調べると、確かにそう説明されています。つまり、スモーキーは、モリオンほどではないにしても天然放射線を浴びることで発色しているのです。……では、なぜ、シトリン部分がアメシスト化しないのでしょう?アルミニウムの方が、鉄よりも放射線に反応しやすいのでしょうか。だとすれば、アメシストとスモーキーが同居しているエレスチャルなどでは、スモーキーのところだけモリオンになってしまいそうです。わからないですねえ……。もしかして、同じシトリンやスモーキーでも、発色のメカニズムにはいろいろあるのでしょうか。まったく、シトリンとは「金運にいいんだって!」と無邪気に言っているわけにはいかない、謎多き石なのかもしれません。追加です。ロシア(ウラル)に黄緑色のシトリンがあると書きましたが、5月の新宿ショーでは、中国産で黄緑色っぽいのを見かけました。昨年12月にも、黄緑色の格安クラスターを見かけたのですが、お店の人によると、ブラジル産でおそらく焼いてあるだろうとのことでした。(このときのクラスターには、しっかり柱面がありました)ロシアのを買ったときには、天然の色だと確認したのですが、ブラジル産のアメシストでは、熱処理すると黄緑色になるのがあるのだそうです。やはり、シトリンは信用できるお店で、天然の色かどうか確認して買わないとだめかもしれないですね。
2004/07/23
コメント(2)
更新記録:ヒマラヤ水晶の「チベットその他」に新産地カイラスを追加、パキスタンに写真とコメントを追加。何とファーデンのクラスター!同じく「ヒマラヤ地図」にカイラスの位置をマーク。※以下本文です。幽霊……といっても、ホラーな話ではない。連日石の話ばかりしているわたしのことだから、「幽霊」も石の話。そう、ファントムである。原石派のわたしだが、ファントムだけはポリッシュの方が断然多い。ご存じ、水晶のファントムと言えば、結晶の成長が止まったり遅くなったりした際、不純物がそのときの結晶面に付着し、結晶が成長を再開したあとも痕跡なって残る、いわば水晶の成長の記録である。それだけに色も形もさまざまで、いくら持っていても、やっぱり買ってしまう。下の写真は、その一部だ。1のひときわ目立つ赤いファントムは、鉄分が付着したことによるもの。11のアメシストのファントムは、実物はもっとはっきりくっきりしていて、透明な水晶の上にアメシストが結晶したものらしい。アメシストの発色は鉄イオンによるものだから、この水晶は途中で成長の環境ががらっと変わってしまったということを、しっかり記録しているのである。4や5や7や8のように、水晶がだんだんと大きくなっていった様子がわかるファントムもある。そんなファントムでも、10のように何層も何層もかさなるとさすがの迫力だ。(背後の模様は、小さな結晶が無数に刺さっているため)特に見て頂きたいのは3と9だ。3はヒマラヤ水晶(ガネーシュヒマール産)のファントムで、ファントムには珍しくみがかれていないもの。ヒマラヤ山脈造山の激しさと膨大なエネルギーを物語るように、そのファントムはうねり、蠢くように形を変えながら、世界最高峰の山脈の歴史を刻みつけている。この石を見つけて日に透かしたとき、このファントムが輝いて、空へと昇っていくように見えたものだ。6は、白い部分をよく見て欲しい。いくつものポイントが見えるだろうか?なんとこの石は、もともといくつかのポイントが集まったクラスター状だったものが、ひとつのポイントへと姿を変えて成長したものなのだ!もちろん、ポリッシュの中には磨いたことによってもともとも形が変えられてしまっているものも多い。そういう場合は、ファントムの形と結晶の形を比べ、大きな差がなければ、ほぼ結晶の形通りに磨かれていると見ることができる。では、この石の場合はどうだろう?……心配ご無用。写真にはなかなか写らないのだが、白いクラスター部分を覆うように、ひとつのポイントとなった状態のファントムがちゃんと存在している。クラスターがひとつのポイントに変化するなんて、この水晶は、どんな気分の変化をおこしたのだろうか。私の持っているファントムは小さなものが多いが、それを並べて見てみると、石が、聞こえない音か音楽に共鳴しているように思えてくる。それは石の成長の軌跡。地球の胎動の証。そんな痕跡を刻み込んだ小さくて可愛い「幽霊」をころころさせていると、無条件でうれしくなってしまうのは、私だけだろうか?※緊急企画 「けさらんぱさらん?」観察日記昨日つかまえた謎のモノ。「植物タイプ」のけさらんぱさらんにそっくりなので、しばらく観察してみることに。今日は、けさらんぱさらんのエサの定番「おしろい」を入れてみた。おしろいといってもフェイスパウダーなんだけど……。一応、裏におしろいと書いてあったし、ファンデーションを入れた人もいるそうだから、よしとしよう。入れてみたら綿毛の先に粉が付いてちょっとけばけば。こんなんでいいのだろうか……?※そして本来の日記今日も早朝に暑くて目が覚めた。時計を見ると4時半。いつもだと4時に目が覚めてしまうのに、いつもより30分がまんできたのか、と思いきや、昨日寝たのが30分ほど遅かったのだ。寝る直前までクーラーをつけていたから、暑くて目が覚めるまでの時間は同じ。はかったように4時間で目が覚める。(たいていいつも12時に寝て暑くて4時に目が覚める)よし、明日は4時に目が覚めたら、その時点で窓を開けよう!
2004/07/14
コメント(2)
全10件 (10件中 1-10件目)
1