2011年12月27日
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カテゴリ: 洋画 [SF]

宇宙探検を通して描かれる未曾有の群像劇
コンタクト

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アメリカ(1997年)150分

■ 監督 ロバート・ゼメキス
■ 出演者 ジョディ・フォスター / マシュー・マコノヒー / ジョン・ハート
      / ジェームズ・ウッズ / トム・スケリット
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- Intro -
 捨てる神あれば拾う神ありで、
前回紹介した 仕事を干された M・ギブソン でしたが
それを起用して監督したのが本作の主役を演じている
ジョディ・フォスター でした。

さてその役柄というのは・・・

仕事に失敗したトラウマから鬱病にかかり
コミニュケーションを取れなくなった男が、
ぬいぐるみを利用して徐々に克服してゆくというシリアス・コメディ

だそうで・・・

これは「打ちのめされた男の傷跡に塩を塗る」かの様な行為か

或いは「ライオンを千尋の谷から引きずり下ろして北極のトドにする」
かの様な行為で

このジョディ・フォスター 救いの女神と思いきや
度S かもしれないという

お話でした・・・w


 さて、R・ゼメキス監督の隠れた名作で、
ブログ主の 好きな映画ベスト10 の中に挙げられる本作をご紹介します☆

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-STORY-

知的生命体の探査と研究を続けていたエリー(J・フォスター)は
天文学の権威ドラムリン(T・スケリット)の独断によって研究を打ち切られてしまう。

数年後、新たな資金を得て始めた電波望遠鏡による天体探査も
懐疑的な保守派研究者達の干渉を受け中止を余儀なくされる。

失意のエリー達ではあったが突然明らかな外宇宙からの発信を受信して・・・

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-解説-

難解なプロットと宗教的とも取れる数々の言及から
作品の主旨は誤解されがちですが

本作は 宇宙探検物でも 宗教物でも無く

宇宙探検を通して様々な思惑を持った人間達が複雑にからみ合う
群像劇 を描いた作品で

人は個々では力も無く群衆の前に押しつぶされ
宇宙に比べれば塵にも満たない存在だが
だからこそかけがえの無い存在なのだ と訴える

未曾有の人間ドラマ です


『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの
ロバート・ゼメキス監督作ですが

バラエティーな娯楽SF映画だと思って鑑賞すると肩透かしを食わされる
社会派という側面を持ったヒューマニズムを描いた作品でもあります



主人公エリーを取り巻く様々な人物達は、共通の目的の元一堂に会しますが
その多くは 個々に思惑を抱き、
互いの結びつきを 損得勘定 で計る様な
極めて欧米的性質の権力志向の強い人物達 として描かれているのが

興味深く

果たして人間とは宇宙の中では孤独な存在なのか
と説く以前に
結束が無い と 作品は言い放ちます

劇中エリーは 当初誰も見向きもしなかった研究で孤立を余儀なくされますが
ひとたび 前人未到の功績を上げた途端

打って変わった様に 降って湧いた寄ってたかる人物達によって
巧妙に功績も仕事も奪われて 第一線を追われます

巨大企業の人事にありがちなこの描写は、
米国でも社会問題化した「階層社会」を生々しく描いたものと言えます



一方エリーの功績を次々と我が物にし その度強大な権力を手にして来た
人を踏み台にしてのし上がる権力の権化 の様に描かれた

ドラムリン博士 (T・スケリット) は
マシン起動テストの前のエリーとの印象的な会話の中で

平等を信じる真っ直ぐな人物だった若かりし頃があり
人が変わってしまう程の大きな何かがあった過去を
思わせる発言をしている事から

一件、
典型的なステレオタイプなキャラクター劇の様にも見える作りの中で
登場人物たち一人一人ひとりの背景まで考慮した

例え悪人であっても薄っぺらではない
非常に深みのある人物描写によって作られている

群像劇を得意とするゼメキスならではの
緻密な構成力が光る脚色の力を感じさせるものがありました。



天才であるが故に常人には理解され無い 孤独 を感じ続けて来たエリーは
孤独の象徴の様な宇宙に思いを馳せて
そこに自分の 居場所 を作って来た様に描かれますが

映画クライマックスのマシンのシーンで
圧倒的な宇宙の存在の前に塵のような存在の人類を案じ
人と宇宙との 繋がりと絆 を感じた時

宇宙の真髄を感じる様な体験から 人が存在する真意 に気付き
もう孤独ではないと悟りを得ます


一方、 マシュー・マコノヒー 演じる 宗教家 パーマー
エリーがマシンに乗って始めて悟った 人が存在する真意 に付いて
宗教的体験から 早い段階で気付いており、

宗教家として大勢の支持を得ながらも
真の意味で誰一人理解できず、恋人とすら分かち合えない
この悟りの境地に対して

エリーとは又違った形で「孤独」を常に感じていた人物でした

その後法廷で訴えるエリーの演説から
自分と同じ悟りの境地に達していた事に気付いて
パーマーも又、自分はもう孤独ではないと知ります

タイトルの 「コンタクト」 とは知的生命体との接触を指す意味と同時に
人間同士 との を指す意味でもあるのですが

この場面で描かれる本作のテーマとも言える
人と人との真の繋がりとは、

形を越えた互いの理解にあると説く所に

多国籍民族を抱える米国の社会問題にメスを入れながら
社会派作品としてではなくまして宗教的観点からでも無く
あくまでヒューマニズムの点から訴えている所に

本作の意図があったような印象があります



J・フォスター演じるエリーが一人グランドキャニオンで過ごすシーンは、
満天の星空の元1人切りで孤独を噛み締める様に佇む中盤に対して、

薄っすら浮かべる笑みから心境の変化が汲み取れるラストで、
人は1人ではあっても孤独では無い という

映画全体を象徴する真のテーマがこの場面に凝縮された
宇宙的スケールで人間ドラマを描いた本作は

人との繋がりが真に問われる現代にこそ
再評価すべき作品だと思うのでした☆



Carl Sagan Planetary Society
Carl Sagan (画像引用:wikimedia)

80年代、 「コスモス」 という宇宙バラエティー番組が放送され大いに話題となり、
この番組製作者であり「コンタクト」の作者でもある
今は亡きカール・セーガン博士の伝えたかった

「我々は孤独ではない」
という 誰もが理解できる単純で奥深いメッセージは、

時は流れ、価値観が変わり
100年に一度の経済危機と呼ばれる世の中になろうとも、

いつまでも変わらずに人の心に響き続けるのでしょう。





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最終更新日  2017年11月26日 19時32分07秒
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