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2004年06月30日

と誰に向かって言うでもなく店長がつぶやいた。

「そういえば、来る時東側でピカピカ光ってた。」

「そうそう。」

皆、手を動かしながら思い思いに口走る。

そして支度が終った人から順次・バイクのエンジンを夜空に

唸らせてし走り去る。

カッパを持参してない人の中に大ちゃんがいた、

店先の前で天を見つめている。

「浩太さん、カッパ持ってきたんですか？」

「普通この時期、新聞屋さんは置いておくでしょ！」

と、横から古田さんが口を挟む。

「そうそう、雷注意報が出てたしね。

店には予備に一つ置いてあるんだ。」

そう言いながら浩太は荷台に綿布で包んだ新聞を載せる。

大ちゃんはぽつぽつ落ちてくる天を見上げている、

「どうせやむんじゃないかな～」

一息ついて加えた。

「もしもの時は開き直るさ。」

浩太は、

「僕なんかとっくに人生開き直ってるさ。」

と言おうとした。

轟いた雷鳴に何かがはじけた。

そして霧のように小雨が煙る中、

エンジン音と共に消えていった。

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