日本語教師のヨックン。

日本語教師のヨックン。

2007年04月29日
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テーマ: 中国&台湾(3328)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 我々、外国人教師は日本人だけでなく、全員が 外事弁公室 の敷地の中に住んでいる。

 外事弁公室というのは、外国関係の一切を取り仕切る部署のことで、我々、外国人教師が住んでいるのは、その外事弁の敷地の中のこの建物。
河南師範大学外国人教師宿舎2(ブログ用).JPG
 かつてロシア人が住んでいた邸宅を、4つに区切り、1階に2人、2階に2人が居住できるように改装してある。

 この外事弁の敷地内を、最近、 私のクラスの3年生たちが駆け回っている

 実は、 「作文」 日本語の新聞 のだ。
 その「新聞」は、日本人にこの大学を紹介するというもの。
 私は書き方やレイアウトのやり方といった技術面を教えるだけで(私、中国に来る前、新聞記者だったので)、 新聞のタイトルからチーム分け、レイアウト、記事の内容、担当者の割当てなど、後は すべて学生に任せた

 私がやりなさい、と言ったからやる、というならやめよう。
 あなた達がやりたいなら、やろう。
 と、私は言った。

 学生たちは、とても乗り気になった。


 私の要求は1つだけ。
 メインの記事は 「外国人教師へのインタビュー」 であること。


 日本人教師は4人(私以外は3人)で新聞を作るチームは6チームだから、私以外の3人の先生を2チームがインタビューをする……。

 ……というつもりだった。

 だが、「作文」の授業の前夜、天啓が閃いた

 インタビューって、 別に日本人教師に限定しなくてもいいんじゃないか
 アメリカ人のビルにだって、スコットランド人のスチュワートにだって、或いはこの大学の日本語教授にだって、インタビューしていいんじゃないか。

要は、話す楽しさを感じること。話をして新しい出会いを作ること。恐れないこと。これまでしたことがないことを経験すること。

それが何より大事なのだ
 私は日本語の教師だが、日本語が上手か下手か、なんて、そんなたいした問題じゃない、と思っている。
重要なのは、話す楽しさを知ることだ。

 新聞作りは 「作文」の授業の一環だが、同時に「会話」の授業の一環でもある
 特に、私は後期の授業でクロスオーバーというか、ボーダレスを標榜しているので、尚更だ。
つまり、「作文」と「会話」、そして「英語」と「日本語」のクロスオーバーである。

 この考えを、授業中、学生たちに話した。
「ビル先生や、スチュワート先生に、英語でインタビューしてみないか?」
 学生たちは笑いながら歓声をあげ、口では「ええっ」「難しいなあ」「大丈夫かなあ」「日本語を勉強してから英語をわすれちゃった」などと言いながらもすごく乗り気になってくれた。

 そして、連休前の今週、学生たちは、自分たちでアポを取って、自分らで質問事項を考え、カメラやテープレコーダーを用意して、外国人教師の部屋を訪ねている。


 どういう質問をするのか、どういうふうにして話を切り出すのか、など、私はすべて学生任せで、一切関知していない。
 だから、 私は参観日に学校に行けない保護者のような気分で、学生たちの後姿を見ていた

 しかし、そんな心配は不要だった。

 T先生(日本人)を尋ねたチームは、30分の予定を1時間もオーバーするほど話し込んでいたし、スチュワート先生にインタビューしたチームも1時間近く話していた。

 そして、 次の日、インタビューした学生と相手になった先生が、校内で互いに声を掛け合って話をするようになっていた。

 こういう光景が、嬉しい。

 誰にでも、誰とでも、言葉を通じて仲良くなる。

 「おとなしい」「会話が下手」と言われていた3年生たちの、以前とは違う、そういう姿を見るのが、本当に嬉しい。


蛇足:
 「作文」と「会話」のクロスオーバーは、私が後期から実践していることだ。
 だが、クロスオーバー授業は、他にもどんどん発展させたらいいのに、と思う。

 例えば、国語の教師が物理の授業をやったり、その逆もあったり、など。
 原子力発電所には「もんじゅ」とか「ふげん」という名前がつけられているが、「文殊」と「普賢」とは何か、ということを物理の時間に国語の教師から教われば、また違う興味が湧くかもしれない。

 学生の興味を引き出すこと。これはとても重要なことだと思う。
 自分の経験に照らし合わせても、そう思う。

 「枠」を取り払えば、いろんな可能性が出てくるし、それは学生のためになる。

 逆にいえば、学生のために、『枠』は取り払うべきだ。


 ……私は、なんとなくだけど、そう思っている。 



 では、今夜の夜行で、山西省に1人旅に出かけます。所要時間10時間。
 知り合いが誰もいないので、全部、自分の中国語で解決しなければなりません。
 無事なら、帰ってきます(笑)





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最終更新日  2007年04月29日 11時31分33秒
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