日本語教師のヨックン。

日本語教師のヨックン。

2008年02月29日
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テーマ: 中国&台湾(3328)
カテゴリ: 日本語教師の仕事
 日本人でも 敬語

 まるで、 新しい外国語を覚えるようなもの だという。

 3年生たちは、去年、2年生の後期に「敬語」の授業を受けている。

 しかし、 その難しさと、つまらなさに、教室に来る学生の数が次第に減っていったという



 後期は、その 「敬語」 を私の 「会話」

 卒業した後で、敬語の知識は必ず必要になるからだ。

 そして、昨日、学生たちに 「敬語」 を教えた。



 問題は、どのように教えるかということ。

つまらないこと、難しいことを、楽しく、興味深く教えるというのが私のポリシー。

 で、いろいろと秘策(というほどのものではないが)を練った。



 授業ではまず、雑談を通じて、学生たちの語彙を増やした。

 語彙を増やしながら、教室の雰囲気を温めていった。

 この時点で笑いが漏れ、私の話に敏感に反応するようになっていた。

 これはいつものこと。



「敬語」は会話の形で覚えるに限る。



 それを学生に配った。

 この会話集のミソは、 敬語を使う部分を空欄にしていること

 その空欄を、学生たちに考えさせて(思い出させて)埋めさせ、二人組みで発表させた。


 出てくる、出てくる、奇妙な敬語!

「おわかりしました」「どうなさいますでしょうか?」「そうでございましょう」

 その度に、クラスが笑いに包まれる。



 学生の間違いを訂正し、正しい敬語を教えるたびに、教室じゅうから

「ああっ! そうだ!」

 という声、ため息、笑い声……。



 忘れていたこと、思い出せないことを、思い出した時の 「ああっ、そうだ」「そうか」 は、

知識の定着を約束したサインともいえる。

 思い出すことが喜びになり、知識が身についていく。


 4つの会話集を終え、ある程度の敬語に慣れてきたら、今度はその実践。

 学生たちに、こう提案した。

「じゃあ、今から全て敬語を使って話をしよう……いかがでございますか?」


 充分に温まっている学生たちは、戸惑いを見せながらも、きっちり反応した。

 そして、私との敬語による会話を楽しみ始めた。

 私が何か言うと 「承知いたしました」「かしこまりました」

 或いは 「さようでございます」「いかがいたしましょうか」

 間違えたら直し、直したら、また言わせる。

 間違えても、恥ずかしくないという雰囲気だったので、教室中がうるさいくらいになった。



 その授業を終え、校内で学生に出会った時、彼女らはこう言った。

「どちらへお出かけでございますか?」「お気をつけ下さい」


 なんだか、とても嬉しかった。





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最終更新日  2008年02月29日 14時23分17秒
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