日本語教師のヨックン。

日本語教師のヨックン。

2010年03月18日
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テーマ: 中国&台湾(3328)
カテゴリ: 日本語教師の仕事
 今週の2年生の『作文』では、 中国語の歌の歌詞を日本語に翻訳するという授業をした

 学生たちは毎週、たくさんの新出単語と文法を覚える。

 しかし、話す時、書く時に使う単語と文法は、いつもほとんど同じで、

 覚えた単語と文法をうまく使いこなせていない。



 だから歌詞の翻訳という形式を使って、これまで覚えた単語と文法を総動員して、

 この中国語を、どう日本語に直せばいいか、ということを工夫してもらいたいと思ったのだ。



 課題曲は、中国ではもうスタンダードになっている、 王力宏の『唯一』



 彼女に対する愛を切々と語るという内容の曲だ。

 学生たちが翻訳した歌詞をここですべて紹介することはできないが、

 タイトルの「唯一」という単語だけでも、訳し方はいろいろ。

 多かったのは 「君だけ」「君しかいない」「ただ一人の人」「あなただけ好きだ」

 こんなのもあった。

「世界の中で私が愛しているのはあなた」「広い世界にあなただけ」

 更にちょっとひねって 「the only one」 というのもあった。

 日本語に翻訳というところを英語に直したというもの。

 それが進化して、 「君は僕のオンリー・ワン」



 または 「もう戻れない」 と訳した学生もいた。

 これは、歌詞の内容が、あの頃の二人に戻れない寂しさを歌っていたので、

 「唯一」という言葉を訳すのではなく、歌詞の内容をタイトルにしたもの。



 私がぶっ飛んだのは、これ。

「心臓」



 一番大切なものは何かと考えて、

 思いついたのが「心臓」。

 中国語で「君は僕のたった一人の人」という歌詞を 「君は僕の心臓だ」 と訳していた。

こういう発想、私、大好きです!



 最後に、二人の学生が翻訳した歌詞を、原文のまま紹介します。

 まずは女子学生の作品。


♪僕の世界は空のように澄んでいる。
 でもそこには君の面影だけが残っている。
 君は僕の手を繋いでいるけど、なくなっていく君の笑顔。

 ほんの心変わりで、あの時の約束も二人の思い出も
 全部、消えていくのかな。
 行かないで、行かないで、
 つらくて息苦しくて、死にそうな気持ちoh,baby

 君しかいない。僕の胸の中には君しかいない。
 君を愛することは僕の日常になっている。

 君しかいない。ただ君だけのことを考えている僕。
 一人で電話に向かって愛を告げても、
 返ってくるのは寂しいこだまだけ。

 言いたいのは、僕の中には君しかいないということ。



 そして、こちらは男の学生の作品。


 僕は今、ぼんやりと空を見上げている。
 澄んだ空は君のように、僕の傍にいるのに、
 君の微笑みは霞んで見えない。

 星が心を変えたように、
 君も僕たちの思い出を捨てたんだ。
 この頃、君のことを思い出すたびに、
 胸が痛くてたまらない。
 oh,my girl

 僕の世界には君しかいない。
 でももうあの頃には戻れない。
 ただ君を愛している。
 これだけを信じて、
 鏡に向かって、ぼんやりと
 「愛している」を繰り返すだけ……。



 とても同じ歌詞を訳したとは思えないほど。

 すっげえ!





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最終更新日  2010年03月19日 01時53分42秒
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