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録画していた映画を見ていると、とっくに寝たはずの妻がやってきた。 「なんか目がさえちゃって眠れなくなっちゃった」 「悩み事でもあるのか。聞いてやってもいいぞ」と一応言ってみる。。 「きょうね。会社のお友達に誘われて、初めてBIGって言うのを買ったのよ。 知ってる?一等が6億円なんだって。6億円よ」 「ああ、知ってるよ。まぁ当たりっこないけどな」 「そしたらなんか、6億円当たったらどうしようかとか考え出したんだけど、 使い道が思い浮かばなかったのよ。 それで、普通にもっと広い家を新築しようとか考えるじゃない? でも土地はどこにしようとか考え出して・・・」 「そこから始めたの?」 「いろいろな場所を考えてみたんだけど、 結局、いろいろな条件を考えたら、 けっこう、この周辺がいいのかなぁとか」 「よかったね。いいところに住んでることがわかって」 「で、土地はこの周辺で探すとして、建築はどこの会社がいいかなぁとか」 「ずいぶん具体的に考え出したんだねぇ」 「でもさ、ドラマでやってたじゃない? ハウスメーカーって言うの? 豪華なカタログとかモデルハウスとか 宣伝費をものすごくかけている分、 下請け業者への支払いが抑えられて、手抜き工事が多いとか・・・」 「すべてがそうだというわけじゃないけどな。それってドラマの話だし」 「なら、建築士がいいのかと思ったけど、姉歯さんみたいな人だとやだし」 「そうだな。歯医者選びと同じで、いい建築士を見つけるのも難しいな」 「ねっ悩むでしょ。まだ、家の設計もしなきゃいけないのに」 「ふーん・・・って、そんなこたぁ、当たってから悩めよ」 「そうなんだけど、なんか妙に気になっちゃって」 「まぁ、夢を持つのは自由だけどね。ところで、いくら買ったんだい?」 「一口^^」 「一口?たった一口でそれだけ興奮できるのか。 でも、どうせならもっと買えばよかったじゃないか」 「だって当たるわけないもん」 「えっ・・・・・・」 応援よろしく お願い致します
2008/05/23
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友人たちとの食事会に出かけた妻が上機嫌で帰宅した。 「おいしいお饅頭とお茶を買ってきたからね。 すぐにお茶入れるね。 ・・・・・・・・・・あれっ!?あれーーーっ?」 「どうした」 「お茶忘れてきちゃった。たぶん最後にお茶したところだわ」 せっかくのお饅頭は、コーヒーと一緒に出された。 翌朝、喫茶店に電話をすると、忘れ物を預かってくれていた。 「忘れ物を受け取って、そのままジムに行って来るね」 「忘れ物は家においてからジムに行ったら?また忘れるぞ」 「大丈夫よ。子供のお使いじゃないんだから」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「夕飯のメニュー、思いつかなくて・・・。 お刺身が半額になってたから、お刺身買ってきた」 「じゃぁ、手巻き寿司にしようか。おいしいお茶もあるしね」 寿司飯も出来上がり、お吸い物と、海苔を用意して、 ささやかな「手巻き寿司パーティー」の始まり始まりーーー。 湯飲みと急須を出して、 「じゃ、そのおいしいお茶とやらを・・・」 「あっ」 妻が固まった。 すぐに、ジムに電話を入れたが、忘れ物は見つからなかった。 「たまにはそんなこともあるさ。 そのお茶とは縁がなかったということだよ。 もしかしたら、そのお茶は毒入りだったなんてね。命拾いしたかもね。 じゃぁ、ひとっ走り、お茶買ってくるよ」 お茶は、自転車の前かごに忘れられていた・・・。惜しかった。家の前までは持ってきてたのに。 応援よろしく お願い致します
2008/05/18
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さて、北海道でのゴルフも2日目。 前夜、飲みすぎた男性陣はTさんを除いて、どうも二日酔い気味。 そんなこともあって、体力のない妻のエスコート役はTさんにお任せした。 だいたい、Iさんは、ゴルフ場に限っては、 陽のあたらない場所がいたってお好みのようなので 妻のお守りどころではなかった。 時折、林の中から「わっ」とか「しまった」とか「アー」とかの叫びが聞こえてくるので 姿は見えずとも、どこにいるかはわかるのだ。 ゴルフが上手で、それまで妻のサポートを 完璧にこなしてくださっていたTさんが珍しく、 カート道とは反対側の林に打ち込んでしまった。 そこで、途中までは僕が妻をカートに乗せていったのだが、 僕の球もフェアウェイとはいえ、カートとは反対側だったし、 林に打ち込んだ二人のボールも捜さなければならないので、 そこでカートを妻に託すことになった。 「坂の途中で止めるなよ」 そう言い残し、自分の球に向かった。 ところが・・・。 疲れの見えはじめた妻の3打目はミスショットになり、 ボールは数十メートルほど先のスロープの中腹に止まった。 妻は、カートに乗ると、ボールの近くまで行き、カートを止めた。 しかし、そこはボールには近かったが、上りのスロープの途中。 しかも、ブレーキのかけ方が甘かった。 妻がカートから降りようとすると、カートがゆっくりバックを始めたのだ。 「!◎■▽$#!!!」なにやら奇声を発しながら、 カートにしがみついたが、重いカートはとても止められるものじゃない。 ずるずると引きづられながらも、 必死でカートの下側に回り、踏ん張ろうとした。 これで、かえって危険な状態に身を置いてしまった。 転んだら、そのままカートの下敷きになってしまう。 「あわや!」というときに3人のナイトが突然現れた。 隣のホールから、こちらへ打ち込んだ人がいて、 たまたま、3人の若い男性がボールを探しにきていた。 その彼らが、妻の異変に気がついてくれ、カートを止めてくれたのだった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さすがの妻も自分のミスで迷惑をかけたので、しょげ返っている。 「いや危なかったなぁ。カートはスロープを登りきってからとめないとな。 Yoshiちゃん、大事な奥さんから目を離しちゃだめじゃないか」とIさん。 「ほんとですね。何しでかすかわかりませんものね」 「いやぁ、これは私のミスです。奥さんお預かりしてたのに。 でも、まぁ、やっぱり美人は得ですね。 ピンチになってもちゃんと助けがきますからね」とほめ殺しのTさん。 「やっぱり?わかりますぅ?」 「ばーか。調子に乗るな。お世辞にきまってるだろ。 あの状況だったら相手が誰だって助けるに決まってるよ。 でも、まぁ、カートもクラブも無事でよかったよかった」(ちょっと口が滑った) 「ちょっと!それどういうこと。私よりカートやクラブのほうが大事なの」 「ハイハイ、あまり深く考えないの。脳が疲れるよ。次行こう次」 「ちょっとぉ。待ちなさいよ」 何はともあれ、それ以後は何事もなく、無事ホールアウトとなった。 応援よろしく お願い致します
2008/05/13
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新千歳空港に降り立った私たちは、レンタカーを借り、いざゴルフ場へ。 運転は、一人を除いて満場一致でTさんに決定。 Iさんは、見た目どおり?の「豪快な」運転で、妻などは 「Iさんの運転だと酔いそうになる」ようだ。 そこへいくと、温厚で紳士的なT社長に対する妻の信頼は厚いのだ。 いささか不満顔のIさんだが、「じゃぁ俺が助手席に座ろう。 Yoshiちゃんたちは、後ろでいちゃいちゃしてていいぞ」 「しませんから!」 「じゃぁ、社長、カーナビのほうよろしく」 「Yoshiさん、一応念のためこの地図見ておいてください。大体道はわかりますけど」 車が出発し、Iさんとカーナビとの不毛な戦いが始まった。なかなか目的地の設定がうまくいかないようだ。 「俺の使ってるやつと違うんでなぁ」 「代わりましょうか」 「いやいい。俺に任せとけ。お前さんは時代遅れの地図とにらめっこしとけ」 「はいはい。・・・あっ、あそこの信号を左折です」 やがて、目指すゴルフ場の看板を発見。目的地は近い。 だが、Iさんはまだカーナビと格闘中だ。 ゴルフ場の入り口が見えてきたとき、やっとカーナビが動き出した。 「進行方向道なりです」と女性の声・・・。(道なりに行くと通り過ぎちゃうんですが・・・) そして、クラブハウスのエントランスに車をつけたところで 「間もなく目的地です」 「もう着いてるわ。この役立たずめ」 ゴルフ場へはわずか15分ほどの距離でした。 応援よろしく お願い致します
2008/05/12
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聞きなれた声の一本の電話がすべての始まりだった。 「おい、ゴールデンウィークはあいてるか?」 例によって、I さんからの電話だ。 「あいているといえば、あいていますが・・・」 「おぉあいてるか。よかった。 じゃぁ、あさってから北海道でゴルフだから、そのつもりで 札幌で1泊2プレーだけどな」 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そんな急に言われたって無理ですよ」 「つべこべ言うな。ちゃーんと、かわいい、かぁちゃんと一緒の部屋にしてやるから」 「別に一緒じゃなくてもいいですけど。だから、まだ行くとはいってませんよ」 「どうせなんの予定もないんだろ? たまには、旅行ぐらい連れてってやらないとそのうち離婚されるぞ」 「大きなお世話です。ちゃんと旅行ぐらい連れて行ってますよ」 「そうか。ならいいけどな。女ってやつはいきなり離婚届突きつけやがるからな」 「突きつけられたんですか」 「馬鹿言え、たとえばの話だ」 「それにしたって、いくらなんでも、”急”すぎるでしょ」 「しょうがないだろ。知り合いの夫婦が一緒に行くはずだったんだけど 親戚に不幸があったとかで、急に行けなくなっちゃったんだよ」 「あぁそうなんですか。でもせっかく北海道に行くのに1泊はないでしょ」 「まぁな。日程の関係でそれしか取れなかったんでな。 でも、今はスピードの時代だから、サッと行ってパッと帰ってくるってのも ぎゅっと凝縮して中身の濃い旅になるってもんよ。ものは考えようだ」 「なるほどね。じゃぁ気をつけて行ってきてください。 お土産は気を使わなくていいですけど、タラバでいいですから」 「なにとぼけたこといってんだよ。あさっての朝5時に迎えに行くからな」 「それはどうも・・・ってずいぶん早いんですね。 でも、妻がなんと言うか・・・それに妻には2プレーって無理でしょ」 「大丈夫だよ。カートでちゃんと送り迎えしてやるから」 「ねぇ。北海道でゴルフなんてしたくないだろ?」(したくないと言え!) 「北海道でゴルフ?したいしたい」(うそっ!) 「あさっての朝5時出発で、たった一泊で2プレーだよ?」(なっ無理だろ?) 「5、5時ー!?・・・って志村ケンの古いコントだね あさってなのーー!?・・・一泊かぁ。うん行く!行きたい!」(まじかよ) ・・・というわけで、北海道でのゴルフにお付き合いすることに。 天候にもまずまず恵まれて、 カニなどお土産をあちこちに送るのに夢中になって、 帰りの飛行機に乗り遅れそうになったりしたし、 やっぱり、あまりにもあっけなくて、後ろ髪ひかれる思いで帰路につきましたが さすがに気が引けたらしい I さんに、カニ料理をたっぷりご馳走になったし、 これで離婚されないで済むのなら安いもんだ。 応援よろしく お願い致します
2008/05/11
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雨を避けて紛れ込んできたのか、部屋に「カトンボ」が飛び込んできた。彼は、ゆったりとしたスピードで床すれすれの超低空を悠然と飛んでいた。別に、悪さをするわけでもないので、近くに来たら、そっと捕まえて外へ出してやろうと思っていた。しかし、彼は私のほうへはとうとう近づかず、そのまま蛇行しながら、部屋から出て行こうとしていた。そして、次の瞬間、彼には思いもよらぬ悲劇が待ち受けていた。その同じタイミングで、ケーキと紅茶を載せたお盆を持った妻がこちらへ向かってきたのだ。虫嫌いの妻がカトンボに気づいて驚かなけりゃいいがと思いながら、カトンボを目で追っていると妻は、自分の足に向かって飛んでくる未確認飛行物体を視認するや恐ろしいほどのすばやさで、その「カトンボ」を踏み潰していた。『少林少女』も真っ青の見事な足技であった。しかも、お盆の上の紅茶は一滴たりともこぼれてはいなかった。武術の達人のごとき沈着冷静な行動に感心しかけたときワンテンポ遅れて悲鳴が上がった。「きゃっ!今、何か踏んだ。何?なにぃ?早く見てぇ。」どうやら無意識だったらしい。 応援よろしく お願い致します
2008/05/03
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