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〈DATA〉 朝日新聞社 / 著者 富岡多恵子
〈私的読書メーター〉
〈 いつか読みたいと思う内に著者は冥土に渡ってしまう。そんな事がそろり増えている。この随筆は主に新聞冊子に掲載されたもの、或いは私信など。なので矩形?大阪の商家育ち。浄瑠璃歌舞伎に幼い頃から馴染み艶やかな感覚の持ち主であると同時に都会育ちのサバサバ感が見通す慧眼合わせ持ち、さすが詩人感覚。巻頭、三島由紀夫に代表される女性嫌悪、女性憎悪の我が国文化の伝統と出生率低下を絡めた文章は実に32年前。一方で編み物を能くされて鶴岡真弓さんと紋様を求めアイルランド巡り!垂涎止まず。看取った犬の事、北志向など感じる点多い〉
全五章立て
そのⅠのいきなりが 「女ぎらい」の文化
三島由紀夫の稚気とアンバランスな文才を短文の中にようもまあ。返す刀で少子化笑止、の留めとは鮮やか
政府の歌う 異次元の少子化対策
富岡多恵子さんの評価で溜飲下げたいなぁ
対策って、なんか根本を欠いている。
しかも何でも異次元って。ドラえもんポケットに財政が並ぶ異次元ですわ。
保育園落ちた日本しね、のお母さんとか。
富岡さんを幽冥境から召喚の異次元チャットGPTとか駆使する?
歴史学者社会学者アーティスト民俗学者伝統芸能者、宗教家産婆さん保育士教師なども呼んでみんなで先ず意見を出し合って。
みたいなスタートを、富岡さんが警鐘した32年前からじっくり寝かせては試すをしなくてはいけなかった。
人口動態などの統計では測ることのできない複雑さに丹念に取り組まなくてはならなかった。
今ではそんな余裕は無さそう。
目の前の巨魁な老人層をどうするか?
老いと病のちがい
で、長谷川町子の去り際を富岡さんは簡潔に述べ、
共感している。私も大いに共感する。
長谷川町子は同居の姉と三つの約束をした。
密葬にしてほしい。
病気になっても入院させないでほしい。
手術を受けさせないでほしい。
長谷川町子と異なり、社会的立場なんぞない私の葬式は必然として密葬のようなものだろうけれど。
後の二つ、これは全く私もそう願う。
いや、既に密かに実戦を始めているのだ、うふ。
老いと病気の違いをきちんと見据えた長谷川町子への敬愛の念と、一人の人間が真っ当に朽ちて死んでいくことの現代的困難さを見事にまとめている。
さすれば懐かしくもある、
蟷螂の 尋常に死ぬ 枯野かな
とりかへばや物語
武智鉄二
近代読者論
津軽
中勘助
など出会いを求めたい。
文中、
表現者の責任として死をも覚悟、ではあるがあまりに誤解の多い受取方に対しては抗議もする
とした、そんな態度に惚れ惚れとする。
『網の男たちのセーター』
ようよう手に入れたときの喜びが思い出され、編み物の好みも近しく覚える。
『三島由紀夫と歌舞伎』 2025.11.25
『奔馬』 2025.11.20
『三島由紀夫の来た夏』 2025.11.14