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怪死重要証人はなぜ自殺するのか。宮内庁に保管してあった貞明皇后の大粒ダイヤが消え、日銀地下金庫の供出ダイヤも持ち出されていた。戦後、GHQの進駐は、民主化と同時に新たな権力者としての略奪、政治腐敗をももたらした。その後、次々と起きた疑獄事件や贈収賄事件でも、重要証人や関係者が決まって不審な死を遂げていく。その裏に何があったのか。戦後疑獄事件にまつわる「死」、その真相に著者(森川哲郎氏)が迫ります。本書のあとがきで、著者はこう言っています。「疑獄史には、その背後に一度入ると迷って出てくることのできない森林に似た地帯が横たわっている。その深い森には、数多くの疑獄の鍵を握る人々・・・その故に抹殺された人の死体が投げ込まれている。この永遠にもいわぬ沈黙の森の入り口には”自殺という名の他殺の墓”と記された墓標が、ポツンと一つ建てられているだけだ」今までどれだけの人達が、口封じのために「自殺」や「他殺」と決めつけられて、この深い森の中に投げ込まれたのでしょうか。疑獄の根は、単純に日本という土壌だけの話ではなく、やはりそこには、GHQをはじめとした米国の巨大な黒い陰謀工作も含まれているようです。戦後に起きた有名な事件についての著書を読むたびに思うんことなんですけど、GHQが絡んだ事件というのはどれもこれも、なぜ謎めいているのでしょうか?GHQとは、どれだけ強固な組織だったのでしょうか?著者も「一度入ると迷って出てくることのできない森林に似た地帯」と言っているように、事件の内情に通じている者や事件に深くかかわっていた人達があっけなく死んでいるにもかかわらず、本書で取り上げている事件そのものの構造もかなり複雑で難解です。特にロッキード事件では、捜査中に、鍵を握ると思われる重要証人や事件を追及中の記者達が次々と怪死(その数16人とも18人とも言われている)するという現象が起き、それが疑獄の対象にもなったようですが、人格をも変えてしまう”お金の魔力”に取り憑かれてしまった人々と、その魔力に消されてしまった人々が絡み合った謎の事件と言えますね。日本国内では、昭和16年に完全殺人薬が既に開発されていたようで、無臭、無刺激、無味の小さな実一粒程度の物体を飲むと、まったくなんの異常も表れない日が7日間も続いた後、ぽっくりと頓死してしまうそうです。もっともこの薬は、731部隊が開発した薬の改良版だそうですが。さらにCIAの暗殺用薬物は非常に発達しており、高血圧で2、3日後に死ぬもの、心臓麻痺が一定時間後におこるもの、精神錯乱がおこるもの等々、現在ではもっと巧妙な薬が完成しているという事実を、アメリカ上院のCIA査問委員会が発表したとのことです。何の証拠も残さないという完全犯罪。名探偵コナンもお手上げですね。真面目な話、かなり恐い・・・(-_-)そんなことをここで暴露してしまったぼくも、CIAに狙われる恐れがあるので、このへんで執筆を終わらせることにします。狙われないっつーの(笑)オススメ度:★★☆☆☆(あまりオススメしません)【送料無料】疑獄と謀殺
2011年03月09日
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東京→北関東→静岡→東北→四国→沖縄→関西→九州。電車、船、バス、自転車、徒歩で転々と移動した。誰にも語らなかった「逃げた後、捕まる」までの2年7カ月の間、どこにいて、どのような生活をし、何を考えてきたのか。捜査機関に対し黙秘を続けてきた市橋達也が、これまでほとんど明らかにしてこなかった逃走生活の全貌を克明に書きました。2007年3月26日に千葉県市川市の自宅マンションから逃走し、2009年11月10日に大阪南港のフェリーターミナルで逮捕されるまでを綴った内容ですので、事件についてはまったく触れていません。この逃亡が自分なら可能かということを想像してみて下さい。遊びに行こうと数万円が入った財布と音楽プレーヤーのみを持ち、そのままの姿で2年7ヶ月彷徨い歩けるかどうかということを。ぼくは無理ですね。そう考えると、彼の精神力は凄いのか?と、違う意味で関心してしまいそうになるし、捕まりたくないという信念が、そこまで強靱な精神にさせてしまうものなのだろうか?と考えてしまいます。○○でした。○○でした。と文章能力はかなり劣っているので最初は読みづらかったのですが、不思議と後半はそんな文章も慣れてきます。さらに、前半は逃亡中の歩いている話ばかりであまり面白くなかったんですけど、後半は、逃亡資金を稼ぐための仕事の事や、彼を取り巻く人々、そして少しずつ迫ってくる捜査網を感じながら逃亡している心境などをうまくまとめているので臨場感が出ています。逃亡場所とは違った透視を得意な顔で発言する超能力者の予言や、嘘ばかり報道するマスコミというのも、彼が言うようにまったく意味が無いのかもしれないですね。人の命を奪うということは、人間をここまで追い詰め、惨めにさせるということなんだということがよくわかり、本書の内容にもうまく表現されていると思います。そして殺人という行為が、不運にも殺されてしまった人はもちろんのこと、殺してしまった人間も合わせた二人の人生を狂わせることなんだということも、つくづく思い知らされる内容です。読んでいて、少し切なくなってきました。逃亡中の彼が印象に残った言葉。「I may be through with the past. But the past is not through with me.」~過去は捨ててもついてくる~オススメ度:★★★☆☆(普通かな)【送料無料】逮捕されるまで
2011年03月07日
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終戦の年に空襲で避難した谷中墓地で見た、夜空一面から朱の光が降りそそいでいた情景。銀行の現金引出し専用機の前で、チャリンと出てきた十円硬貨一枚に一瞬頭が錯乱したこと。小説家を目指す少年からの手紙や、漂流記の魅力について・・・事実こそ小説である、という徹底した創作姿勢で知られる著者(故 吉村昭氏)が遺した、珠玉のエッセイです。平成18年に著者は亡くなってしまったため、本書は著者が残した最後の著作物になります。研究家の書いた著書も、公的な文書も決してそのまま参考にせず、一人で現地に赴き、独自の方法により徹底的な調査をする執念。そして、余計なフィクションは加えず、あくまでも「事実こそ小説である」という創作姿勢がこの著者の作品には表れています。「学者の方というのは自分の書斎に籠もりきりで出掛けていかない」と著者が言い切っているように、まさに「百聞は一見にしかず」を著者は身にしみて感じていたんだと思います。例えば松があったといっても、それが赤松なのか黒松なのか、それがわからないと書けない。馬が駆けてゆく場面を書くとしても、巻き上がる土埃が茶色なのか、あるいは砂っぽいのか、実際に駆けていった場所を見ないと書けないではないかというこだわり。だから、わざわざ現地に行くことに意味があるのだそうです。この作家としての執着心は、凄いですよね。そんな「著者のこだわり」が本当かどうかは、物語の背景が事細かに表現されているこの著者の作品を読めばすぐに納得できると思います。本書は「史実というものはそのままがドラマなんだから、史実を忠実に書くだけで小説になってしまうんだよ。」という著者の声がたくさん詰まっているエッセイです。ひとりで旅をするからこそ、隠れた史実が見つけられたんでしょう。著者が書き残した、数々の史実に基づいた小説を書く際の苦労話も読み応えありますが、この著書は、著者が亡くなってから発刊されているので、エッセイで語っている著者の言葉と、途中途中で挿入されている対談形式での著者の言葉が二度三度ダブっているのがかなり残念でした。生前の著者だったらあり得ない編纂です。オススメ度:★★★☆☆(ということで、残念ながら普通かな)【送料無料】ひとり旅
2011年03月04日
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並木伸一郎氏が監修した、知られざる恐怖のパワースポットが123箇所収められています。この世を儚んで自ら命を絶った人や、不慮の事故に遭い亡くなった人など、霊現象の正体はその人たちの現実への未練、恨み、つらみ、嫉みによって生じた「負の思念」と言われています。本書は、日本列島の北から南にかけて、怨念である「負の思念」がより強く憑いてしまった土地や建物・現場をベストセレクトした霊界地図です。余計な脚色を加えず、各々のタブー地帯をコンパクトに淡々とまとめているところが、また微妙な怖さを感じさせてくれます。ただ、淡々と書かれている分、深く追求したいと思っている読者にはちょっと不向きな著書ですので、雑誌感覚で読むことをオススメします。さらに、MAPも付いているので、行こうと思えば行けるとは思いますが、やはり行かない方が賢明でしょうね。自殺の名所「日光華厳の滝」。学校の遠足などで行くと、必ずと言ってよいほど学年に一人は撮った写真に怪しい白い影が映っているような心霊スポットとして超有名ですが、元々は悲しい物語があった場所だったなんて知りませんでした。この世に未練を残して亡くなった方のいる過去を持つスポットが、一番怖いような気がしますね。場所によっては、MAP部分が「諸事情により地図を掲載することはできません」と書かれているので、読んでいる途中から、本書の内容そのものよりもMAPをなぜ掲載できないのか、という理由の方が気になってしまいました。ギャラリーが多すぎて地元の人が困っているからなのか、本当に危険な場所だからなのか・・・最近、この手の著書を読めば読むほど「そもそも幽霊は存在するのだろうか?」という疑問が沸いてきました。人間が見る夢だって、あたかも目で見たような錯覚になるのと同じで、目から入ってきた情報意外でも「見た」と錯覚することもあり得るのかな?なんてね。そもそもぼく自信が霊というものを見たことないからそう思うんでしょうけれど。霊感の無い人にとっては、永遠のテーマかもしれないです(笑)オススメ度:★★★☆☆(普通かな)【送料無料】日本霊界地図
2011年03月02日
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