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渓観は素晴らしいが魚影の薄さを実感
夏の初めての渓流釣行は、体力と情報力が決め手となるのが今回の古平川でよく分かった。
新しいヤマメのポイント開拓のために8月27日に向かった先は、名の知られた古平川。
自分の釣行エリアとしている日高や白老よりも、札幌からはずっと近い距離にある。それにも関わらず、これまでこの川に釣行したのは一度だけ。それも30数年も前の事で、そうした意味では今回が初めての釣行と言っていい。
当時はまだ餌釣りを行っていて、入った場所は定かではないが、古平の市街地からそう離れてはいなかったはず。15センチを竿頭に2時間ほどで10匹ほど釣り上げた記憶がある。
今回はある程度のポイントの情報を仕入れて入渓した。釣行ルートとして、冷水橋から上流の古平川本流と同じ冷水橋を跨ぐ下二股川を検討、結局余り釣人の入っていなさそうな下二股川に入渓した。橋の上から覗く下二股川はいたる所に淵が点在、水量も豊富で魚影の期待が高まる。
今回はドライフライで釣り上がることにして、期待の大きさから#10のフラッタリングカディスを使用した。
流れ出しから大渕小渕、そして平瀬から大渕とやけに淵の多い川で、その淵や平瀬を丹念に探りながら遡行した。が、この大きさのフライに懸命にチョイスするのは5センチほどのヤマメらしき新子。
当然針に掛かる魚はいない。仕方なく#12のカディスに変更、それでも大きすぎるのか、針にはかからない。ようやくヒットしたのは
入渓口から500メートルほど上った平瀬から。10センチほどのヤマメだった。その後も小さなヤマメのチョイスは続くが、ヒットするのは最初と同じサイズ。
こんなに山深い渓流なのに、なぜ小さなヤマメしかいないのか。その答えは、まだ春浅い時期から多くの釣人が入って持ち帰ることから。
本来は、晩夏から晩秋にかけて成長したヤマメに恵まれるが、この川はその前に釣人によって魚影が一掃されるのだろう。
結局2キロほど釣り上がったが、型ものは皆無。最近の釣行でこれほどの貧果は初めてかもしれない。
では、古平川本流はどうだろう、と冷水橋下流にある六志内橋に入渓。
見事の大淵がすぐ目の前にあり、その流れ込みにドライフライを打ち込む。しかし反応がないので、ウェットフライに替えて、淵に流し込む。が、これにもアタリはない。
ただ、淵の底を覗き込むと60センチオーバーの魚が5、6匹群れを成して泳いでいる。それが鮭だとすぐに理解。仕方ないので、その下流に築かれている小さな淵にフライを流し込む。
淵の流れ出しでは大きなライズが発生するが、多分鮭だろう。合せて、鮭の産卵を狙ったヤマメやウグイかもしれない、小さなライズが次ぎ次に発生。その小さなライズに向けてドライフライを打ち込むが、まったく反応しない。
鮭が遡上している時に、ヤマメや岩魚がフライに反応しないのはこれまで何度も経験してきた。だから、どう粘っても釣れることはない。
折角ここまで来たのだからと、帰りしなに古平川河口を覗いてみた。河口では、浮きルアーによる鮭釣りの釣人が4、5人。駐車場にはそれを上回る10数台の車で一杯だった。正午に近い時間のせいか、ヒットシーンは見られなかった。
鮭が遡上する渓流では、ヤマメや岩魚を狙った釣行はこれから難しくなっていく。
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