津上刑事(荒木しげる)の殉職編 の翌週、特命捜査課に早くも新しい顔が登場します。 叶旬一刑事(夏夕介)です。その初登場編はなかなかの破天荒ぶりで、最初から個性が際立っていました。
何者かに手製のライフルで狙われる叶。若くして警部補になったほどのエリートですが、平気で暴力を振るうような荒っぽさがあり、所轄署をたらい回しにされてきた札付きでもあります。
捜査に乗り出した神代課長(二谷英明)は、強引に叶を特命課に配属させます。しかし、叶は単独捜査を止めようとしません。やがて叶には、孤児院で育ったという 「隠したい過去」があることが判明するのです。
このエピソードでは、叶刑事の本質が見事に描かれています。暴力刑事と陰口を叩かれますが、その相手は権力を振りかざしたり、反社会的な連中だったりで、彼は 「弱者を守る」ことに徹していたのです。
そんな叶の本質をいち早く見抜いたのが、なんと高杉婦警(関谷ますみ)だったというのが、いかにも特捜らしい(笑) 吉野刑事(誠直也)なんかは「過去がなんだ!」と怒鳴るくらいですから(苦笑)
吉野といえば、叶刑事を演じる夏夕介氏は、この少し前に「六法全書を抱えた狼!」に犯人役で出演していました。吉野との体当たりの演技が評価され、晴れて特捜のレギュラーに抜擢されたとのことです。
叶刑事はこのあと、特捜最終回までレギュラーとして出演し続けます。夏夕介氏は、残念ながら59歳という若さで亡くなってしまいましたが、映像を通して若き夏氏の雄姿を見続けていきたいと思います。
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