今回紹介するドラマ「制服のテロリスト達!」は 津上刑事(荒木しげる)が主演で、ラストシーンを中心に全編にわたって人間味あふれる若き刑事の姿を見せてくれています。
暴力団を狙うテロリストとは?
暴力団員が拳銃で撃たれる事件が起き、その容疑者として現職の若手警察官(佐藤仁哉)が浮上。彼は、数年前の事件で津上刑事と捜査をしたことがあり、とても正義感の強い警察官です。
数年前の事件では、真犯人とにらんだ暴力団幹部が組員を替え玉に使って罪を逃れていました。幹部を捕まえるのには証拠が不十分で、警察官は 「証拠第一主義」の警察の捜査に憤っていたのです。
やがて、暴力団事務所が何者かに襲われ、組員が殺されるだけでなく、覚せい剤まで奪われる事件が発生します。津上は、犯行グループに警察官が加わっているとみて、彼を逮捕するために近づきます。
警察官は「誰かが泥水をかぶらなければいけない」と主張しますが、津上に「覚せい剤を強奪するような者は殺人警察官だ」と非難されます。ところが警察官は、強奪した事実は知らなかったのです。
それを確かめるため、津上を振り切って行方をくらます警察官。津上の追跡を邪魔した彼の恋人は「あの人は覚せい剤も暴力団も憎んでいた。強奪などするはずがない」と涙ながらに訴えたのです。
翌日、警察官は死体となって発見され、津上も主犯格の警察官(磯村健治)に狙撃されます。事件は、警察機構や捜査の在り方に不満を持つ若い警察官たちの犯行の疑いが強まっていきました。
法に従うのが警察官の務め
このドラマのテーマになっているのは 「警察官の職務権限とは何か」ということです。特命課の執務室で、神代課長(二谷英明)をまじえた刑事たちの会話の中で問題提起されます。
おやっさんこと船村刑事は、若い警察官たちが「証拠第一主義や暴力団員でも人権を守るということに不満を漏らしている」現状を説明し、津上は「彼らの気持ちが分からないでもない」と同調します。
「それは間違っている」と、間髪入れずに神代課長が口をはさみ、「人間の社会には秩序が必要で、それを決めるのが法律。あくまでも法に従って人を裁くのが我々の任務だ」と諭したのです。
この姿勢は、ラストシーンでより鮮明に描かれます。主犯格の警察官を追い詰め、「ぶっ殺してやる」と拳銃を突きつける津上。正義感を利用し、己の私利私欲に走った主犯格への怒りをあらわにします。
その前に立ちはだかったのが神代です。神代は「お前も殺人警察官になってしまうぞ」と諫めます。激しい怒りのままに「俺はどうなってもかまいません」と叫ぶ津上。と、その時、神代は津上に鉄拳を食らわしました。
刑事として津上がすべきことは、主犯格を殺すのではなく、逮捕して法の裁きを受けさせることなのです。それが分かっていても、怒りに任せて行動してしまった津上を見る神代の目は、どこか寂し気な感じがしました。
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