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posted by fanblog
2023年07月13日
私だけの特捜最前線→89「誘拐 ホームビデオ挑戦状!〜ビデオテープに映し出されたトリックとは」
今回も 5周年記念作品として放送された「誘拐 ホームビデオ挑戦状!」を紹介します。放送されたのは1982年9月で、ホームビデオがようやく一般に普及し始めたころでした。
当時とすれば最新機器でしたので、ドラマの中ではビデオの特性に着目したトリックなどもふんだんに盛り込まれています。そんな懐かしさとともにドラマを見ていくことにしましょう。
ビデオテープを使って要求する犯人
誕生日に幼女が行方不明になりました。その数時間後、母親宅に1本の ビデオテープが投函されます。映像には縛られた幼女の姿、そして売れっ子評論家の後妻となった母親の姉が写っていたのです。
犯人は評論家が後妻にプレゼントした宝石を要求します。特命課は「必ず取り戻しますから」と頼み込み、後妻は宝石を持って犯人の指定した場所に立つことを志願したのです。
犯人が現れないまま時が過ぎていきます。その時、近くで交通事故が起き、そちらに関心が向けられていた瞬間、宝石は訓練されたシェパート(犬)によって奪い去られてしまったのです。
宝石を手にしたはずの犯人でしたが、幼女を返そうとはしません。実は、宝石はイミテーションだったのです。評論家には「すぐに取り返すと言っていた特命課に責任がある」と言い放たれてしまいます。
犯人から送られてきた4本のビデオテープを丹念に見直しながら、幼女を監禁している場所を少しずつ特定していく特命課。また、犯人が大衆の面前で評論家に罵声を浴びせられた青年だったことも判明します。
シェパードを使って再び宝石を奪おうとした犯人でしたが、張り込んでいた叶刑事らに阻止されます。逃げたシェパードを追跡し、ついに幼女の監禁先を突き止めたのでした。
ビデオテープに映るトリック
ドラマの見どころは、ビデオテープのメッセージに隠されたトリックを見破っていくところでしょう。犯人が ビデオ編集に詳しいマニアックな人物という設定だからこその見せ場とも言えます。
その一つが幼女の後ろに映っている窓の外の映像。東京タワーを目印に捜査員が場所を探しますが見つかりません。それもそのはず、窓枠と風景を別々に撮影したものを合成していたからです。
今ではソフトさえあれば誰でも簡単にできますが、あの頃は一般の人には考えもつかないような技術だったわけです。それを見破ったのはメカニックに詳しい桜井刑事(藤岡弘、)でした。
桜井はさらに、窓枠そのものが合成であり、実際の監禁場所には窓がないことを突き止めます。それを受け、橘刑事(本郷功次郎)は2本目のビデオにだけ壁のシミがあることを発見し、場所の特定につなげていったのです。
ビデオ以外のトリックでは、 シェパードを犯行に使っていたという視点も面白いです。誘拐時に幼女を脅かす手段にしたり、手に持っていた宝石の袋を奪わせたりと、なかなか手が込んでいます。
そのシェパードを追い詰め、見事に手なずけたのが叶刑事(夏夕介)。特捜最前線では一貫した犬好きというキャラになっていますが、その設定を見事に生かしたシーンと言えるでしょう。
橘が示した「人の命の重さ」
このドラマはトリックの部分に目がいきがちですが、 人間性の部分にもクローズアップしています。その顕著なシーンが、捜査に行き詰った特命課のなかで、橘刑事が起こした行動に見られます。
手にプレゼントの包みを持つ橘。その意図について「不吉なことを考え、つい弱気になってしまう。この誕生プレゼントを俺は渡してみせる。あの子を救い出してからな」と、若手刑事たちに語るのです。
橘は、母一人子一人の母親が娘を案じる気持ちをを誰よりも理解し、「人命より重いものは無い」と考えていました。だからこそ「絶対に救出する」という気持ちを奮い立たせたかったのでしょう。
高価な宝石が大事だからと、義理の妹の娘の命がかかっているにもかかわらず、あえてイミテーションを渡した評論家。それが人間の弱さであり、エゴでもあり、やみくもに非難すべきではありません。
評論家の行為があったからこそ、橘の信念、もっと言うならば脚本家や演出家の主眼である 「人の命は地球よりも重い」というテーマを、より一層際立たせてくれたのだと思います。
ちなみにラストでは、橘にならった特命課全員がプレゼントを置いていくシーンを描いています。後味の悪いストーリーが多い特捜最前線のなかでも、すがすがしいエンディングと言えますね(笑)
ドラマで幼女役を演じているのは子役時代の 岩崎ひろみさん。大人になってからもNHK連続テレビ小説や大河ドラマに出演するなど、本格派の女優として活躍するようになります。
恐怖におののいたり、泣き出したりするだけでなく、犯人の男をにらみつける演技は、なかなかの芸達者ぶり。岩崎さんの熱演あってのドラマだといっても決して過言ではありません。
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