ナツノナカノです。
さて、今日はパタリロ! 83巻のお話です。
パタリロ! 83 (花とゆめCOMICS)
この巻はですね、作品的には傑作!!というものはないのですが、(あくまで私の感想です。心を震わせ続けた60巻くらいまでの、情動といえるような心の震えを伴う感動回が少なくなってきた…という事です)しかし、 83巻の作品ラインナップを見ていただけますか。
○誰が殺したクックロビン
○推理の天才
○絶望をひとつ
○紅はこべ
○芋—ショナル
気になるでしょう?特に二番目「誰が殺したクックロビン」ですよ。
往年の名曲「クックロビン音頭」についてはみなさんご存知だと思います
♪あっそーれ 誰が殺したクックロビン♪誰が殺したクックロビン♪
もともとはマザーグースの童謡ですね。それを萩尾望都先生が「ポーの一族」の中の “小鳥の巣”で引用。それをさらに魔夜先生の手によって軽快な音楽をつけられたものです。マザーグースの詩では「誰がこまどり(クックロビン)を殺したの?」から始まり、「それは私よ」とスズメが罪を告白するのです。「私の弓と矢で、こまどりを殺したの…」マザーグースではこの後、特にスズメを断罪することなく身近な生物たちによって淡々とお葬式の手順が決められていくわけです。そして最後に可哀想なこまどりのお葬式、弔いの鐘が鳴りそれをみんなで悲しい気持ちで聞く…というような終わりなのです。
今まで何度となくパタリロ!において出てきたこのクックロビン音頭。巻数が増えるに従ってあまり登場する機会も減りましたがこの 83巻で久しぶりにパタリロが踊ります!踊ってくれます!
しかもこの「誰が殺したクックロビン」の回に久しぶりにプラズマXが出て来るんですよ。天才科学者パタリロが作ったヒューマノイド型ロボットですね。心優しいお父さんの側面もあるロボットです。
なぜ、プラズマが出てきたかというと、プラズマはずっとダイヤモンド鉱山で“サルバトーレ=ゴリオン”という名前のおじいさんと仕事をしていたわけです。ところがそのおじいさんが鉱山での事故で骨折して中央病院に入院してしまったのです。それでプラズマも一時的に宮殿に帰ってきていたのです。
しかし数日後、中央病院の院長が密室で弓矢により射殺されているのが発見されました。そして容疑者としてゴリオンおじいさんが容疑者として浮上するのです…ちなみに院長の名前は“エスパーダ=ペティロホ”でした…
犯人はもちろんゴリオンおじいさんなのですが、そこには悲しい過去がありました。
そして真実を知ったパタリロは温情判決を下すのでした。
この 83巻ですが、「絶望をひとつ」も面白かったですね。小さな幼女失踪事件。残されたメモにはたった一言“絶望をひとつ”と書いてあるのです…
「絶望をひとつ」ってタイトルが秀逸ですよね。私はこのタイトルを見たときにうなりましたよ(笑)
それでは、今夜はこの辺で…
あぁ漫画って面白い!
タグ: 小鳥の巣,クックロビン音頭
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