・ 1.はじめに
・ 2.阿武隈急行について
・ 3.要望している車両更新費用について
・ 4.この路線を活かす方策(私案)
まず、阿武隈急行について、簡単に説明したいと思います。
この路線は、福島県の福島市と宮城県の柴田町槻木を結ぶ約50kmの鉄道です。阿武隈川沿いを走る路線で、広域的にみると、JR東北本線と並行している路線です。
報道によれば、阿武隈急行は、沿線での少子高齢化を背景に乗降客の減少傾向が続き、累積赤字が10億円を上回るなど厳しい経営状況が続いているようです。
このため、会社では、約30年間、使い続けている車両の更新費用が一切捻出できないとして、福島県、宮城県の両県と、沿線の5つの市や町に資金援助を要望しているとのことです。
現在のダイヤを維持するためには、20両の更新が必要で、その費用は総額40億円余りになると試算しています。一部は国の補助金を充てて、それ以外は自治体からの援助で賄いたいとしています。
この阿武隈急行で用いられている車両は、下の写真のとおり、制御付きの2両編成で構成されています。報道では30年間使い続けているとのことですが、まだ30年しか経過していません。私が疑問に思ったのは、一度に全て更新すべきかです。20両の更新で費用が40億円ということは、2両編成で4億円です。制御付きの車両が2両ですので、金額は妥当かな?と考えています。
ただし、足回りや部品を更新すれば、もっと延命して使えるのはないでしょうか。急行型でセミクロスシートの車両は貴重なので、今の車両を使い続けてほしいです。
仮に、JR等で利用された中古車両を購入すると、1両あたり1,000万円程度で済むようです。丁度、JR東日本で入れ替えに時期となる以下の車両を購入するという方法もあります。JR西日本ではまだ国鉄時代の列車たちが現役で頑張っていますので、中古で凌ぐのも手かと思います。
下の車両を流用するのも手ですが、基本編成は4両のため、2両編成にする改造が必要。
下の仙台地区の車両は、オールロングシートなので、セミクロスシートを導入したい。
今回の本題です。
この路線は広域的にみると、仙台と福島を結ぶ路線の一部です。阿武隈急行の現在のダイヤパターンは以下のとおりです。
・福島〜梁川・富野間を走行するダイヤ
・梁川・丸森〜槻木間を走行するダイヤ
・福島〜槻木間を走行するダイヤ(朝の1本のみ仙台まで直通)
の3つのパターンで構成されています。
下の図は、福島からの所要時間と距離をグラフで表したものです。青い線が「阿武隈急行」、オレンジの線が「JR東北本線」です。グラフをみて判りますが、福島からの距離はほぼ同じです。ただし、阿武隈急行は停車駅数が多すぎること、福島〜槻木間を乗り通すと、73分もかかってしまうノロノロ電車です。
どの区間がボトルネックとなっているか、赤丸で記してみました。福島県側では卸町〜梁川間、宮城県側では丸森〜槻木間で速度が遅くなっています。本数は1時間に1〜2本のペースで走行していますので、決して少ない本数ではありません。ただし、これだけノロノロ走られると、駅に向かうより、車で目的地まで行ってしまいます。
しかし、この路線でも割と高速で走行する区間が存在します。兜〜丸森間はJR東北本線に匹敵する速度で走行しています。
JR線から客を奪うためには、例えば、兜〜丸森間並みの速度で走行できる「超快速」のような列車を走らせることも方策として考えられると思います。
兜〜丸森間の速度で全区間を走り、停車駅を保原、梁川、丸森、角田に絞るとJRよりも早く到着できます。JR東北本線の運行パターンは、福島〜藤田・白石、白石〜仙台、福島〜仙台(快速あり)の3パターンです。白石で仙台に折り返す列車が多いことが特徴です。
このため、福島〜仙台間を直通する列車は1時間に1本程度です。
上記の阿武隈急行の超快速を白石で折り返す列車のダイヤとうまく合わせれば、福島〜仙台間を乗る客も見込めるのではないかと考えています。
料金の差ですが、下表のとおり、阿武隈急行を利用しても60円程度高いだけです。この差は経営努力で差を縮めることが可能かと思います。もっと安く出来るのではと思います。
補助金や自治体の援助で資金援助に頼るだけではなく、地理的な利点を活かしたダイヤ構成を考えても良いのではと思った次第です。
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兜〜丸森間と同じ速度で走るにも他の区間のレんでしょうね。ールが耐えられません。梁川より北はなおさら。福島〜卸町はともかくその後は駅の間が短いように思えます。