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2018年01月03日

太田道灌(おおおたどうかん)

こんにちは

しばらく顔見なかったな
まあまあ上がれ

ご馳走さまです。

何がだ?

いや、飯(まんま)をあがれって

そうじゃない
こっちに上がれ

そですか
陽気な上がろうか、陰気に上がろうか?

陰気は嫌いだ陽気に上がれよ

よっこらどっこいしょ
さぁ殺すなら殺せ!

誰が殺すか
お前を殺しても罪になる

人が来たら茶くらい出るけどな・・

催促するな
今出そうとしたところだ
ほら粗茶だ

どうも、、
うん、いい祖茶だ

お前が粗茶って言うな
まぁお前に言われて腹が立たないのがおもしろいな
まぁゆっくりと遊べ

あんた退屈せんか?

退屈もあるけど、
わしにも道楽が一つあって書画で楽しんでる
どうだ後ろの屏風

うわぁ汚い屏風だな
なんか古い絵をベタベタはって

お前に見せたら適わないな
これは名人が描いた絵ばっかりだぞ

そうか、値も高いな

値のことは言うな
銭金で買えないものがここに描いてある

左様か、じゃちょっと見直そうか
変わった絵が書いてるな

どこが変わってる?

侍がなんか唐人傘みたいなのを持って、虎の革の股引はいて。その下で女の子がペコペコ謝ってるな

これが有名な太田持資(おおたもちすけ)じゃ
後に太田道灌となる人だ

あぁあの

知ってるか?

おおた事もなければ、どうかも知らん

洒落を言うな
太田道灌はなかなか名将でな
遠出したところにわかの村雨だ
雨宿りするところがない
ふと見たら向こうにあばら家があったな

いや売れないだろ
油屋

油屋じゃないあばら家
壊れかかった家のことだ
そこに立ち寄って雨具の借用を願った
するとそこから出てきたのは賤の女(しずのめ)だ

盆の上に山吹の枝を乗せて
お恥ずかしゅうと言って出した

分からない人間だな

分からないか

道灌は傘を借りたいんだろ
山吹の枝なんか出されてもな

そこだ!
太田道灌程の人間もわからなかった
名将だけども乱世に育ち、歌道(かどう)に暗かった
家来に意味がわかる人がいた
恐れながら申し上げます
兼明親王の古歌に
「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」と言うのがございます。
実のと蓑(みの)をかけた雨具の無い断りでございましょう

それを聞いた道灌は赤面をして家来と一緒にお城にお戻りになった。
侍の文武両道は車の両輪のごとし
わしは文に暗い、その他めに若い女子から恥辱を受けた
これは文を学ばないといけないと、一心不乱に勉強して日本一の歌人になった

どのくらい焼けたんだ?

なに、、?

日本一の火事になったんだろ

いや、歌の人と書いて歌人だ
そのお陰で前の歌の返しができた
「急がずば ぬれざらましを 旅人の あとよりはるる 野路の村雨」

雨具の断りは何て言うんでしたっけ?

七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき

それをあなたの持っている扇に書いてくれるか?

わしの扇にか?
まぁ良いだろう

ひらがなでな





ありがとうございます
これを持って帰り友達が雨具を借りたときの断りをするんだ
あいつ等、借りるだけ借りて返さないんだ

面白いこと考えたな
まぁお茶でも飲で行くか?

いや、だいぶ曇ってきましたので
雨が降る前に帰ります
さようなら


なんでも知ってるなぁ
一つ利口になった
それにしても雨が降る前に帰ってきて正解だった

居るか?

来たな道灌め

なんだどうかん?

こっちの事とだ
お前はモノを借りに来たな

おっ良くわかったな

傘だろ?

いや、傘は持ってる
提灯を借りに来た

へ?
提灯なんかどうするんだ?

提灯どうするって、暗いから足元照らすに決まってるだろ
提灯貸して

提灯は無い

無いって後ろにつってあるだろ

しようがない
雨具を貸せって言ったら貸す

いや、雨具は持ってる

持ってても言え
雨具貸せって言ったら提灯を貸す

どうかしてるな
傘貸して

傘じゃない、雨具

面倒くさいやつだな
雨具貸して

お恥ずかしゅう

なんて、声を出してるんだ
え?扇を見ろって?
「ななへやへ はなはさけども やまぶきの みのひとつだに なきぞかなしき」
なんだこれは都々逸(どどいつ)か?

これを知らないなんてお前は歌道(かどう)に暗いな

角(かど)が暗いから提灯を借りに来たんだ


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posted by 落語の世界 at 07:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 落語

2017年12月31日

加賀の千代(かがのちよ)


ちょいとお前さん
ちょいと・・ちょいとお前さん!

えっ

えっじゃないよ
ぼんやりしているけどね、今日は大晦日だよ
大 晦 日!!!


分かってるよ
そこでお前が顔中口にして「大晦日!!!」って言わなくたって
世間中どこに行っても大晦日だよ

明日はお正月なんだよ

えっ??

なんで今日の大晦日が分かってて
明日のお正月でえっ??って来るんだよこの人は・・・
ねぇどうすんだよ

なにが?

なにがじゃないよ
方々の店から支払いをして下さいって付けが山になってるだろ
この付けの山がお前さんの目に入らないのかい?

入らない
俺の目は紙くず籠じゃない

何言ってんの
見えないのかって言ってんの

見えてるよ

どうすんだよ

払ってくださいって言ってんだから
払うしかないじゃないか

払うしかないじゃないかって
あたしはお足がないんだよ

あたしもお足がないよ

両方で無いんじゃしょうがないじゃないか
しょうがないから井上のご隠居さんの所に行ってお足を借りてきておくれ

ご隠居さんのとこで?
それは駄目だよ
あのご隠居さんはのべつ借りにいってんだ
今日も行ったらまた来たのかって怒られちゃうよ

大丈夫だよ
井上のご隠居さんはお前を可愛くってしょうがないから

そんなことねぇだろ
子供でもねぇ孫でもねぇ可愛いわけねぇ

そういうもんじゃないんだよ
子供だから可愛い、孫だから可愛いってもんじゃない
お他人様でも気性が合えば引き立っても下さる
人間ばかりだけじゃないよ犬や猫をご覧
可愛がる人は膝に乗せたり懐に入れたり
自分の子供以上じゃないか

へぇ

生き物だけじゃないよ
植木だってそう朝顔だって可愛がる人がいるんだから

朝顔?
膝に乗せたり懐に入れたり・・・

いま私たち夫婦に必要なのは笑いじゃなくってお金なの
分かってる

うすうすと・・

分かってるんだったらちゃんと話を聞きなさいよ
あのね昔こんな話があるの

 加賀の国にお千代さんって人がいてね
 この人が大変歌がお上手でね国中の評判
 この評判が加賀の国のお殿様の耳に入ってある日
 御膳にしこうせよっと御達しがあったんだよ


しこうせよったってねあんなのは言われてすぐ出来るもんじゃないよ
俺だってね、いっぺんしか出来たことねんだから

なに?

四光 (しこう)だろ
松に坊主に桜に桐・・・

花札の話をしるんじゃないの
お殿様の前に出ることを伺候(しこう)って言うの

雨が降ると五光っと言うの

真面目に聞いておくれよ

 お千代さんがお城へ上がる
 広い座敷へ通されて頭を下げて待っていると
 目の前の御簾が上がると加賀のお殿様

 千代
 苦しゅうない面を上げい

 お千代さんが恐る恐る顔をあげてみると加賀のお殿様
 梅鉢のご紋が付いていたからその時とっさに詠んだのが

 見やぐれば香りも高き梅の花

 これを聞いて殿様はお喜びになり
 お褒めの言葉だけではない
 大変なご褒美まで頂戴した
 また国中の評判となったそうだ


・・・朝顔どうしたの?

これからそういう話になるんだよ

 ある夏の日お千代さんが水を汲みに井戸に行くと
 井戸の釣瓶(つるべ)に朝顔がつるを撒きつけて花が咲いていた
 井戸の水をくむにはつるを切ったり花を捨てなくてはいけない
 そういう事をするのはしのびないと方々から水を貰って歩いた
 この時に詠んだのは

 朝顔に釣瓶とられて貰い水

朝顔にだってこれだけ可愛がる人がいるんだから
ご隠居さんがお前のこと可愛がるの分かる話だろ

俺は朝顔か・・・
じゃなにご隠居さんの所にいくら借りてくればいいの?

そうだねぇ
二十円貸してくださいっと
そう言ってきておくれ

二十円!!それは駄目だよ
井上のご隠居さんはいつも行っても一円か二円しか借りねぇんだよ
それを二十円って言ったら驚いちゃうよ
あまり心の臓が強くねぇんだから
二十円ないと勘定が追い付かないの?

そうだねぇ
この付け全部で八円五〜六十銭だから
十円あればなんとかなる

じゃ十円って言わせてくれ
そのほうが俺も頼みやすい

それがものが分からないって言うんだよ
八円五〜六十銭の勘定のところに十円貸して下さいって言ってみなさい
お前は度々の事だから半分の五円にしておけって言われたら
たすきに短し帯に長しでしょうがないだろ
だから二十円って言って半分になっても勘定が追い付く
これが掛値って言うんだよ良く覚えておきなさい

分かりました
じゃ行ってくるから

ちょいと今日はね手ぶらで行くんじゃないよ
これをご隠居さんの所に持ってって

なに・・えっ町内の菓子屋の饅頭
駄目だよ町内の饅頭は皮ばっか厚くってあんこが少ししか入ってないんだよ
ご隠居さんのところはね、隣町の饅頭屋で買うんだけどこれはうまいよ
あんこの周りに皮の薄〜い饅頭でうめぇんだ
こんな饅頭を持って行っても

あのね食べても食べなくてもいいの
今日は義理をかけに持って行くんだからね
こんなもんでも持っていったら嫌だとは言えないだろ
向こうに行ったら女中のお清さんが出てくる

そうしたらねいきなりこれを出すんじゃなくって
「ご隠居さんはいらっしゃいますか?」って聞くんだ
それでいるって言ったらこれを差し出して
「これをご隠居さんのお目にかけてください」
いないって言ったら渡したらいけないよ

そうですかって言って町内を一回りしてきて
頃合いを見計らってまたご隠居さんはいらっしゃいますかって聞きなさい
ご隠居さんが戻ってくるまで町内をグルグルと回ってないといけないよ
いいかいしっかりやっておくれよ
今日お金を借りられないと年が越せないからね

へぇい



うちのかかぁいろいろ知ってるね
朝顔に釣瓶とられて貰い水
うめぇこと言うなぁ



こんばんわ

は〜い
あら、まぁ甚兵衛さんじゃないですか
お久しぶりです

ご隠居さんいますか?

はい、いますよ

いなければいないって言ってください
町内ひとまわりしてきますから

別にそんなことしなくってもいいんですよ
いるんですから

これをご隠居さんの目にものを見せてください!




あのご隠居さん、甚兵衛さんが

なんだい甚兵衛さんが来た
あぁなんだい久しぶりだなぁ
こっちへ通して・・・なんだいそんなものを持ってきたのか
これは気を使ったな
あとでお茶と一緒に出してあげなさい

あぁ甚兵衛さんか久しぶりだなぁ
いいからそこへお座りよ

お前は変った男だ
来るとなると日に二度も三度も来るのに
来ないとなるとまるきし顔を出さない
私はお前さんのことが好きなんだ
日に一遍はお前の顔を見ないとどうも体の塩梅が悪い

聞いたらうちに何か持ってきてくれたそうだね
いいんだよ気を使わなくっても

あたしもそんなの持っていくことねぇって言ったんですけどね
かかぁが今日は義理をかけるために持って行けって言うから
しょうがなく持って来たんですよ

そういうとこが好きだよ・・・
なんていうかねぇ
まるっきり腹には隠しておけないむき出しの優しさって言うのかな
とげのある優しみって言うのかねぇ
そうだお前が持ってきてくれた饅頭を食べようじゃないか

いえ、いりません

いやいや遠慮しなくってもいいんだよ

遠慮じゃないんです
どうせ食べるんだったら戸棚の中に入ってる
隣町の饅頭食べたいんですけど

たまらないなぁお前は、あぁ結構だ結構だ
お清、お清、戸棚の饅頭を出して

どうせならね手前より奥の方が新しいから奥のを

あぁ奥の・・・うん
しかしお前がそういうものを持ってきたところを
見るとまぁ大概のことは察しがついた
お前また仕事を怠けたろ
良い腕してるのに惜しい男だね
それでこの暮れになって勘定が追い付かなくなって
私のところにお金を借りに来たってわけかい

そうなんです

そうかいわかったわかった
でいったいいくら要りようなんだい?

それなんですよ
今日は普段と違うので驚かないでもらいたいんですよ

はいはい、別に驚かないよ
いくらかそう言ってごらん

本当に驚かないで下さいよ

別に驚きはしない
はやくそう言ってごらんよ



お前がどきどきしてどうするんだよ
いくらかってそう言ってごらん

二十円貸してもらいたいんです!!

あははは
なんだいお前が驚くなって言うから
ちょいと構えてしまったじゃないかい
二十円あればいいのかい
はいこれ二十円持っていきなさい

いっいや!違うんです違うんです!!
本当は二十円なんかじゃないんです!!!

なんだいこっちは耳が遠いんだ
はっきりと言っておくれ
なんだい百二十円あれば足りるのかい

あのなんですね!
ご隠居さんは案外ものの分からない人なんですね!

なんだなぁちゃんと言ってくれないと
じゃ二百二十円あれば・・・

しまいには怒りますよ!!!!

怒らなくっていい
まぁまぁいいから落ち着きな
ちょいと待ちな
お清!お清!!!
ちょいとせがれの所に行っておくれ
なんだかね甚兵衛さんが暮れの支払いで大変なことになってるんだ!
急いで行って店にあるお金をありったけこっちに持ってくるように
えっいやいや後のことはなんとでも始末をつける
急いで行っておくれよ!
本当はいくらあればいいのか、ちゃんと言ってごらん

八円五〜六十銭


お清ょ〜行かなくっていいよ〜
どうしてそう前はそうめんどくさいんだい
八円五〜六十銭の勘定だったら上を見て十円って言っとけばいいじゃないか

それがものが分からないって言うんですよ
八円五〜六十銭の勘定のところに十円貸して下さいって言うとね
お前は度々の事だから半分の五円にしておけって言われたら
いのちみじかしこいせよおとめで、どうにもならないでしょ
だから二十円って言って半分になっても勘定が追い付く
これが掛値って言うんだよ良く覚えておきなさい
これからもあることだから

これからもあるのかい??
そうかそうかぁわかったわかった
うんうんうん
お清ょ横を向いて笑いなさい
はい改めてな十円あれば足りるんだな

ありがとうございます
十円出てきた
やっぱり俺は朝顔だ

なんだい?

朝顔に釣瓶とられて貰い水
さようなら

おい・・ちょっ待ちな待ちな
おまえ何か妙なこと言ったな
朝顔に釣瓶とられて貰い水・・・はてどこかで聞いたような
・・・わかった!
加賀の千代か?

ううん
かかの知恵




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posted by 落語の世界 at 17:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 落語

2017年12月13日

ケチな亡者

余りにもケチが過ぎると罪になるそうでして
死後、閻魔様の裁きを受けて黒闇地獄に送られる

ここは明かりが全くない真の闇です

さぁここに入れ!

鬼が付き出すとケチな亡者がすっと歩きはじめた
大概は一足も出せない状態なのにどうも様子がおかしい

よく見てみると爪で火をともしていました。

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2017年12月05日

初めまして?

初めまして?

今まで落語のあらすじを掲載してますものです。ハンドネームが、どうしようか。

掲載の更新が遅くなってしまってすみません
今年になり結婚をし、妻が妊娠と退職、私の勤務先が変更になり、それに伴い家の購入(進行中)。

昨年の私には想像もつかない一年でした。
私もまだ30代前半なので、気長に更新していきます。好きな落語や簡単な分かり易いものから掲載していきます。

末永くよろしくお願いします。
posted by 落語の世界 at 22:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談

2017年12月04日

釣りの暇人

暇な奴がいたもんだ

どうした?

釣りをしてるのはまぁいいけど、
それを後ろで見てるやつがいるんだ
釣れたって自分の物になるわけじゃないのになぁ

そんな奴はいくらでもいるだろ

いくらでもいるって話じゃないんだよ
そいつは三時間もずっと見てるんだ

嘘だよそれは
そんな奴はいないよ

いや、嘘じゃないよ
だって俺は橋の上からずっと見てたんだから
posted by 落語の世界 at 21:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小噺

2017年11月26日

粗忽の傘

あぁ、、雨に降られてずぶ濡れになちゃったよ
ここの店で傘を借りようかな


こんにちは
申し訳ないのですが急な雨でして、
傘をお借りできないでしょうか?

それは災難でしたね
これ、傘を出してあげな
今出しますので

いえ、ここにあるのをお借りします

あ、ちょっと!
それは傘ではありませんよ
おいおい、それはほうきだってば
・・・行っちゃったよ


借りて助かったよ
なんだ、これは?
あまりにも雨がひどいから傘がほうきみたいになっちゃった
posted by 落語の世界 at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小噺

2017年11月11日

後家

おい、煙草屋のわきを見て見ろよ

おぉいい女だな
男が見るとぞくっとする

お前知ってるんだよ

いや、知らないよ

ほら、あの乾物屋の後家さんだよ

え?
亭主が生きている時分に買い物に行ったことが在ったけど
あれほどいい女ではなかったぞ

そこだよ
女って言うのは亭主が死んで独り身になる
頬がやつれた所に紅を指したりすると色っぽくなるものだ

へぇ後家になるとあぁも色気が出るのか
悔しいな
俺の女房も後家にしたい


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タグ: 後家
posted by 落語の世界 at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小噺

2017年11月09日

死神(しにがみ)

お金は出来たのかい?
黙ったってわからないよ
出来ないのかい?!


あきれたねぇ
それで帰って来たのか
どうするんだよ?

出来ないものはしょうがないだろ

僅かばかりのお金も用意できないのかい
お前みたいな意気地なしは豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまいなさい

いやぁお前ね
いくらなんでも豆腐の角に頭をぶつけて

死ねるよお前みたいな意気地なしなら
お金を用意できないなら家に入れないからな
出ていけ!!!


気の強い嬶(かかあ)だな
それにしても豆腐の角に頭をぶつけて死ねって言うのはいいけど
お前なら死ねるよって言い方は無いよな
銭が出来ないのってこんなにも辛いんだな
嬶にもうるさく言われるし、、、もう疲れたし死のうかな
どうやって死のう
川に身を投げようかな
いや、七つの時の井戸に落ちて、がばがば水を飲んで苦しかったな
なんか苦しまずにする方法は無いかな

立派な木だな
そうだ首をくくろう
しかし首ってどうやってくくるんだろう

教えてやろうか

え?!
誰だい?

俺だよ

木の陰から出て来たのを見ると、歳はもう八十以上にもなろうか
頭の毛がうっすらと生えていて、鼠色の着物をから前がはだけていて
あばら骨が一本一本数えるように痩せっこけている
藁草履をはいて竹の杖をついた貧相なおじいさん


教えてやろう

なんだ

死神だよ

え?死に・・
ここに来たら急に死にたくなったんだ
お前の仕業だな
そっちに行け

まぁまぁそう嫌うなよ

俺は行くよ

まぁ待ちなよ
お前が足で逃げても俺は風に乗って飛んでいけるんだ

こっちに寄るなよ

そう、邪険にするなよ
俺とお前とは昔に縁が在ったんだ
お前大分困っているようだな
助けてやるけどどうだ

いいよ、大丈夫だから

人間って言うのは死にたくっても寿命があればどうしても生きてしまう
逆にどんなに行きたくっても寿命が無ければ死んでしまう
お前はこれからまだまだ十分な寿命が在るから安心しろ
お前に良い事を教えてやるから医者になれ
儲かるぞ

医者って言われても脈の取り方を知らない

脈なんてどうでもいい
お前が命を救えば立派な医者になれる
他の者には分からないけど、お前には見えるようにしてやった
長の患いをしている患者には枕元か足元に必ず死神がいる
足元に座っている病人はまだ助かる見込みが在る
しかし枕元に座っている場合は寿命が尽きているから手を付けたらいけない
足元に座っていたら、お前が死神をはがす呪文を唱えるんだ

呪文ってな、なんです・・・

お前に教えてやるが人に教えてはいけないぞ
いいか
「アジャラカモクレンコウエイヘイヘケレッツノパ」
と唱えて手を二回叩くと死神が帰らないと行けないんだよ
それで病人を治せばお前は立派な医者だ

もう一回教えてください
・アジャラカ、え?モクレンコウエイヘイ、、、ヘケレッツノパ
で手を叩くのか
パンパンっとこれで良いのか?
おい?どこ行った?
死神さん?

そうか呪文を唱えたら帰ったのか
これは良い事を教わった


家に帰って来てかまぼこ板の裏にカナで「イシャ」っと表に出しました
こんなことで患者が来るのかと思っていた矢先に


ごめん下さいまし

へぃ!
米屋さんですか、今月は勘定は無理なんですよ
来月まで待ってくださいよ

いえ米屋では御座いません

あぁ酒屋さん
来月には必ず払いますので

酒屋ではありません

八百屋さん?ちがうの
乾物屋さん、そば屋さん?

方々に借りが在るんだな
こちらはお医者様では?

あ!そうだった医者だよ
なんですか

手前は越前屋白兵衛の手代で御座いますが
主人が長病で御座いましていろいろな先生に見て貰いましたが一向に良くなりません
大変当たる易者がおると言うので見て貰いましたところ
辰巳方角で一番最初の看板に目が付く先生に診て貰えば助かると言う易でして

えぇそうなんだ
じゃ行きましょうか

先生は?

私ですが行きましょう


頼んでみたものの風体が良くない人物で不安になる
店に行って話をして薬さえ飲ませなければ間違いはなかろう
診せるだけにしなさい

病人の部屋に案内されましたが、死神が足元におりました

ぉ足元だ、しめた!

え?何か仰いましたか?

いえいえ何でも御座いません
それでは、治せばお礼の所は貰えるのでしょうね

それは如何様にでも

私はね、術を使うんですよ
アジャラカモクレンコウエイヘイヘケレッツノパ
パンパン


死神をすっと離れると、今まで唸っていた病人が


おい、お茶を一杯くれ
喉がカラカラだ

お腹すいたなぁ

主人がお腹を空いたって申しておりますが
やはり病人なのでお粥など

何でもいいですよ
うな丼でも牛丼でも

え?
それではお薬を

あああぁ薬ね
じゃ家にいらっしゃい


家に帰りますと大根の葉っぱを細かく刻んで


お待ちどうさま

これは煎じるのでしょうか

煎じても茹でても

どういう風に

まぁ二杯を三杯にすればいい

この薬は増えるのでしょうか?

三杯でもまぁいいよ


これを飲ませるとケロッと治ってしまう
あの人は名医だと噂が流れまして
それでは私の所に、手前のところにっと引っ張りたこ
大抵は足元に死神が居る

たまたま枕元に座っていたらあぁこれは寿命です諦めてください
と敷居をまたいだ途端に病人が息を引き取る
生き神様ではないかと偉い評判になりました。

今までは裏でくすぶっていた奴が表に出て邸宅を構え
着たい物を着て、食べたいものを食べる贅沢な毎日
そうなりますと小じわが寄った女将さんなんか面白くない
乙な妾を置きまして、女将さんが口うるさく言う者だから
子供を付けて金をやるから別れよう


ねぇ先生。
上方見物に行きたいと思っているのよ

上方見物いいねぇ
世帯をしまっていこう

すっかり金に換えて上方見物
あっち、こっちへ金に飽かして贅沢三昧しました。
金は使えば無くなりますもので、惚れた相手じゃない
向こうの方からどっかへ消えてしまいました。

ぼんやりとして帰ってきました
また看板を掲げて医者を再開しましたが、どうしたことか患者が全く来ない
たまたま、頼まれていくと死神は枕元に座っております。
そのうち、麹町の伊勢屋善右衛門という金持ちで御座いまして
勢い込んでやってくると枕元に死神が座っている


折角ですが、この病人は寿命が無いのであきらめてください。

先生、そこを何とかお骨折りを

お骨折りと言っても寿命が無いものは

ですけれども、先生のお力で・・・
誠に失礼でございますが三千両までご用意いたしますので何とか

三千両貰ってもねぇ
寿命が無い物は仕方がないんだよ

では如何で御座いましょう
二〜三か月で構いませんので寿命を延ばして頂けましたら
五千両までお礼を致すのですが

金は欲しいのですが・・・・
どうにもならないのですよ
諦めてください

・・え?へい、そうかい
如何でしょうか
ひと月で構わないのですが一万両は如何でしょうか?

一万両ね!
何とかしたいんだよね
少し待っておくれ・・・
ここの家に力が在って息の合う人が四人ほど居るかい?

何人でも

いやいや、四人で大丈夫なんだ
病人が寝ている布団の四隅に一人ずつ座らして
私が合図をする、膝を叩こう
そうしたら、布団を持ち上げてぐるっと回してくれ
分かる?
頭の方が足になって、足の方が頭になるんだよ
これは一回しくじったらもう出来ないからね


万事支度をして死神の様子を見ている
夜が更けるにしたがって死神が目が異様に輝いてくる
病人が偉く苦しみ始めている
そうするうちに夜が明けてきて昼近くになりますと
死神だってそうそう張り切ってはばかりではいられない
疲れと見えまして居眠りを始める
病人も落ち着いてすやすや寝ている様子

ここだなっと思うと目配せをして膝をパッと叩く
寝ている布団がぐるっと回り間髪を入れず

アジャラカモクレンコウエイヘイヘケレッツノパ!!
パンパン!!


死神が驚いたのなんの
飛び上がって消えてしまいました
病人は今までと様子が変わって快方に向かいました


先生、有難う御座います
御礼金はご用意いたしますので


早速礼金が届きましたので、表に出かけて一杯ひっかけて


ありがたいなぁ
人間って言うのは苦しくなってくると知恵が出てくるな
死神の顔ってなかったね

・・・・バカやろう
なんであんなことをした?

え??
あっどうも暫くで

なんで俺にあんな真似をするんだ?

あなただったんですか?
死神さんは皆さん顔が似ているからな
分からなかったんですよ

まぁまぁしてしまったものはしょうがない
俺と一緒に来い

え?
勘弁して下しいよ
死神仲間たちにつるし上げにされるんでしょ

なんでもいいから来い

ここへ降りな

なんですか石段が在る
勘弁してくれよ

早く来い

危ないよ
落っこちてしまうよ

大丈夫だ
ここを見ろ

あっ!なんですか
随分ロウソクがついてますね

これはみんな人の寿命だ

そうですか
人の寿命はロウソクの火のようだって言いますが
大したものですね
長い物から短いものまで

ここにロウがたまって暗くなっている物が在りますね

そういうのは患っているんだ
ロウを払って火がスゥっと立つようになると元の通り体が良くなる

病人ですか
ここに恐ろしく長く威勢のいいのが在りますね

それはお前の倅だ

へぇそうですか
奴は丈夫なんですね
ここに半分くらいで威勢のいいのは?

あぁあの嬶ですか
ここに今にも消えそうなのは?

それはお前だよ

嘘だよ、冗談は

お前だよ

だって消えそうになってるよ

消えれば死ぬ

だ、だって前に会った時はまだ寿命が在るって言ったじゃん

教えてやるよ
こっちに半分より長く威勢のいいロウソクが本当のお前の寿命だったんだ
金に目がくらんでお前は寿命を取り換えたんだ
もうじき死ぬよ

そんなこと知らないから
お金は返しますので寿命を取り換えてください

いったん取り換えた寿命は駄目だ

そんな事を言わないで
お願いしますよ

後生だからお願いしますよ

しょうがねぇ野郎だな
ここに灯しかけがある
それと繋いでみな
上手くいくと寿命が延びる

こ、これに・・つなげば

早くしないと消えるよ
震えるなよ

黙っててください

早くしないと消えるよ



消えるよ



消える・・


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タグ: 医者 お金
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2017年11月06日

手遅れ医者


手遅れ医者っという医者がございまして
なんでも手遅れのせいにしてしまう
まず病人を見まして親御さんを別室に呼びまして


手前が見たところ御病人は手遅れですな
一に看病、二に薬と申しますから
何事にも親御さんの看病が肝心です
私もできる限りのことをいたしましょう


これから怪しげな薬を盛りまして
病人が死んでしまっても先生が手遅れとおっしゃっていたので
手遅れのせいだということになります

これが間違って治ってしまったら
あの先生は御名医で手遅れを治してくれた
と言う事になりどちらに転んでも間違いがないようです
しかし、うまくも行かないときもありまして・・・


おう!
こっちこっちだ!ここに担ぎこめ!

先生すみません。こいつを見てもらいてぇんですけどね

うん、どうしたな

二階から落ちてね目をまわしてるんだ
ちょっと見てください

そうかい・・・それはいけないな・・・
これはもうすでに手遅れだよ

落ちてすぐに連れて来たんですが

落ちる前に連れてこないと・・・



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タグ: 医者
posted by 落語の世界 at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小噺

2017年11月05日

元犬(もといぬ)


犬の中に白犬というのは少なかったようです
白犬だなと思っても差し毛があったりして滅多にありません
白犬というのは人間に近いといいますが
いつの頃ですが浅草の蔵前の八幡様の境内に白犬が紛れ込んで来まして


おっ、この犬は本当に白いね、シロ可愛いねぇ
お前は今度は人間に生まれ変われるからな


つむじを撫でられるとシロは考えてしまい

おれは人間になれるのかね?
だけど今度の世って言ったな
今度の世じゃやだなぁ、今なりたいな人間に
八幡様にお願い申してみよう!


と言って八幡様へ三・七、二十一日の間
裸足参り入りを行いました
満願の当日になりますと何処から吹いてきた風のために
このシロの毛が飛んで人間になってしまいました


おぉ人間だ!!有難いねぇ〜
人間になると手が自由になってね有難いね立てるんだなぁ
立ってもな猿股も何もないんだよな
裸じゃどうしようもないよ弱ったな・・・
八幡様の奉納の手拭いを繋いで腰に巻きつけてっと
人間になったからにはどこかへ奉公しないとな
けど知っている人は誰もいないんだ

あっ向こうから来たのは上総屋の旦那だよ
旦那!!こんにちは〜!

誰だい

あたくし

おや?!色が真っ白な奇麗な若い人だね
どうして裸でいるの?
悪い奴に騙されたんだろ
腰に巻きつけてあるのはなんだい
奉納手拭い?もったいないことを
どうしたんだい?

奉公したいんですが世話して下さい

奉公?正直そうな人だから世話してあげよう
じゃ私の所へおいでよ
私の羽織を貸してあげるからこれを着な
羽織を着るの・・えっ羽織を着たことがない
被ってたら駄目だよ手を通してごらん


あそこだよ私のうちは
上総屋(かずさや)といってね
暖簾が掛かっているから一緒においで

じゃ伺います

おいおい這うんじゃないよ

手がむずむずしちゃってね

おかしいねどうも
あそこの家に付いて回ると台所の方になるから
足を洗って上がっておくれ分かるかい?

台所はね、この間お宅の女中さんに水をぶっかけられたんです

そんなことしやしないよ
今帰ってきたよ
え、うん色の白い若い人がね奉公したいって言うんだよ
可哀想だから連れてきた

あぁそこの台所でね足を洗っておくれ
雑巾でよく拭いてね
雑巾を絞っといて置いといておくれ
・・絞った水を飲むんじゃないよ!汚いなぁこの人は
おいそんな水飲むんじゃないよ
あとそこ水が跳ねちゃったから拭いといておくれ
そうそうぐ−−と、這い具合がうまいね
ごはん食べるかい御膳
食べるごはん?

えぇ

食べるか、おしり振るんじゃないよ
今朝は何もないんだ香々で食べておくれ
えっ香々食べたことないの
じゃあ干物ならどうだい?

干物なら大好きなんです
頭から食べちゃう

歯がいいんだね

えぇ歯がいいんです
噛み合ったって負けません

噛み合わなくったっていいよ
裸だからね私のを出してやってくれ

下帯を締めてね、下帯を締めるの首に巻いてどうするの
締めたこと無い?
厄介な人だねこっちにおいでよ締めてやるから
それから今度はね地盤を着て着物を着て帯を締めるんだ
帯を咥えてぐるぐると回ってるんじゃない
帯を締めたことも無いのかい

お前はね人間がずいぶん変わってるからね
変わっている人の所を紹介してやろう
あたしの知っている御隠居さんでね
当たり前の奉公人は嫌だって言うんだ
けどわざと変わっているのは嫌なんだと
お前さんみたいな人間は喜ぶよ
そこの家にお元さんという女中がいるんだ
でねお前さんと奉公人は二人だ
仲良くやっておくれよ

あたしの下駄を出しておくれ
その下駄を履き、下駄を咥えてどうするの?
下駄を履いた事も無いの?変わっているなぁ
それじゃね出かけるよ



おいなんで唸るんだよ
猫がいる?
いたって良いだろ

良いんですけどね
あん畜生ぉ〜癪に障るから食いついてやろうと

そんなことするんじゃないよ!

髭なんか生やして

別にいいだろ
人間が猫を食いつくんじゃないよ
おいおいおい!
片足上げて何してるんだよ!!
人前だからやめなさい



柳の木がある家だ
お前さんね表で待っていて
こんにちは

こんにちは
お上がんなさい

どうも御無沙汰しまして
変わった奉公人を連れて来ました

あぁそうかい
変わった方がいいね
どこにいるんだい

あそこにおります
表で敷居にあご乗せて寝ているでしょ
あれなんです

変わっているなぁ
こっちへお入りなさい

こっちへお入り
飛び上がって入ってくるんじゃないよ
こちらの御隠居さんにご挨拶しな

こんにちは

どうも色の白い綺麗な人だね
お前は体は丈夫なのかい?
じゃ初めて来た家だから座って下さい
それでは置いてってくんな
二〜三日したら来ておくれ

じゃ二〜三日経ちましたら来ますから
お前さん辛抱してね
御免ください

おいおい!!
その人に付いて行くんじゃないよ
お前さんは家に来たんだから

馴染むとついて行きたくなるんです

いけないよ
家に来たんだから上がっておくれ
えぇあたしの所にはお元(もと)という女中がいるからね
その女中とお前さんと二人きりだから仲良く暮らしておくれ
犬も朋輩(ほうばい)鷹も朋輩と言うからな

へぇ鷹がいるんですか
どこにいるんです?
ヴゥーーー

唸っちゃやだなぁ
鷹も朋輩と言う例えだよ
お前さんは生まれはどこだね

浅草の八幡様のところ

近いんだな
あそこのどこ

豆腐屋と八百屋の裏です

あの裏にあたしの仮借があるんだ
裏のどこで生まれた

あの突き当りなんです

突き当りは、はき溜めだ

えぇ、はき溜めで生まれた

あぁはき溜めのような所で生まれたって言うんだね
それは感心だ自分を卑下してな
おっとさんは?

親父は分かんないんですよ

どうして分からないの

大勢いるのでね
どれが本当の親父かわからない
なんでも酒屋のブチじゃないかって

変なこと言うんじゃないよ
でおっかさんは

お袋はどっかから毛並みのいいのが来たからね
それにくっついて行っちゃった

お前のおっかさんが浮気者だな
それで兄弟は

三匹

三人と言いなさい
お前が一番上か、後の兄弟は

一番下の弟は車にひかれて死んじゃった

それは可哀想だな
その次は

子供が首に縄をつけて橋の上から川に放り込んじゃった

乱暴な事をしたもんだね・・・
じゃお前さんは親も無し兄弟もいないんだな
木から落ちた猿だな

いえ、猿は嫌いです
猿とは付き合わないんです

お前さんは名前はなんて言うの

シロです

白吉かい

いえ

白太郎

シロです

白なんて言うの

それがシロなんです
ただシロです

忠四郎(タダシロウ)か良い名前だな
お前さんね、辛抱してくれよ
女中のお元が使いに行っちゃったからね
ちょっとお茶でも入れよう
鉄瓶の蓋がちんちんいってないか

チンチンやらないんですよ

しょうがないな
お茶を焙じろうと思っているんだが
焙炉(ほいろ)取ってくれ

えっ?

焙炉

ワン!

焙炉だよ

ワン!!

おいなんだよ
焙炉!

ワン!!!!!

御隠居さん飛びついてきたぁ!
気持ちがいいねぇこの人は
元や!元は居ぬ(犬)か?!!

えぇ今朝人間になりました


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posted by 落語の世界 at 16:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 落語
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