アンダーウェアは登山における大事なアイテムの一つです。
アンダーウェアによって遭難時には生死を分ける場合もあります。
「基本的に汗をかかないペースで歩けば、特段、専用のアンダーウェアは必要ない」
というものがあります。
正論です!
が、登山はある意味スポーツと同様にある程度負荷がかかります。
どんなペースでも上り坂では汗かきの私は汗を止めることはほぼ不可能です。
個人差があり、またコースによる負荷もそれぞれですので、今回は「汗っかきさん」に向けて
解説します。
もくじ
?@登山用アンダーウェアの選び方
1.素材
2.デザイン
?Aおススメアンダーウェア3選
1.ミレー ドライナミックメッシュ
2.ファイントラック ドライレイヤー
3.スマートウール クラッシックオールシーズンメリノウールベースレイヤー
4.モンベル ジオラインL.W.
5.Patagonia キャプリーン
?Bまとめ
1.素材・機能
まず原則としてコットン素材100%のウェアは、アンダーでもアウターでも極力避けることをお勧めします。
理由としては、
・硬い、重い、運動性が低い:コットン100%素材の生地は、丈夫ですがその分重さと硬さがあります。
そして、伸縮性に乏しいため、縫製によっては動きにくさがあります。
これは、登山中の歩きにくさや疲労などのストレスとなります。
デニムやコットンパンツを想像していただければ、ご理解は早いと思います。
・乾きにくい:吸水性に優れていますが、保水性が高いため乾きにくい。
汗を吸ってくれるので、その時は具合は良いのですが、その後は長い時間乾かないため、
べたつき感が不快になります。
・冷たい:コットンは保温性が低いため、濡れてしまうと外気温のまま冷えてしまいます。
運動時体温が向上している状態では快適ですが、平熱状態に落ち着くとそこからと体温を奪ってい
くため相当冷えます。
以上により、近年の登山用アンダーウェアの素材は、吸汗速乾機能と保温性、ドライタッチが求められています。
そのため最も多く使われている素材は、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維です。
更に、その糸自体に加工を施してさらに機能向上を各メーカーは競っています。
次によく使われている素材はウールです。
ウール(羊毛)と聞くと冬用じゃないか、と思われる方も多いと思いますが、
アンダーウェアの素材としては万能ではないかと思うくらい高機能な素材です。
ウールは、吸湿性はあるものの保水性は無いため、汗を吸ってもべたつきがありません。
そして、ウール本来の保温性が発揮されるので、汗冷えが起こりにくく、冷えによる疲労は抑えられます。
また、バクテリアの繁殖を抑える効果があり、何日も着用しても臭くなりずらい。
デメリットとしては、高価格というところでしょうか。
2.デザイン
基本デザインとして、ノースリーブ、ショートスリーブ(半袖)、ロングスリーブ(長袖)の3パターンです。
袖が長い方が、保温性やプロテクト能力は上がりますが、汗かきさんには
夏山…ノースリーブ
春・秋山…ショートスリーブ
冬山…ロングスリーブ
が、体温調節する上でおすすめです。
個人差もありますので、まずはショートスリーブを使用してみてください。
フランスの老舗アウトドアブランドのMILLETから発売されている「ドライナミックメッシュ」。
これが新発売されてから、登山に行くなら、今はほぼこれ一択となっています。
見た目は全身網タイツ的な見栄えですが、この 厚みのあるメッシュが、
肌とウェア(Tシャツなど)の布地との間にあるため、
汗で濡れた布地の接着面がほぼなくなり、直にべったりと張り付かなくなります。
よって、汗濡れによる肌表面からの気化熱が発生しにくくなり、体温を奪われにくくなります。
また、メッシュ生地との重ね着のため、必要以上の衣服内の熱はこもりにくく、
通気性抜群なのでクールダウンしながら、汗冷え感はありません。
大汗をかいたとしても、胸から腹にかけて布地が張り付かないので、あの嫌なべたつきと冷えは全くと言っていい程感じません。
またショルダーベルト下や背中は、ザックのパッドがあるため外気に触れにくいので乾きは遅いですが、
ザックを下ろした後の背中のゾクゾクもほぼありません。
マイナス面は見た目ぐらいしか見当たりません。
先日の登山で休憩時にちょっとご一緒したオジサンが「あの忍者下着は調子いいゾ」と言っていたので、
これですか?とシャツをめくって見せたら、「アンタも着ていたんでね」となり、なんだか同志感がありました。
マイナス面は着用したときの見た目ぐらいしか見当たりません。
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国内登山ブランドファイントラックのドライレイヤーは、Milletのドライナミックメッシュが登場するまで愛用していました。
今は、出番は減りましたが日帰りハイキングなどで出動しています。
このアンダーウェアも登場した当時はかなり画期的な機能でした。
柔らかな 極薄メッシュ生地に 強力な撥水性を持たせ、
メッシュから通した汗は撥水によって後戻りせず、
上に着ているウェア生地に吸わせて肌から遠ざけます。
これによって、汗濡れした生地の張り付きがなくなり、肌表面はドライを保つことができます。
このアンダーウェアも極薄なので、重ね着しても熱はこもらないし、冷えもない。
ただ個人的な感想では、みぞおち当たりに汗が溜まるので、若干冷えは感じることがあります。
そのため、夏山の超滝汗が出るようなコースの場合は、予備として携帯しています。
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ウール素材というと冬用というイメージがあるかもしれませんが、それは生地の厚さで決まります。
wool100%でも極薄なら夏山でも活躍します。
ウールアンダーを検討したのは、北アルプスのテント縦走時の服装を考えたときでした。
8月下旬でしたが、その前に妙高山にテント泊した際、テント設営後に急激な汗冷えを覚え、(※当時はアンダーウェア着てませんでした)体が温まるまでレインジャケットを着ていました。
この失敗を元に山雑誌などで研究しウールアンダーに行き着きました。
いくつかウールアンダーを着用してみましたが、メリノウール100%ではありませんが、これが150gの薄手で軽量、一番べたつかず、チクチクもなく肌触りがいい。
現在も、秋冬のベースレイヤーとしてはもちろん、夏山縦走時には滞在用ウェアとして使用しています。
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めちゃくちゃ軽量で着心地抜群。速乾性も高く快適です。ポリエステル100%で独自の親水加工で吸汗力がすごい。重ね着しても厚さが無いので予想以上に暑くなりません。
私のファースト専用アンダーウェアです。当初は1軍バリバリでしたが、滝汗をかくとやはり予備にもう一枚ないと汗冷え対策が出来ませんでした。
汗っかきでない方には、これ一枚で十分快適だと思います。
キャプリーンはポリエステル製アンダーウェアの先駆け的な存在で長年愛用している方も多いです。
私は当初からアンダーウェアというよりはベースレイヤーとして半袖Tシャツを愛用していました。
速乾性は抜群で、汗濡れしても夏山登山なら汗が引くのと同時に乾いていきます。
キャプリーンは、ベースレイヤーとしていくつか種類があり、今回のオススメとしては、
キャプリーン・クール・トレイルシャツ
キャプリーン・クール・ライトウェイトシャツ
の2種類です。
アンダーとしては74gという超軽量のライトウェイトシャツ、汎用性を求めるならサラッとした幅触りのトレイルシャツがオススメです。
ただし、瞬間的な滝汗になるとどうしてもべたつきが気になるので、
現在の私の一軍はミレーのドライナミックメッシュとキャプリーンクールの重ね着です。
この組み合わせは最高です!
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?Bまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
登山専用アンダーウェアはちょっと敷居が高く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際、使ってみるともう手放せません。
場合によっては日常でも使ったりします。
発汗量は個人差がありますので、あまり汗をかかない方は参考程度にとどめておいてもかまいません。
でも、汗っかきを自認している方には、キャプリーンとドライナミックメッシュの重ね着最高です。
大事なので2回言いました。
では、ご安全に
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