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家族を殺された哀れなシャチが、人間の罪を裁く為に黒く大きな背びれを突き出しながら「復讐」という 憎悪に身を纏い今、静かに迫り来る・・・・。

皆さんこんばんは
先日、何気なく家にある本を開いてみたらその中に、5千円札が挟まっており一人いる部屋の中で、「おお〜っ」とビックリしてしまい、嬉しさ以上に「いつ、なんで」という疑問が先に頭をよぎってしまった、僕がお送りするNO,movie NO,life!!のお時間でございます



さて今夜ご紹介する作品は、以前このブログで人食いザメとの戦いを描いた作品 「ジョーズ」 を書いた時にコメントをもらったんですが、その中で「まっちゃん」さんから、ある一つの映画のリクエストを頂いていたので今夜は、その映画「オルカ」をご紹介したいと思います。

以前から、タイトルは知っていたんですがなかなか見る機会が無く、スルーしていたんですがコメントで頂いていたので是非、見てみようと思ったんです。
簡単にご説明しますと、「ジョーズ」が大ヒットし、その影響で多数製作された動物パニック映画の
一本にあたる映画でサメではなく哺乳類でお馴染みの「シャチ」が登場するんです。
「ジョーズ」と同じように、「シャチ」が次々と人を襲っていく映画なのかと言われれば、少し違う内容なんですよ

実は、妻と子どもを殺されたシャチの雄が、殺した人間に復讐するという、パニック映画のジャンルの中ではかなりの異色作なんですね。
でも、この作品の中ににも様々なテーマやメッセージなどが含まれている映画でもあるんです。
ちなみに「オルカ」というのは、シャチの学名であり、ラテン語でOrcinus Orca(オルキヌス・オルカ)、
意味は「冥界からの魔物」と呼ばれているんですよ(笑)

それでは、ここで妻と子どもを人間に殺された憎悪に満ちたシャチが登場する「オルカ」のストーリーをご紹介しましょう。

海、人類の源、そして謎に包まれたロマンの世界--。
アメリカとの国境に近いカナダ東海岸沖で、海底調査を続けている海洋学者のレイチェルは、
潜水中、ホオジロザメに襲われそうになる。
だが、それを救ったのは、近くを通りかかったバンポ号のエンジン音だった。

100トンたらずのこの船は、マイアミより日本のマリン・ワールドからの注文のホオジロザメを生け捕る為にやって来たのだった。
船長はノーラン、他にノバック老人、ポール、そして彼の恋人アニーの3人が乗り組んでいるバンポ号の目前に、ホオジロザメが現われた。
しかしその直後ホオジロザメは何物かにより半分食いちぎられてしまう・・・一体何が……?
シャチ・・・海の野獣といわれるシャチ。

ノーランはシャチの生け捕りを思いつき、新たな捕鯨用具を積み船出するのだった。
レイチェルの反対も押し、彼らは間もなく、1匹のシャチを捕らえたのだが、そのメスのシャチは胎児を産み落し死んでしまう。

この光景を目のあたりにしていた、もう1匹のオスのシャチは怒る目でノーランをみつめ去って行くのだった。
やがて、先ほどシャチに食われたノバックの葬式を済ませたノランに対して、シャチの復讐が始まった。
修理のため港に碇泊中のバンポ号をねらうかのように、港内の漁船はシャチによって沈められ、港のパイプラインは切られて火災が起こる--。

シャチによるこの事態をなんとか収めようと考えた漁港の責任者は、ノーランに向かって「オルカを殺せ」と告げられるのだった。
最初は、耳を貸していないノーランだったがエスカレートするシャチの復讐にしびれを切らし、バンポ号でシャチを殺すため夜明けと共に出航するのであった。


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この作品を初めて見て思った感想は、一人の誤った人間の過ちから誕生した哀れな物語だと思いましたね。
しかも、「人間に復讐する」というテーマがはっきりしているので、この「オルカ」と呼ばれるシャチが
とても、「純粋」な生物でもあり、人間のような感情も持ち合わせている事も伺えるんです。
このシャチと呼ばれる生物も「哺乳類」に分類されていて、人間も同じ「哺乳類」な訳ですから同じ分類階級に属している存在なんです。
なので、シャチを人間い置き換えてもこの映画は成り立つ事も可能なんですよね。
その証拠に、シャチが人間に対してのリアルな感情を作品の所々で描写させていたりしているんです。

「ジョーズ」で登場するサメは「ただ泳ぎ、子孫を残す・・・それらの行動を死ぬまで繰り返すという、言わばイーティングマシーン」と劇中で呼ばれており、自然の摂理の通りに無感情で純粋に生きている生物との戦いを描いているのに対し、「オルカ」では人間と同じように妻と子どもを愛する父親として、愛するモノを無残にも殺されてしまったからこそ、人間に復讐するという純粋な動機の上での戦いなので、登場してくるシャチにも、少なからず感情移入ができてしまう映画でもあるんです

そして、映画の冒頭では、シャチが、仲間と楽しく泳いでいる演出が多く見られるんですけど、「復讐」という意味をまとって描き出されたシャチの姿は、「冥界からの魔物」という異名の通り、黒く澱んだ海からサメより長い黒い背びれを立たせ迫ってくる、作品の冒頭で楽しそうに泳いでいたシャチとは思えないぐらいの描写がとても印象的なんです

あと、船長のノーランが船を止めている漁港があるんですが、その場所をシャチが復讐の怒りに任せて襲撃するんです。
そして、シャチの思惑通り、ガソリンに火が点火して漁港は大惨事になってしまうんですよね。

その光景を見ながら、シャチが水族館でよく見かける体をひねらせながら水の上を飛ぶ仕草をするんですよ。
今まで、僕の中でこの行動は、人間とのコミニュケーションの一貫としての行動だと思い続けていたので、劇中で行われている自分の復讐に対しての喜びを表現しているかのような行動と、この動作を取り入れてくるという発想がとても衝撃的だったんです。
逆に言ってしまえば「人間に復讐をした」という思いや、喜びが伺えるシーンでもあったんですね。

今まで、「復讐」というキーワードを中心に記事を書いてきたんですけど、もう一つこの映画から感じれるテーマは「罪を犯し者は、何からも逃れられる事が出来ない」という意味も感じたんです。
例えば、漁師のノーランは、大金というものに目が眩んでしまい罪のないシャチ一家の幸せを壊してしまうんですね。

その後、ノーランは漁港に帰り、シャチ=オルカを殺せば、必ず罰が下ってしまうという迷信を聞かされるんです。
最初は半信半疑で、オルカの事を全く気に止めていなかった彼も、必要以上に彼の姿を追い掛け回すオルカに対して、無視する事も許されない状況に陥っていくんですね。
そして、彼はオルカと決着(殺し合い)をする為に再び海に出るんです。
この事から、「自らの犯した罪はどんなに些細な出来事であっても、決して逃れる事は出来ず自分自身で受け止めるしか方法は無い」とも思えるようなテーマも込められていたのかもしれませんね。
なので、ノーランが、海の尊い生物を欲の為に、捕獲・虐殺など犯した罪が具体化されたものがオルカという存在でもあって、「罪を犯した者を一生つけ回す」という「復讐」とはまた別の観点でみても、納得出来る作品でもあるんですよ。

あと、劇中でノーランと地元の講師が会話しているシーンがあるんですが、その中で彼等がシャチの事を「悪魔」と呼ぶ場面があって、そのシャチからしたら自分の愛する家族の復讐を晴らす為に、ノーランを純粋に追ってきているのに、シャチという存在自体を「悪魔」と平気で言ってしまう人間の傲慢さが
垣間見れるシーンに、少しだけシャチに対して同情してしまいましたね(笑)
例え人間が動物に対して誤った行為を行ったとしても、結局は人間が優勢になってしまうのかな?とも感じられるシーンでもありました。

そして、この作品を彩る音楽もとても素晴らしいんですよ。
壮大なテーマを彩ながら復讐に憎悪を燃やすシャチの心情が何処か物悲しいく感じられる旋律がとても心に響くいい曲なんですよ。
こちらのURLを貼り付けておくので興味のある方は、是非、お聞き下され。

Ennio Morricone
Orca - End Title

家族を人間に殺され復讐に燃えるシャチの物語を描いた作品、「オルカ」。

是非、ご覧下され。


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