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2024年07月25日

ひらいたトランプ 感想





ひらいたトランプ


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

ひらいたトランプ

ちらんぷ.png

ゾクゾク度        ★★★
何度も繰り返し読む度   ★★★
人物が個性的すぎる度   ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格: 1034円
(2024/7/25 16:00時点)
感想(10件)




エルキュール・ポアロが出てくる作品です。
(悪友の推理作家のオリヴァも出てきますよ)

ひらいたトランプという題名であるように、トランプのゲームが出てきてきますが、ババ抜きじゃないですよ!この作品は日本人にはなじみのないゲームが出てきます。

ルールは分からないけれど、トランプのゲームに登場人物が熱狂している描写が出てくるので、面白いゲームなのでしょう。賭け棒とか出てくるし、賭け麻雀に近いのかもしれません。

もちろん、そのトランプゲームが、事件の大事な要になってきますが、ルールを知らなくとも楽しめる作品です。”外国にはこんなトランプゲームがあるんだな”程度でいいので、読み進めて下さい。

実は小学生の時に読んだときは、こんなゲーム知らないなあ、という思いが強くてあんまり面白く感じなくて、むずかしいなあと思った作品でした。
でも大人になった今、読めば読むほどゾクゾクして面白い作品です。ゲームのやり方が問題なのではなくて、いろんな大人がいることの象徴でゲームが使われているんだと分かってから読むから今の自分はとてもこの作品が好きですね。




ネタバレなしの紹介

犯罪に関することを、コレクションして楽しんでいるという悪趣味なシャイタナ氏が出てきます。
その悪趣味が高じて、なんと殺人を犯してまだ捕まってない人を5人集めてカードゲームをする催しを開催するのです。(証拠はありません、ただシャイタナ氏が”知っている”だけなのですが)
とらんぷ.png

招待されたその中には5人以外の警察関係者も何人か集められていました。そのグループにはポアロとオリヴァがいました。シャイタナ氏は犯罪者達を警察関係者と一緒の場所に集めることで、犯罪者の苦しむ様を、密かに楽しんでいたのです。

そんな犯罪者たちをコレクションして楽しんでいた”シャイタナ氏”という嫌なヤツが結局殺されてしまうのですが、犯罪大好きなシャイタナ氏にとってはある意味本望かもしれません、ひどい話ですがそれくらい悪趣味な人なので仕方ないですね。
一緒にいたのは、アン・メレディス、ドクター・ロバーツ、ロリマー夫人、レイス大佐、デスパレート大佐の5人ですから、この中の誰かが犯人なのは確かなのです。

ひらいた.png

その人間性はさておき、犯人のトランプゲームの様子、ゲームのやり方には性格が如実に出ることを見事に表現しているアガサの人間観察の鋭さがすばらしいです。何回も言いますが、このトランプゲーム自体が分からなくても、大丈夫です、楽しんで読めます。

最後の最後まで全員怪しいし動機もあるのです。
私は何回も読んでますが、結末を知っててもやはり面白いです。
定期的に読みたくなる一冊なのです。













杉の柩 感想

to9gw.png






杉の柩


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

杉の柩(すぎのひつぎ)
to9gw.png


愛憎の表現の
ロマンチック度 ★★★

最後のどんでん返し
驚き度  ★★★

ポアロの
冴えわたり度 ★★★

無人島に持っていきたい度★★★




この作品は

個人的に大好きな作品です!


どう見ても

有罪としか見えない

不利な状況下で

依頼を引き受けるポアロが

カッコいい作品です。


依頼人にとって

最初から不利な条件が

揃っていて被告人の

死刑確実の案件です。



ポアロの依頼人の希望は


殺人の罪で裁かれている

被告人エノリアを

無罪にすること


なかなかな問題を

抱える難しい依頼です。


被告人エノリアは、

お金持ちで

洗練されている聡明な

美女です。

彼女は生まれたときから

苦労をしたことがない

お嬢様なのです。

彼女には

幼い時から決められたロディー

という婚約者がいるのですが

エノリアはこのロディーを

めちゃくちゃに

愛しているのです。

ロディーもエノリアと

結婚することに

なんの不満もありません。

そのまま行けば、

この二人は結婚したでしょう。


エノリアにとって

何も心配は要らない未来が

待っていたはずです。


しかし、

いよいよそのロディーと

結婚間際という時に


メアリーという若い女が

ロディーを奪ってしまうのです



メアリー・ゲラードは

使用人の娘なのですが、

特別に雇い主によって

教育もバッチリ受けてきており、

性格も可愛く、

容姿もカワイイのです。


ロディが恋に墜ちても

仕方がない可愛さなのです。



美しいメアリーに

愛しの婚約者

ロディーが心奪われて

しかも、ロディーとメアリーが

結婚してしまったら、

失恋どころかエノリアの財産も

奪われかねない

ピンチな状態なのです。


エノリアは表面的に

冷静さを装いますが

心の中は激しい嫉妬や

憎悪が湧き上がっていきます。



まさにそんな時に

メアリーがエノリアと一緒の時に

毒によって死んでしまうのです。



エノリアには

動機もある、

機会もある、

そして、

なにより被害者を殺したいと

思う感情が渦巻いたことを

読者にも明確に匂わせているので

エノリアは犯人として

みられても仕方がないのです。


状況的に真っ黒黒なのです!

あい.png


しかし、

そこに、エノリアに恋する男、

ピーター・ロード医師がいます!

(ちなみにエノリアは

何とも思ってません

何ということでしょう!)



ピーター・ロード医師が

片思いのエノリアのために

有名なポアロに

無罪を証明してほしいと

依頼するのです


なんと健気なピーターでしょうか。


まさに、

愛の泥沼三角関係物語!


トリックとしても

すばらしいミステリーの幕が

開きます。


最後の謎解きが

裁判形式で進んでいくのも

珍しいです。
(ドキドキします)


トリックのヒントとしては

アガサの看護師時代の

知識も出てきます。


ちょっと最後に

バタバタとご都合主義の

医療の知識を持ってくる

ところもありますが、

それを吹き飛ばすぐらいの

説得力はあります



そんな専門的な

トリックはともかく


自分が感銘を受けたのは、

この作品にちりばめられた

アガサの愛に関する

うんちくの言葉や

セリフの数々です。


いろいろあった

アガサですから

(実生活で結婚、浮気、

不倫、離婚、再婚など経験)

説得力があるんです!



ポアロは一生独身ですが、

アガサが書く

主人公だからでしょうか?

愛に関して決して、

無頓着ではありません。


自己愛が強い変人には

書かれていますが、

その根底には

優しいポアロおじさんの

顔があることを

感じ取れるような

キャラクターなのは、

さすがだなあと思います
おじじ.png

この作品の最後の

ポアロの台詞は、

憎いくらいカッコいいです


これから読まれる方は

そこも楽しみにしてください


sugi.png
耳で聞くならこちらを?




自分と周りに優しいイヤホンも



耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg



posted by agata5 at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 杉の柩
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