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2024年07月31日

クリスマスプティングの冒険(短編集)

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クリスマスプティングの冒険



このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


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クリスマスプティングの冒険

クリスマス度      ★★★
ユニークなお話度    ★★★
ポアロの魅力満載度   ★★★
無人島に持って行きたい度★★★
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『クリスマスにはアガサクリスティー』を!

これは人気作家のアガサ執筆時期当時のキャッチコピーです。
寒い冬、クリスマスも近い雪も降り積もるようなそんな日にぬくぬくした部屋でゆっくり推理小説を読む、、、読書家にはたまらない情景ですね!


そしてこの短編集は私のお気に入りでもあります

他にクリスマスらしい題名の本として『ポアロのクリスマス』という作品もあるのですが、そちらは長編作品になります。


今回は短編集のアガサの推理小説『クリスマスプティングの冒険』の紹介です。
巻頭を飾る作品がこの題名の短編となります。
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ネタバレなしの紹介

クリスマスを一人でゆっくりすごそうとしているポアロに事件の依頼がくる話です。

どのような依頼かは、ここでは言いませんが、ポアロはお金のためには働かない、自分がしたいと思う事件のみ引き受けるというこだわりがあるのですが、この依頼は、ポアロが引き受けたくない内容の物でした。

そんなポアロにあの手この手で引き受けさせようとする依頼者との攻防もすでに面白いです。
よりによって独身を自由に謳歌しているポアロに”家庭的なクリスマスを過ごしてもらうことも可能です”てアピールするのですが、よりによってあのポアロにですよ?!
それがはたしてポアロにとって良い作戦かどうか、、、想像つきますよね?

イギリスの良き時代のクリスマスをアガサクリスティーがとても愛してたことが分かる作品です。

特別なクリスマスのご馳走、伝統的なクリスマスへの反発の若者達、その若者への慈愛、変わらない恋愛模様、推理だけでない楽しみがそこにあります。

特に表題になっている”クリスマスプティング”は事件の重要なアイテムでもありますが本当に美味しそうに書かれているので食べてみたいなあって思います。お屋敷お抱えの料理長の自慢のクリスマスプティングがとても特別に美味しそうなんです。

ポアロの推理はもちろん素晴らしいのですが、クリスマスらしい日常も魅力的に書かれているのが楽しい作品nなのです。

『クリスマスプティングの冒険』は
短編集ですので同時に掲載のその他の作品は以下の作品になります

スペイン櫃の秘密
負け犬
二十四羽の黒つぐみ

グリーンショウ氏の阿房宮


いくつかの短編集の中にも収録済みの話もありますので重複しています
不思議なことに
最後の『グリーンショウ氏の阿房宮』だけはミスマープルのお話です

『クリスマスプティングの冒険』は大好きな短編ですが、それ以外の収録されている短編は、ちょっと個人的には苦手かなという作品もありますので(わがままですね!)独断と偏見で★を付けました!完全に好みの問題です。


スペイン櫃の秘密★★★
『バクダッドの大櫃の謎』と大筋は同じですが、ポアロの秘書ミスレモンが出てきます。そこが違います。
ファアムファタル(妖女)男を破滅させる女が出てきます。ワイドショー的な週刊誌ネタの感じもあり、血なまぐさくもあります。
お話の筋は二つとも同じですが私は、『バクダッドの大櫃の謎』よりこっちの方がお話の流れは好きなので★は満点付けてます。

負け犬☆☆☆
ミステリー的になかなかきわどい作品です。
というのは、ポアロが奇術を利用するからなんです。推理は、完璧ですよ。
でも解決の仕方が、、、私にとってはいまいち馴染みがない方法です。
ポアロ好きな方でも好き嫌い分かれる作品ではないでしょうか

二十四羽の黒つぐみ★☆☆
ポアロが実はグルメだと分かる作品です。
黒つぐみというのはブラックベリー、黒いちごのパイに使う名称のようです。
日本で言うなら「桑の実」のようなものでしょうか。
おいしそうな料理が出てきますよ!推理は、人間心理に乗っ取って納得の仕上がりです。

夢☆☆☆
このトリックは前代未聞!思いもつかない方法で殺人が行われ驚きです。そんなにうまくいくかな?って思う事もひっくるめて、驚く作品だと思います

グリーンショウ氏の阿房宮★☆☆
この作品も、他の短編集で違う題名で似たお話が収録されています。(大筋は同じだと思いますが、あちらはポアロ探偵が出てきますし雰囲気が違います)
この短編集において、唯一ミスマープルの作品です。
奇っ怪な、いえ、個性的なお金持ちが建てた家が出てきます。
それがどんな家かは想像するしかないのです
面白いと言えば面白いし、あり得ないと言えばあり得ない作品だなと思います。
これを映像化するのはむずかしかったとおもいます。(映像化もしていたとは思いますが)
マープルおばあちゃんのおしゃべりは、いつも関係ないところにあちこち飛ぶようでいて、最後に帳尻が合う小気味よさを楽しんで欲しいと思います。





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2024年07月30日

ナイル川殺人事件(映画感想)

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ナイル川殺人事件


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ナイル川殺人事件 映画感想 口コミ


原作『ナイルに死す』の映画版の日本語題名になります
映画を見た感想ですのでネタバレしてます。
内容を知りたくない方は、これ以上は進まれませんように、ご注意申し上げます。

エジプトの贅沢度           ★★★
アガサの原作なので見とこう度     ★★☆
原作に忠実度             ★☆☆
俳優陣の魅力度            ★★★
ポアロが魅力的ひょっとしたら原作越え ★★★ 

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まず、ポアロがかっこよかったです。
こんなにポアロってかっこ良かったかな?って言うくらいカッコいいです。

まるでドラえもんで原作ののび太より、映画ののび太の方が数段カッコいいですが、そんな感じです
(個人の感想です)

犯人や被害者など大筋はの大筋は変わっていません。

でも登場人物の数や設定などの変更はかなりあります。

登場人物は原作よりも減らされてますが俳優陣は豪華です。
舞台の豪華客船も素晴らしかったですしエジプト、ナイル川の映像が本当に美しいです。

しかし、原作の人間模様のふくよかさはちょっと違う方向になってました。
個人的感想ですが
いろんな役を兼任させて話を成立させていますので、これだけをみてアガサの原作『ナイルに死す』を知った気になってはいけないよ!と思います。

別物とまでは行きませんが、やっぱり原作と印象はかなり違います

映画は、映画の、原作は原作のそれぞれの良さを感じるしかありません。

そしてそんな自分はやはり原作『ナイルに死す』の方が好きですけどね。
完全に個人的意見です。

何度も言いますが映画のケネス・ブラナーのポアロは魅力的です。
映画冒頭、重厚な戦争シーンから入るところは別の映画かな?って思います。
でもポアロの魅力を分かりやすく伝えるためでしょう。
反戦の想いも感じ取れるところが特徴的です。

ひねくれやで冷静なポアロに愛の理解があると伝えるために恋愛もからめています。
それは、いいんですよ、ポアロも恋する人間ですから。
でも、最後までその恋心を引っ張るのね、と思った事は確かです。

原作を読んで、この映画を見ると登場人物の違いに戸惑うと思います。

まず、映画はサロメ・オッタボーンが、魅力的なシンガーで出てきますからね。
原作では昔ヒットを飛ばしたっきりの小説家なんですけどね
ですから、その辺が原作とはちがいます。

レイス大佐は出てこないし、、、そう、出てこないんです!(ちょっぴり不満)
そりゃ、事件の解決に直接は関係ないでしょうが自分はレイス大佐に愛着があるんですよ。

そしてエンディングが自分が思った感じではなかったです!

関係者全員を集めて、その前でポアロは演説をし事件を解き明かすのがクライマックスですが、
その後の、犯人のエンディングがあっけない。ここが、ポアロの対好敵手であるはずの犯人の魅力の余韻が残る良い所なのに!あまりにもあっけなくて残念!と自分には思えます。

このお話は、ジャクリーンをどのように輝かせるか、だと思います。
原作はジャクリーンが実は主導権を握っているのに!(と、自分は思います)
最後まで共犯者のなすがままなんですよ?(ちょっぴり不満←2回目)
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そして美女にひっぱりだこのサイモンを魅力的に描かなければ意味がないのですが、ここも生かし切れてない気がして不満でした。お金はないけど色気たっぷりのイケメンぶりを表現しなければ、そもそも三角関係が成立しません!そこのところは冒頭のエロいダンスで(それはそれで見ごたえありますけどね)表現されてますが、それでしか魅力はないのか?と残念に思います。
そんな程度の男では絶世の美女でお金持ちでみんなの注目を浴びてるリネットが、軽く見えちゃうよ!
と思いました。
ただの色男だけど(ひどい言われよう)何でも持っているリネットがそこまで魅かれるのはなぜか?ていうと賢くて魅力的な友人のジャクリーンの男だからでしょ!?みたいなところが描かれてたかというと疑問だと思うのです。(私はそう思います)
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その他のキャストの皆様はさすがに男女含め、お美しいです。何度も言いますがオッタボーンの歌声の力がすばらしいこと、あとナイル川周辺のダイナミックな映像の美しさ、ピストルの音、などなど。相当こだわったんだと思います。
なので、この映画は原作を見る前に見た方がいい映画かもしれないです。原作を知らない人に是非おすすめしたいです。コレはこれでとても美しい壮大な映画ですから。

原作を読んでいる私は原作の方が好きなので仕方ないと思いますが、好みの問題でしょうから
是非皆様は楽しんでご覧いただきたいと思います。

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ナイルに死す  感想

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ナイルに死す


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ナイルに死す


旅行したくなる度        ★★★
トリックの冴えてる度      ★★☆
事件が起こるまで長い度     ★★★
登場人物のセリフのすばらしさ  ★★★
無人島に持っていきたい度    ★☆☆

この作品は、アガサ本人が(旅行ものとして)描いたミステリーの中でもお気に入りの作品。
そう、ご本人が気に入ってる作品なのです。
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余計な情報を入れるとしたらアガサ本人が失踪したという有名な事件の後の執筆です。

アガサ失踪事件というのはアガサにとって大きな事件であることに間違いはないのですが、その後のある意味吹っ切れている作品なのかもしれません。
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というのはこの作品は『お金も美貌も手に入れてる若い女性のリネット』『お金はないが恐ろしく色気があってイケメンの男のサイモン』『お金はないが個性的で魅力ある女性のジャクリーン』の3人の三角関係を中心にまわっているからです。

アガサの失踪も、旦那様と浮気相手の女性との三角関係みたいな事が原因でしたし、そして、この作品はアガサの二回目の結婚の後の作品で自分としてはちょっと下世話に勘ぐるところもあるわけです。(二回目の結婚のお相手は年下の考古学者で、ご夫婦でエジプトに訪れていらっしゃることも関係が絶対あると思うので)

そして、その前に発表している『ひらいたトランプ』という作品があるのですが、(これも独特な面白い作品)そこにでてくる登場人物の1人がこちらの『ナイルに死す』の中にも出てきてポアロの相棒として活躍していることも申し上げておきます。誰かってことは、ネタバレしたくないので、読んでいただけたら、と思います。

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ネタバレなしの紹介

お金も美貌も手に入れてる成功者若い女性リネットは、あろうことかある時友人ジャクリーンの婚約者サイモンを奪って結婚してしまう。つまり友人からの略奪婚をしてしまう。当然友人からは恨まれるわけだが、新婚旅行に出掛けたその先々で元恋人ジャクリーンの嫌がらせを受ける。

不安に思ったリネットは船にたまたま乗り合わせたポアロに、この状況をどうにかしてほしいと依頼するのである。

新婚旅行先というのがまさにエジプトであり、ナイル川を渡る豪華客船カルナク号が舞台であるので、もちろん豪華で異国情緒も満点な作品。







感想

この作品は事件が起こるまでが長いのであります。


ポアロの長編は大好きな自分ですが、それでもこの作品は事件が起こるまでが長いのでより長編に感じます。

よくあるサスペンスドラマだと、開始早々殺人が起こりますが、この作品は前半全く殺人も事件もおこりません!それが不気味と言えば不気味かもしれません。なのでそれを踏まえて、これはこういう作品なんだと思って楽しんで長い前半を読む方がいいかと思います。

ハリウッドで撮影された映画が”ナイル川殺人事件”という題で日本でも公開されましたが、内容的にちょっと変えているんではないかな、と思ってます。(これを描いた時点ではまだ映画はみてません)内容を変えてないのなら、推理物としては火曜サスペンスを見過ぎた自分にとってはトリックがちょっと荒っぽいなあって思わないでもないんですが(贅沢を言ってますね)作品の感想としては昼ドラ的な要素と旅行ものが合わさった最上級なものという感想です。
たしか、短編でも似たような状況とトリックを使ってどこかで1編書いてますので私には既視感もありました。(題名を思い出したらまた書きますね)

この作品は、ミステリーと言うよりも、それぞれの人物に言わせるセリフが本当にすばらしく人間味にあふれていて好きです。

そして今回の小説でポアロは名探偵でもありますが、まるで占い師のように、若い女性に予言して回ったり、年長者としてお説教したりしています。そこがちょっと他と違う感じがしました。

映像化に至ってはこの作品は女性が圧倒的に魅力的に描かれてほしいという思いでいます。
あらためて映画を見るのが本当に楽しみになっています。


映画の感想はこちら



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2024年07月29日

火曜クラブ(短編集) 感想

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火曜クラブ


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火曜クラブ(短編集)
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ミス・マープルが分かる度★★★
サクッと読める度    ★★☆
無人島に持っていきたい度★★★



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これはミス・マープルの短編集です
安楽椅子探偵として有名な探偵ミス・マープルの魅力がつまった短編集です。
ミス・マープルというと、アガサの作品の中でもポアロと並んで人気の探偵です。
マープルの最初の登場は、短編でしたがそれがこの『火曜クラブ』です。
13篇のマープルだらけのお話です。

このブログの中で、 ”クリスティ短編集?T” の中の5編と重複しているお話がありますので、それについては割愛しています。

アガサはマープルの事をご自分の祖母に似てると言っています。
ポアロよりも、好きな登場人物だったらしいことも。

自分も小学生のころから、
ミス・マープルを読んで
人生について人間性について
おばあちゃんマープルの様子に
親しみやすさを感じていました。

”さっきから聞いてますとね、誰と村の誰が似ていて、大抵どこでも人間性ってのは変わらないもので、、、あら、網目がここで、、、そうそう、なんのお話だったからかしら、でも本当のところ、さっきの話を聞いていますとね、村のトラウトおばあさんの事を思い出しましたのよ”

とそんな感じです。

本当に実在の
おばあさんが
しゃべっているようです。

最初は、マープルの話は
まどろっこしく聞こえますが
最後には鮮やかに辻褄が合い、
謎が解けます。

その様子に
その場にいた人たちが
だんだんミス・マープルに
一目置くようになり
読み終わるころには、
読者が全員
マープルのファンになる
という訳です。

この『火曜クラブ』というのは、
ミス・マープルの甥のレイモンド、
その知り合いの警察関係や
友人の画家など様々な職業の人々が
たまたま、ミス・メープルの家に
集まっていたのが
火曜日だったことに由来します。

余興として
”各自が真相を知っている実在の事件をかたり、皆で推理し合う"
というゲームをするのです。

推理ゲームをするわけです。

最初は、
ミス・マープルの事を
皆が”静かなおばあさん”
という外見にとらわれて、
マープルなしで
話を進めようとするのですが、
ひとたび推理を始めれば
瞬く間に事件の
真相を解いてしまうので
一目置かれるようになります。

アガサの作品ではありませんが、アイザック・アシモフという作家の作品の『黒後家蜘蛛の会』の給仕のヘンリーもこのような人物です。興味がればそちらも読んでみても面白いかと思います。










まーぷるクリスマス.png



ネタバレなしのそれぞれの紹介

※新潮文庫の アガサクリスティー短編集?T の中にも重複している者については割愛しています。

『火曜クラブ』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集?Tの中にも重複”火曜の夜の集い”と同じ話

『アスタルテの祠』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集?Tの中にも重複”アスタ—ティーの神殿”と同じ話

『金塊事件』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集?Tの中にも重複

『舗道の血管』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集?Tの中にも重複

『動機対機会』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集?Tの中にも重複
ここまでの5編は、以前紹介したアガサクリスティー短編集?Tの中に収められていますので、(しつこくてすみません)そちらを参考にしてみてください!

聖ペテロの指のあと★☆☆
これは、ダイイングメッセージにヒントがあります。そこにマープルが気がつくところが重要なお話。マープル作品ではないですが同じようなダイイングメッセージが重要な作品は他でも見ますね。謎解きとしては英語が得意でなければそもそも解けないかもしれないです。(赤川次郎先生の三毛猫ホームズでも似たような謎解きがありますね)

青いゼラニウム★★☆
トリックが重要な作品です。壁紙の花がいつのまにか変化するミステリーです。そして思いもかけない犯人が出てきます。

二人の老婆★☆☆
いかにも、映像化できそうな、ドラマ化できそうな作品です。日本では横溝正史の双子の老婆が出てくるお話が有名かと思いますが、それを思い出さないでもありません。

四人の容疑者★☆☆
手紙のトリックです。話の本筋は不気味なんですが(詳しくはこれ以上言いませんが)容疑者四人の中で誰がどういう人なのか?と手紙から始まり考えるのが興味深い作品です。

クリスマスの悲劇★★★
このお話は聞き役だったマープルが、いよいよ出題者となるお話です。マープルの体験談になります。事件を語る様子に、そして真相を語る様子に、マープルの性格がよくでている作品だと思います。

毒草★★★
このお話は、語り部が非常に口下手であるという設定になっているので読んでいて、非常にまどろっこしいです。しかしその演出により、かえって『火曜クラブ』が実在するかのような気持ちになります。
口下手な語り部から少しずつ事実が見えてくる中で、人物像に色がついて、表情が見えて事件の真相にたどり着くという事になりますが、解決に導くのはやはりマープル。人間性を語らせたらミス・マープルにかなう人はいません。そんなお話です。

バンガロー事件★★☆
語り部が美女で有名な女優の出題するミステリーです。『火曜クラブ』の参加者の中で、いろんな意味でざわつくほどの、美女なんですが、自分を賢そうに見せようとはちっとも思っていない。誤解されることを覚悟して言うと、”殿方って頭のゆるい美女がお好きでしょ?"って信じて演じてる風でもあります。(ほんとはどうか分からない)このころの女優さんてこういう方が好まれたんでしょうか。
作品の中では、”ちょっと今風の男子には受けないわね”的な表現があるので、アガサはその辺のところを皮肉に書きたかったのかもしれません。アガサの頭の中にはどなたか実在のモデルがいるのかもしれないと勘ぐりました。

溺死★★★
この話だけは、『火曜クラブ』から派生した、いわば番外編のようなものです。
『火曜クラブ』での話ではなく、その集まりで知り合った前警視総監サー・ヘンリー・クリザリングに、ミス・マープルがいきなり助けを求める話です。ある事件とも事故とも言えない出来事について、突然ヘンリーのもとに、マープルが犯人を知っています、分かっています、いうのです。
”こんなおばあさんが突然言ったところで世間は信用しませんでしょう?だから、元警視総監のあなたに真実を解いてもらいたい”という具合です。ヘンリーは驚きますが、すでに『火曜クラブ』でマープルがとんでもない洞察力を持っているのを知っているので”本当だろうか?”と思いつつもヘンリーは解明に乗り出すのです。


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黄色いアイリス(短編集)

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黄色いアイリス


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黄色いアイリス(短編集)

いろんな探偵ものが読める度★★★
アガサの原点かもしれない度★★☆
ドラマにしたい作品度   ★★☆
無人島に持っていきたい度 ★★☆ 



表題にある『黄色いアイリス』の入った短編集です

9つの短編が収められており、ポアロもの、マープルもの、パーカーパインもの、有名な探偵は出ない話など、混合したバラエティーに富んだ短編集となっています。
それはまるでフランス料理の重厚なフルコースというよりは、インドネシアのワンディッシュランチのような楽しさとユニークさです。一つのお皿にナシゴレンやサティやミーゴレン色鮮やかに辛いも甘いも乗っているようなそんなイメージをして頂いたらいいかもしれません。

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この短編集の中には長編の原型ではないかと思われる作品がいくつかあります。
『黄色いアイリス』が『忘られぬ死』の原型ではないかというのは有名な話ですが、それ以外にもいくつかある気がします。これは私だけが思うのかもしれません。是非、読んだ皆様がどう思われるか聞きたいところです。

特殊なのは『帆の暗い鏡の中に』です。不気味な夢を見た気持ちになります。アガサは愛の側面のつまり甘いだけではない片側をこんな風に表現するんだなと思ったのです。
アガサの魅力を語る時にこれは読んでた方がいい1つかもしれないと思う作品です。




ネタバレなしの紹介

レガッタ・デーの事件★☆☆
パーカー・パインの話。単純にいうと目の前でダイヤがきれいさっぱりに消えてしまう話。全員の身体検査をするのに、出てこない、、、。これは、他の何かの長編の原型になっている気がします。既視感の有る短編です。なんの作品の元になってるのか今後、どこかで紹介する長編ではっきりするかも!(今はまだいいません)

バクダッドの大櫃(おおびつ)の謎★★★
ポアロの話でミスレモンも出てきます。週刊誌ネタのような”バクダッドの大櫃の謎”という新聞の記事から始まります。異国情緒あふれる飾りのついた(たぶん当時はインテリアとしても使われてたのではなかろうか?)大櫃から大量の血がにじんでいて、その中にはなんと男の死体が!という血生臭い話なのですが、同時にメロドラマを思わせる設定です。読んでるだけで、異国の飾りのある大櫃の舞台装置が頭の中で作り出されます。そして、ファアムファタル(妖女)の存在なくしてはこの作品は意味を成しません!(妖女とは男性にとって運命、もしくは破滅させる女性の存在)
『スペイン櫃の秘密』とほぼ同じ話ですが、微妙に違いますので、是非両方読んで違いを楽しんで欲しいです。(『クリスマスプティングの冒険』短編集に収録)

あなたの庭はどんな庭?★★☆
ポアロに切羽詰まった依頼の手紙が届くことから始まります。ポアロは依頼を受ける手紙を出すのですが着くかつかないかで、実は入れ違いに依頼主が亡くなっていたのです。依頼主が亡くなったので依頼の話はなかったことに、という断りの手紙が届くのにも関わらずポアロはいけしゃあしゃあと(正義感かも)その家庭に乗り込んで謎を解いていくという話。しかし、理不尽な”死”に対してポアロは容赦しません。

ポリェンサ海岸の事件★☆☆
パーカー・パインのお話。ポアロが刑事事件を取り扱うとするならば、パーカー・パインはどちらかというと民事事件を扱う探偵といったところでしょうか。
殺人とかではないですが不幸な依頼者を幸せに導く探偵です。今回は海辺のリゾート地を舞台に”ユニークな方法で事件”を解決します。このパーカー・パインには優秀な仲間がいてその仲間が非常に優秀です。どうやったらそんなすてきな人材が集まるんでしょう、、、、等と毎回思います。それも含めてユニークな作品です。

黄色いアイリス★★☆
この短編集の表題になってる作品。長編『忘られぬ死』の原型です。事件は悲惨な物ですが、ポアロが珍しく妖艶な美女と絡みますよ!と言ったら誤解をさせるかもしれません。でもそんなご褒美もたまにはアガサは書くのだなって思います。

ミス・マープルの思い出話★★☆
話を座って聞いてるだけで、事件を解決に導く”おばあさん”の話。つまり安楽椅子探偵ミス・マープルの話です。有罪確定と言われた知り合いの友人を救うのですが、現場に足を運んだりしないで、今までの人生経験と人間観察を武器として真犯人とその方法を導くのです。ネタバレになるので詳しくは書けないですが、男性は女性の服装などに対してあんまり違いを見いだせないんだな、とアガサはそこを歯がゆく思ってたかもしれません。それを逆手に取ったトリックになります。妻殺しの罪で絞首刑確定の容疑者から話を聞くだけで瞬く間に解決するのですからすごい話です。ですからそんなすごい思い出話を甥のレイモンドに話す形になりますがそれはシレッと自慢話にもなりますね。町医者と、最先端の大病院の医者との比較をしてる所なんてマープル自身も恥ずかしそうにしてはいますがまんざらでもなさそうです。

仄暗い鏡の中に★★★
私はこの話に魅力を感じます。不思議だしちょっと不気味で狂気を感じます。改めて読み返すと、、、読み返すたびに妙な何とも言えない怖さがありアガサの違った作品の楽しみ方が出来るのではないでしょうか。

船上の怪事件★☆☆
船の旅を楽しむポアロだったが、そこに事件が、、、という話。このお話はどことなくアガサの他の作品の『アレとアレを組み合わせたような話』だなって思います。ネタバレすると設定が『ナイルに死す』ぽいなと思うんです。(”ナイルに死す”を読んで短編を思い出したと以前書いたのですが、このお話でした!)サクッと読めます

二度目のゴング★☆☆
ポアロが依頼を受けて、その館に来てみれば、そのほんの15分前に依頼主が自殺しちゃってるっていうとんでもない話。当然自殺ではありません。お金持ちの家のルールはいろいろあるんでしょうが、ゴングが鳴ったら全員食卓を囲むとか、そういう食事のルールが出てきます。それが事件解決の糸口にもなります。ちなみに受けた依頼の内容は横領事件だったのですが、その横領事件も一緒に解決してしまいます。筋とは関係ないですがその場合、依頼主は亡くなってるしその分の報酬はポアロはもらえるのかな?なんてどうでもいい事を考えてしまう自分がいました!



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2024年07月28日

ミス・レモンについて(ポアロの秘書)

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ミス・レモンについて


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ポアロ作品に出てくる登場人物です

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ミス・レモンはポアロの秘書です。45歳くらいの女性秘書で、しっかりとした仕事ぶりのいかにもポアロが雇いそうな、そういった意味では申し分ない秘書として登場します。事務的な処理を絶対に”失敗しない”有能キャラです。
請求書の分別、業者への対応、手紙のタイピングなど秘書としてすべて完璧です。
あまり人をほめないポアロですが、その完璧さに一目置いてる感じがあります。ここまで聞くと下世話な話、ポアロと恋仲になっても良いのではと思うのですが、そうはなりません!

なぜなら彼女の唯一欠点ば”人間についての興味がない”ということなのです。

ポアロはミス・レモンに『どう思う?』と興味ある事件について聞いたりしますがミス・レモンはイラッとした顔で”私の仕事の範囲と違うことを聞かないでください、それは今必要ですか?”と、まるで機械のような無機質な答えで、ポアロをがっかりさせます。
人間に対する想像力があまりないタイプなのです。
ですから、秘書として優秀でもポアロと恋仲になりそうな雰囲気は全くありません。

想像豊かなポアロの友人ヘイスティングズとの比較に使われているようにも思います。

印象に残る作品としては短編『スペイン櫃の秘密』があります
短編集『黄色いアイリス』の中の一遍です


アガサの作品の『スペイン櫃の秘密』『バクダッド大櫃の秘密』は同じ題材で同じ内容の話ですが、雰囲気が違います。
『スペイン櫃の秘密』にはミスレモンが、事件に関わる人物の説明をわかりやすく説明させているシーンがあるのです。
『バクダッド大櫃の秘密』(短編集 クリスマスプティングの冒険の中の一遍)にはヘイスティングズが出てくるので、ミスレモンの出番はない感じです。そこも違います。微妙な違いを読み比べてみてもいいかもしれません。

長編で印象に残る作品としては 『ヒッコリーロードの殺人』 があります
”ヒッコリーロードの殺人”という長編の中では、ミスレモンの姉が関わる事件を依頼をするので、その時はいつもより出番が多く、人間的なところをのぞかせるシーンも出てきます。(そこも面白い所だなと思います)
他にもミスレモンの活躍を思い出せたら、随時追加していきますが、それにしてもポアロの秘書として、彼が雇うにふさわしいなと思える人物かもしれません。出番は少なくとも、ポアロの作品において印象に残る登場人物に思います。

ここで、邪推ですが
ミスレモンが、ポアロに対して機械的な受け答えを徹底しており、決して恋仲にならず女性的な”隙”が全く見えないのは、雇い主のポアロが変人に書かれていますので、もしかしたら、”雇い主としては良いけど絶対恋愛対象にはならないわ!面倒くさい!”というミスレモンの暗にそういう計画的意思表示なのかもしれないと最近思うようになりました。なんとも言えないですが。そこらへんも想像しながら読んでみるのもいいかもしれません。私はきっとミスレモンとは友達にはなれないけど、好きですね!興味深い人物です。



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2024年07月26日

ねじれた家 感想






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ねじれた家

ねじれた家.png

アガサがノリにノって書いています ★★★
後味のビター度          ★★★
最後まで犯人分からない度     ★★★
無人島に持っていきたい度     ★★☆

この作品はポアロなどの有名な探偵は出てきません。
ですが、アガサ本人が乗りに乗って書いてたいへんなお気に入りでした。(と言われています)映画化にもなりました。
あがさのはなし.png


私もこの作品を読んだ時、アガサの絶好調に楽しそうに書いてる姿が目に浮かびました。それぐらいに面白いです。面白いと言っても事件自体は陰惨でなんとも言えず恐ろしいのですが人間の心理描写も細かいし登場人物が魅力的(登場人物全員が好ましい人物ではないですけど)に書かれていて素晴らしいです。
なんと言っても人物の性格の書き分けが素晴らしいです。微妙な表現力、描写が、飽きさせません。
いかすけない嫌なヤツばかり出てきますが一体この家の何が一番ねじれているのか?最後まで分かりません。

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ネタバレなしの紹介

この作品の主人公は、探偵ではありませんが、淡々と起こる事件の関係者としても語り部としても大変に魅力的です。アガサの表現の仕方が絶妙に上手いのです。
主人公はお金持ちであるアリスタイドの孫娘に恋をして婚約するのですが、そのアリスタイドというのが一癖も二癖もあり一族を敷地内に住まわせ、権力をふるっている高圧的な人物なのです。
読み始めてすぐに既に何かがねじれてるなと思わせる設定です。
アガサはそんな風変わりなお金持ち老人が一族を支配しているのを題材に作品を書くことがありますが、この作品もその一つと言えます。

アリスタイドの孫娘は”私はそんなねじれた家の人間なのだ”と主人公に告白するのですが、彼女と結婚したい主人公はその実家に怖いながらも挨拶に行くのです。婚約中の相手の家に挨拶に行くとなんとその一家の嫌われ者のアリスタイド老人が毒殺され、いったい誰が?という犯人探しになります。
孫娘も他の親族も殺したいと思っている人だらけで誰もが犯人らしく思えるのです。
物語にまとわりつく、ねちっこい人間模様が不気味で何とも言えません。

この作品が自分は好きですが、作品として好きであって、ミステリーとして好きかと言われると、難しいです。結末も含め完全に好みの問題です。
実際自分は、この作品の面白さに気付いた時一気にこの作品を読み切りました。
ミステリーというよりは、ホラーに近いかもしれません。不気味な雰囲気がまとわりついていて、そういう描き方もアガサは得意だと思います。

読み進むにつれてどんどん、アガサのペンが走っているのが分かります。
言い方が難しいけど、この不気味な話を、アガサは多分笑顔で書いています。読者に楽しんでほしいと書いてるのが分かります。そんな作品です。
最後はやはり、読者はとんでもなく迷宮に入り込み、裏切られ、してやられた!と思わされるのです。(結局、アガサに翻弄されて楽しんでいる自分がやっぱりいます)
自分の好みかどうか別にして文句なく傑作の1つと言えます。(複雑な言い方ですが本心です)
皆様の評価も分かれるかもしれません。
もとかれ.png


※フジテレビドラマで”元彼の遺言状”綾瀬はるかさん、大泉洋さんでされてますがドラマの中に『ねじれた家』出てきますね。でも原作も読んだんですが、そんなに本筋に直接は関係ないような、、、そもそもドラマの篠田役の大泉さんも随分原作とは違う人物ですから、全然別物として楽しむ内容だと思います

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リステダール卿の謎 (短編集)感想






リスタデール卿の謎


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リステダール卿の謎


ユーモアミステリー度            ★★☆
さくっと読める度              ★★★
ポアロもマープルも出てこないがとても面白い度★★★
無人島に持っていきたい度          ★★★ 


この作品は早川ミステリー文庫の短編集の作品です


12編の作品がまとめられていますが、この作品集の中にポアロやマープルのような
有名な探偵は出てきません

しかし、1話ごとに違う主人公が、ある時は何気ない日常から、ある時はユーモアたっぷりに謎にかかわる姿がユニークで、とても面白い作品集です

アガサの多彩な才能を存分に感じることが出来るでしょう。
もちろん12編もありますので、その中にも特にお気に入りのもの、そうでもないもの(正直ですみません)もありますが、ミステリーの多様性に驚かされるのには違いがありません。
そして登場人物が個性的で富裕層からそうでもない人々まで書き分けられています。

アガサクリスティー初心者の方は、最初は、ポアロや、マープルを読み、その魅力にハマったところで、この短編集を読んでみるとより、奥深い魅力に気付けるのではないでしょうか。

もちろん、最初からこの短編集を手に取った方もいらっしゃるでしょう。
その方は、是非目次順に読んでいくことをお勧めします。
実にうまいこと、バラエティーに富んだ作品の中にすんなりと入っていけるような並び順だなと思うからです。
どちらかというとサスペンスよりミステリー作品の方が多い短編集ですので、怖いのが苦手な方にもおすすめ出来ます。

作品ごとの紹介

リスタデール卿の謎
 この短編集の巻頭を飾る作品。サクッと読めて大好きな作品です。
ちょっとだけ富裕層の特権意識が気になりますが(個人的に)登場人物の性格が憎めないように書いてあるので、主人公に感情移入できます。この、日本人にはなじみにくい名前”リスタデール”も”卿”も言いにくいし覚えにくいので、似たような題の『エッジウェア卿の死』と間違う可能性があります!全然違う作品ですけどね。
そちらは長編ですし名探偵ポアロの作品ですので、くれぐれもお間違いのないように!

ナイチンゲール荘
 これも大好きな短編です。『うぐいす荘』と全く内容は同じお話です。訳者が違う事と、出版社が違うという事だけと思われます。どちらの作品も好きで別のページで紹介しているくらい思い入れがあります。詳しくはそちらを参考にして下さいますように。

車中の娘
 放蕩息子というか、厳密には”甥”ですが、金持ちボンが出てきます。腹が立つほど脳天気です。
しかし短編ながらドラマチックでこんなコメディー映画ありそうかな?と、思う作品です。
というのは男の人が10人いたら8人くらいは夢に見るような、美女との出会いや冒険の話だからです。
話の筋とは関係ないですが出てくる執事が、魅力的です。出番が少ないのに実に小粋に書かれていて、この当時の執事というのは本当に気が利いていてシャレが効いていたのかも、と勝手に思います。私はどちらかというとこの執事に恋しそうです。

六ペンスのうた
 引退した弁護士の元に、かつての”青春”が訪ねてくるところからはじまります。過ぎ去った美しい思い出を連れてきて、無理やり事件解決に乗りださざるえません。事件自体は殺人ですし、悲惨なものですが、無事に解決できます。この話の面白さは、引退した初老の弁護士の男が、人生の”青春”を一瞬思い出し、しかし”今、現在”を最も愛していると確認するところでしょうか。

エドワード・ロビンソンは男なのだ
 これはお金持ちではない、現実をつつましく生きる男のロマンの話です。長く付き合ってる女友達がいて、婚約も近いかと思われるのですが、このまま結婚すると彼女の尻に敷かれるのは目に見えている。ある面ではしっかり者の彼女に惚れているのも事実なんですが、どうにも、このまま結婚するのは物足りない気がしている。そんな時に訪れる彼の運命の転機は?というお話。女の人はこれを読んで”全くしかたないなあ、男の人って!”と思うだろうと思います。

事故
 これは、この短編の中でもっともゾっとする話です。詳しくは言わない方が、いいと思うのであえて詳しくは触れずにいようと思います。

ジェインの求職
 これは現実をつつましやかに生きる若い女性が主人公の話。明日の食事もどうなるか分からない切羽詰まった状況の中、仕事を探さなきゃならないのに、なかなか見つからずにいたところに怪しげな求人広告が目に留まり、、、という話です。
ミステリー好きの人ならコナンドイルの『赤毛同盟』という小説を思い出すかもしれません。言っておきますが中味は全然違いますよ!
若い女性の就職活動のあるあるに、感情移入できてしまうので、そこからのあり得ない展開も許せます。

日曜日にはくだものを
 つまんないと感じている日常にスパイスがふりかかる話です。そんな感じのお話です。サクッと読めます。

イーストウッド君の冒険
 この話がユニークなのは”キュウリの話”をアガサが思いつくってところです。多分アガサ本人も小説のネタに困った事があるんだろうなと、思わずにいられないです。

黄金の玉
 小粋な題名をつけることに定評のあるアガサにしては、ピンとこない題名を付けたな〜と思いますが、想像もつかない展開になっていきます。ユーモア小説です。主人公に全く感情移入はできないけど(自分は)

ラジャのエメラルド
 これは自分的に大好きなお話です。胸がスカッとするような。身の置く場所で考え方が変わってくる話で、アガサは、富裕層の立場もそうでもない立場も実に簡単に描き分ける人だなと思います。そこが全く嫌味がないので素晴らしいです。



個人的な感想で紹介させていただきましたが、サクッと読めるユニークな作品が多い短編集なので
ポアロもマープルも出てきませんが、楽しめますよ!
是非読んでみてください(*´▽`*)



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2024年07月25日

ひらいたトランプ 感想





ひらいたトランプ


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ひらいたトランプ

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ゾクゾク度        ★★★
何度も繰り返し読む度   ★★★
人物が個性的すぎる度   ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

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エルキュール・ポアロが出てくる作品です。
(悪友の推理作家のオリヴァも出てきますよ)

ひらいたトランプという題名であるように、トランプのゲームが出てきてきますが、ババ抜きじゃないですよ!この作品は日本人にはなじみのないゲームが出てきます。

ルールは分からないけれど、トランプのゲームに登場人物が熱狂している描写が出てくるので、面白いゲームなのでしょう。賭け棒とか出てくるし、賭け麻雀に近いのかもしれません。

もちろん、そのトランプゲームが、事件の大事な要になってきますが、ルールを知らなくとも楽しめる作品です。”外国にはこんなトランプゲームがあるんだな”程度でいいので、読み進めて下さい。

実は小学生の時に読んだときは、こんなゲーム知らないなあ、という思いが強くてあんまり面白く感じなくて、むずかしいなあと思った作品でした。
でも大人になった今、読めば読むほどゾクゾクして面白い作品です。ゲームのやり方が問題なのではなくて、いろんな大人がいることの象徴でゲームが使われているんだと分かってから読むから今の自分はとてもこの作品が好きですね。




ネタバレなしの紹介

犯罪に関することを、コレクションして楽しんでいるという悪趣味なシャイタナ氏が出てきます。
その悪趣味が高じて、なんと殺人を犯してまだ捕まってない人を5人集めてカードゲームをする催しを開催するのです。(証拠はありません、ただシャイタナ氏が”知っている”だけなのですが)
とらんぷ.png

招待されたその中には5人以外の警察関係者も何人か集められていました。そのグループにはポアロとオリヴァがいました。シャイタナ氏は犯罪者達を警察関係者と一緒の場所に集めることで、犯罪者の苦しむ様を、密かに楽しんでいたのです。

そんな犯罪者たちをコレクションして楽しんでいた”シャイタナ氏”という嫌なヤツが結局殺されてしまうのですが、犯罪大好きなシャイタナ氏にとってはある意味本望かもしれません、ひどい話ですがそれくらい悪趣味な人なので仕方ないですね。
一緒にいたのは、アン・メレディス、ドクター・ロバーツ、ロリマー夫人、レイス大佐、デスパレート大佐の5人ですから、この中の誰かが犯人なのは確かなのです。

ひらいた.png

その人間性はさておき、犯人のトランプゲームの様子、ゲームのやり方には性格が如実に出ることを見事に表現しているアガサの人間観察の鋭さがすばらしいです。何回も言いますが、このトランプゲーム自体が分からなくても、大丈夫です、楽しんで読めます。

最後の最後まで全員怪しいし動機もあるのです。
私は何回も読んでますが、結末を知っててもやはり面白いです。
定期的に読みたくなる一冊なのです。













杉の柩 感想

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杉の柩


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杉の柩(すぎのひつぎ)
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愛憎の表現の
ロマンチック度 ★★★

最後のどんでん返し
驚き度  ★★★

ポアロの
冴えわたり度 ★★★

無人島に持っていきたい度★★★




この作品は

個人的に大好きな作品です!


どう見ても

有罪としか見えない

不利な状況下で

依頼を引き受けるポアロが

カッコいい作品です。


依頼人にとって

最初から不利な条件が

揃っていて被告人の

死刑確実の案件です。



ポアロの依頼人の希望は


殺人の罪で裁かれている

被告人エノリアを

無罪にすること


なかなかな問題を

抱える難しい依頼です。


被告人エノリアは、

お金持ちで

洗練されている聡明な

美女です。

彼女は生まれたときから

苦労をしたことがない

お嬢様なのです。

彼女には

幼い時から決められたロディー

という婚約者がいるのですが

エノリアはこのロディーを

めちゃくちゃに

愛しているのです。

ロディーもエノリアと

結婚することに

なんの不満もありません。

そのまま行けば、

この二人は結婚したでしょう。


エノリアにとって

何も心配は要らない未来が

待っていたはずです。


しかし、

いよいよそのロディーと

結婚間際という時に


メアリーという若い女が

ロディーを奪ってしまうのです



メアリー・ゲラードは

使用人の娘なのですが、

特別に雇い主によって

教育もバッチリ受けてきており、

性格も可愛く、

容姿もカワイイのです。


ロディが恋に墜ちても

仕方がない可愛さなのです。



美しいメアリーに

愛しの婚約者

ロディーが心奪われて

しかも、ロディーとメアリーが

結婚してしまったら、

失恋どころかエノリアの財産も

奪われかねない

ピンチな状態なのです。


エノリアは表面的に

冷静さを装いますが

心の中は激しい嫉妬や

憎悪が湧き上がっていきます。



まさにそんな時に

メアリーがエノリアと一緒の時に

毒によって死んでしまうのです。



エノリアには

動機もある、

機会もある、

そして、

なにより被害者を殺したいと

思う感情が渦巻いたことを

読者にも明確に匂わせているので

エノリアは犯人として

みられても仕方がないのです。


状況的に真っ黒黒なのです!

あい.png


しかし、

そこに、エノリアに恋する男、

ピーター・ロード医師がいます!

(ちなみにエノリアは

何とも思ってません

何ということでしょう!)



ピーター・ロード医師が

片思いのエノリアのために

有名なポアロに

無罪を証明してほしいと

依頼するのです


なんと健気なピーターでしょうか。


まさに、

愛の泥沼三角関係物語!


トリックとしても

すばらしいミステリーの幕が

開きます。


最後の謎解きが

裁判形式で進んでいくのも

珍しいです。
(ドキドキします)


トリックのヒントとしては

アガサの看護師時代の

知識も出てきます。


ちょっと最後に

バタバタとご都合主義の

医療の知識を持ってくる

ところもありますが、

それを吹き飛ばすぐらいの

説得力はあります



そんな専門的な

トリックはともかく


自分が感銘を受けたのは、

この作品にちりばめられた

アガサの愛に関する

うんちくの言葉や

セリフの数々です。


いろいろあった

アガサですから

(実生活で結婚、浮気、

不倫、離婚、再婚など経験)

説得力があるんです!



ポアロは一生独身ですが、

アガサが書く

主人公だからでしょうか?

愛に関して決して、

無頓着ではありません。


自己愛が強い変人には

書かれていますが、

その根底には

優しいポアロおじさんの

顔があることを

感じ取れるような

キャラクターなのは、

さすがだなあと思います
おじじ.png

この作品の最後の

ポアロの台詞は、

憎いくらいカッコいいです


これから読まれる方は

そこも楽しみにしてください


sugi.png
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posted by agata5 at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 杉の柩
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