ウンウンオクチウム (英語: ununoctium) は、原子番号118の元素。元素記号は Uuo。発見報告のある中で最も重い超ウラン元素だが、正式に認定されていないため IUPAC による仮名(ラテン語由来で「118番の元素」という意味)で呼ばれている。
目次 [非表示]
1 歴史
2 性質
3 1999年の「発見」
4 出典
5 関連項目
歴史[編集]
2002年、ドゥブナ合同原子核研究所でカリホルニウムとカルシウムから元素合成された[8]。
\,_{{20}}^{{48}}{\mathrm {Ca}}+\,_{{98}}^{{249}}{\mathrm {Cf}}\to \,_{{118}}^{{294}}{\mathrm {Uuo}}+3\,_{{0}}^{{1}}{\mathrm {n}}
1または2原子が生成し2005年にはさらに2原子を生成したが、未確定となっていた。
ウンウンオクチウムの崩壊系列
2006年10月9日、ドゥブナ合同原子核研究所とローレンス・リバモア研究所の共同研究チームが116番と118番元素を同時に発見した[9]研究で、294Uuo が3または4原子生成された。半減期は0.89 (+1.07 -0.31) ミリ秒で、α崩壊してリバモリウムになったとされる。
2011年1月に発表された、IUPAC と IUPAP の113から116および118番元素についての合同作業部会の報告書[10]では、118番元素の認定は見送られている。
性質[編集]
第18族元素に属し、周期表でラドンの下に位置することから「エカラドン」(eka-radon) と呼ばれることもある。電子配置上、Q殻のp軌道が閉殻(P殻の6f軌道は空位)で安定していることからシミュレーションが比較的容易で、生成に成功する以前から物性値を推定する研究が進んでいた。
化学的な性質は、ほかの希ガス元素に比べると反応性が高いと考えられ、キセノンやラドンと同様に安定した化合物(塩化物やフッ化物)を作ると見られる。酸化数は0以外にキセノンやラドンで見られる+2, +4が予測され、三酸化物 (UuoO3) の可能性もある。
1999年の「発見」[編集]
1999年に米ローレンス・バークレー国立研究所が「最も重い元素」であるウンウンオクチウムを発見したと発表した。しかし、2002年7月、この研究成果は研究者による捏造であったことが発覚した。
出典[編集]
1.^ a b c d Nash, Clinton S. (2005). “Atomic and Molecular Properties of Elements 112, 114, and 118”. Journal of Physical Chemistry A 109 (15): 3493–3500. doi:10.1021/jp050736o. PMID 16833687.
2.^ a b “Moskowium”. Apsidium. 2008年1月18日閲覧。
3.^ a b c d Eichler, R.; Eichler, B., Thermochemical Properties of the Elements Rn, 112, 114, and 118, Paul Scherrer Institut 2010年10月23日閲覧。
4.^ a b Kaldor, Uzi; Wilson, Stephen (2003). Theoretical Chemistry and Physics of Heavy and Superheavy Elements. Springer. p. 105. ISBN 140201371X 2008年1月18日閲覧。.
5.^ a b Seaborg, Glenn Theodore (1994). Modern Alchemy. World Scientific. p. 172. ISBN 9810214405 2008年1月18日閲覧。.
6.^ “Ununoctium”. WebElements Periodic Table. 2007年12月9日閲覧。
7.^ Oganessian, Yu. Ts.; Utyonkov, V.K.; Lobanov, Yu.V.; Abdullin, F.Sh.; Polyakov, A.N.; Sagaidak, R.N.; Shirokovsky, I.V.; Tsyganov, Yu.S.; Voinov, Yu.S.; Gulbekian, G.G.; Bogomolov, S.L.; B. N. Gikal, A. N. Mezentsev, S. Iliev; Subbotin, V.G.; Sukhov, A.M.; Subotic, K; Zagrebaev, V.I.; Vostokin, G.K.; Itkis, M. G.; Moody, K.J; Patin, J.B.; Shaughnessy, D.A.; Stoyer, M.A.; Stoyer, N.J.; Wilk, P.A.; Kenneally, J.M.; Landrum, J.H.; Wild, J.H.; and Lougheed, R.W. (2006-10-09). “Synthesis of the isotopes of elements 118 and 116 in the 249Cf and 245Cm+48Ca fusion reactions”. Physical Review C 74 (4): 044602. doi:10.1103/PhysRevC.74.044602 2008年1月18日閲覧。.
8.^ Results from the first 249Cf+48Ca experimentドゥブナ合同原子核研究所
9.^ Synthesis of the isotopes of elements 118 and 116 in the 249Cf and 245Cm+48Ca fusion reactionsアメリカ物理学会
10.^ Discovery of the elements with atomic numbers greater than or equal to 113IUPAC
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2014年02月13日
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