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CajonDrumerTetsuya
2017年に倒産したドラムメーカーでドラム職人、カホン職人をしていました。その後、新しく立ち上げたカホンメーカーに合流後、現在は木工職人、ドラム講師、カホン講師、演奏者、ドラムサークルファシリテーター等で活動しています。
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posted by fanblog

2022年02月11日

ドラムのハイブリッドシェルについての考察

こんにちは。むっちゃひさしぶりです。元ドラム/カホン職人のTetsuyaです。

昨今の『新しい生活様式』ところからオンラインでの研修や会議等々、増えてきました。
音楽の世界でも増えつつありますね。

そうなるとドラムセットのような楽器になると防音、あるいはご近所に迷惑がかからない田舎に引っ越すとか、いろいろ考えなくちゃいけない転換期かもしれないですね。

ちょっと前までコンパクトなドラムセットで持ち運びしやすいことを考えていましたが、いまは頻繁にライブができる状態じゃなくて家で叩く、、。
そうなると、家用のガッチリした良いドラムっていうのもあったほうがいいですよね。

YAMAHAには『PHX』というフラッグシップモデルがあります。
このドラムはハイブリッドシェル:メイプル+カポール+ジャトバという構成でできています。

「ハイブリット、、、?」って、、何やねん?って最初に聞いたときの感想(笑)
「異種のものを組合わせたもの」という意味になるんだけど、それまでにもメイプル+ポプラのような異種の組合せはいろいろ存在していた。それをわざわざ言う必要あるん?っていうのが「何やねん?」っていうこと(笑)
01_01.jpg

PHXの胴構成は堅い素材のジャトバを芯にして、そのまわりを次に比重の高いカポールで囲み、この中で一番柔らかいメイプルを外側に組み合わせ。「堅い素材を芯にしていることで、ドラムの振動を活かしきることができるようになりました。」ということです。
しかし、PHXは高い!!

そのヤマハドラムス最上位機種「PHXシリーズ」より受け継いだハイブリッドシェル構造を採用した新しいアブソルートハイブリッドメイプル(新しいといっても、、2014年発売)
「シェルの中心部に強度の高いウェンジ材を採用し、その両側をメイプル材で挟み込んだハイブリッド構造。〜プレイヤーが求めているサウンドを最大限に実現する〜それを叶えるのがアブソルートハイブリッドメイプルです。」(ヤマハHPより引用)

YAMAHA Absolute Hybrid Maple 4pc Drum Set [AMP6F3+AMB2218] [BD22、FT16、TT12&10]

価格: 279,675円
(2022/2/11 21:41時点)
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スネアも同じ構成であります。ぜひ、1台もっておきたいところ

YAMAHA 《ヤマハ》 AMS1460:SOB [Absolute Hybrid Maple/ソリッドブラック]

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(2022/2/11 21:42時点)
感想(0件)



なるほど、、これらのハイブリットは堅い素材を中芯。
いままでは(例えばラディック レガシーメイプルなど)ポプラのような柔らかい木材の外側をメイプルのような硬い素材で囲む、、というのが一般的でした。
音は温かみのあるふくよかな音っていう印象があって結構好きです。

ハイブリット=2種類以上の素材で成形するという定義であれば

ラディック /ニューソニックシリーズ
インナー / チェリー3プライ + アウター / メイプル3プライのハイブリット




TAMAのStarclassic Performerシリーズ
メイプル+バーチのハイブリット(構成はTT/FTとBDは違う)




同じシリーズでスネアも

TAMA MBSS65-SKA Starclassic Performer 14 x 6.5 スネアドラム

価格: 37,840円
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TAMAの スネアにはスタークラシック・ブビンガという硬質のブビンガ1plyにメイプル8plyのハイブリットもあります。

TAMA スタークラシック・ブビンガ BS1465

価格: 66,825円
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パールドラムのエントリーモデル「エキスポート」シリーズ
マホガニー&ポプラのハイブリット、、スネアまでついてこの値段!安い!



上記のものハードウェアとシンバル付きのドラムフルセットでもこの値段!!!




安すぎでしょ・・?
ドラム職人としてはちょっと嫌になる(笑)

最初にも書きましたが、2種類以上の素材で成形するドラム、ハイブリットドラムは昔からありました。
どちらかというと上位機種というより、パールのようなエントリーモデルや、中級モデルまでが多かったように感じています。(個人の感想です)
ヤマハには昔、ロックツアーカスタムというドラムがありました。(記憶では90年代初期の生産)
スクリーンショット (626).png
←こんなマークのドラムセット

こちらは外側から硬質な樹脂+バーチ+フィリピンマホガニー+バーチのハイブリット。
この硬質な樹脂、現在のヤマハLive Custom Hybrid Oakに使われているフェノールシートに近いものじゃないの?と思っているのだが、この推測はあたっているだろうか?

このドラムは国内で人気が高かったようだけど、短命におわった。たまにスタジオなどで見かけることはある。。
音はパワフルで地響きのするサウンドという宣伝文句だったと思う。
そのポスターにはゴジラもどきの怪獣が映っていて『Rock monster』って書いてあったハズ。。

しかし、地響きのするサウンドには偽りがなく、当時サカエリズム楽器に手作りのスタジオがあったのだが、そこで先輩がロックツアーカスタムを叩いたとき、窓ガラスが音圧でジリジリと鳴っていました。

『うーーん、ロックしてるよー』って思った私です。
それに感動して、ロックツアーカスタムのツーバスセットを購入してしまった単純な私です(笑)

私見ですが、ハイブリットドラムは大きく分けて3種類
?@パールのエントリーモデルのように安い素材で剛性を高めることを目的としたハイブリット
?AヤマハPHXのように材質の違いで音をコントロールするためのハイブリット
?B上記2つの理由のハイブリット

おそらく音のことと予算のことを考えると?Bが現実的に購入しやすく実用的な気がします。
ドラムはライブ環境(PAの発展も)使用環境に応じて、胴体の構成(材質や厚さ、ハイブリットも含む)、深さ、ドラムヘッド、金属部品などのパーツ、ドラムセットの構成(タムの数や、セットのサイズなども含む)それに伴い、スタンドなどのハードウエアも進化し続けています。
ざっくりいうと、
とにかくタイコの形になってて音はチープ→音を最大限に鳴らす→コントロールされた音質
というふうに変化してきたような気がします。

いや、世の中の変化に対応し、進化してきたって思います。

当然そこには新しい音楽のスタイルが生まれ、生活の仕方も変化していると思います。
コロナ渦で生活スタイルが急激に変わっていく昨今、いろんなことが追い付いてない感はあるけど、試行錯誤して進化していくのでしょうね。

今回の記事があなたのドラムライフにお役に立てたら嬉しいです。
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