2020年07月31日
塗装ドラムとカバリングドラム、どっちがいいのん?Part 2
前回の続き、、今回は塗装ドラムのことについてです。
こちら、2011年頃発売されたYAMAHAクラブカスタムです。
実はこちら塗装なんですね。スワールフィニッシュと言ってました。これはこちら、、
ラディックのModOrangeという色、、カバリングです。これを塗装で再現した。。というのがYAMAHAクラブカスタムのスワールフィニッシュです。
『こんなことカバリングでええやん!』って、誰も言わなかったのが我々、職人集団(笑)
今考えると、全員が職人魂を持ってたんですね。やっぱりクレージーです。
どうやってやったかというと、スワールオレンジの場合は下地に黄色を塗って、乾燥後にオレンジを吹き付けて乾燥前にヒモで模様を付けます。
付け方は、ドラム胴を回転させて、ピンと張ったヒモをランダムに胴体に押し付けるというやり方。
当然、胴体の回転スピード、ヒモの太さや種類、押し付ける強さ、塗料の粘度や乾燥具合で、付き方が全然違います。
それを、、全く同じではなく、逆に全然違うわけでない、、見た目は同じように見える模様に、何百台、何千代も作ってたんですから、、。塗装の職人技スゴイっすね。
僕はどちらかというと木工職人でしたので、尊敬の眼差しで見ていました。
これでみるように、他の塗装ドラム(ラッカー仕上げの場合)もそうですが、基本的には塗料は分厚くのっています。もちろん、カバリング(1mm前後)ほどではないです。
塗装工程は塗って→磨いて→、、の繰り返しを3回くらい繰り返し仕上げています。ですので、極力薄い、、ですが、塗料はムッチャのっています(笑)
これは、次に紹介する オープンポア仕上げとの決定的な違いは 『導管』 が埋まっているということなんです。
塗装は(カバリングも)見た目をよくするという役割もありますが、ドラム胴体を保護するという役割もありますんで、導管が埋まってるっていうことは湿気など外気の影響をほとんど受けないってことになります。
スワール塗装は、ただ単純に色を塗るだけではなく、塗装によって装飾を加えることでドラムの個性を出していました。
こういう装飾を加えるのは、当時のアブソリュートシリーズでもエンボスド×××や、ピンクフレイクス、など、etc..でありました。
当時はこう言って塗装を加飾塗装と言っていました。
今思えば、YAMAHAしか無かった?(僕が知らないだけかもしれないが、、)
塗装の場合、上記のように木材を隠ぺいする塗装と、杢目を見えるようにするシースルー塗装というのもあります。
塗膜の厚さの多少の違いはあれど、やはり基本的には工程は同じです。
また、シースルー塗装の中に希少性の高い美しい木目を基調としたドラムもあります。
これはいわゆる『ツキ板』と呼ばれる加工で、ざっくりというと木材の表面化粧で薄くスライスした『銘木単板』を貼り付けた上からシースルー塗装をしています。YAMAHAでいえばPHXなどそうです。
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ここまで説明すると
『あれ?カバリングだけじゃなく、塗装のほうも胴体にかなり塗膜がのってたら、結局は胴体の鳴りを妨げているんちゃうん?』 と思われると思います。
そうではなくて、カバリングも塗装の塗膜も胴体と一体となって胴鳴りをしているんです。
ですので、カバリングと塗装という違いはもちろんのこと、厳密にいえばそれぞれの色によって、鳴り方、響きなど、違うんでしょうけど、違いのわかる人いないと思います。。たぶん!(笑)
もちろん、明らかに違うのであれば製品化しないでしょうし。。
商品にするときには各メーカーは試作しています。これでもか、これでもか、、というくらい(笑)
塗装の話ではないですが、接着剤を変えようという試作をしたときがあって、、、(ドラムが合板である以上、接着剤の層は何層もある、、例えば6プライの胴体ということは1プライ、1プライの間に接着剤の層があります)、、、いろんな接着剤を試す中で、ある接着剤では全然胴鳴りがしない!っていうこともありました。・・このときは結局、接着剤は変えなかった。。というより、僕が入社してから一貫して接着剤は同じものを使用していました。
試作では、音はもちろんのこと、長く使えるように過酷な状況下でも耐えれる仕様かどうかまでチェックしており、それこそ、ハギさん(YAMAHAドラムを作った人)が 『何十年経っても評価されるドラムを作ってるんだ。ドラム作って数年のメーカーと訳が違う』
と、言ってた通りの取り組みです。
オープンポア塗装について
僕がYAMAHAドラムを製作している当時、オープンポア塗装といえばヴィンテージナチュラルという色です。
画像はつい先日、ツイッターで知り合った方からいただきました。ビーチカスタムアブソリュートのセットです。ビーチの杢目が際立って美しい。。
これは現在のAbsolute Hybrid Mapleにもラインナップとしてあります。ビーチほどは杢目がでませんが、杢目を生かした塗装です。
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ヴィンテージナチュラル塗装ができた当初(メイプルカスタムの最初)は、 ”今までのドラムと胴体の鳴り方が違う” と、カタログに音の波形まで載せて違いをアピールしていました。
確かに、塗膜自体は薄いし、というより、塗膜って言っていいかどうか?わからんっていうくらいです。。
胴体に色を付けてるっていう感じです。
当然、木材の導管は埋まっていないんで、胴体の振動を妨げるものは無いし、それでいて、湿気などの環境の変化からドラムを守るっていうのは、今考えれば画期的ですね。
ただ、このヴィンテージナチュラル、欠点がありました。今は改良されていると思うけど、経年変化で色が濃くなっていくのだー。んで、ドラムセットの色がバラバラになるという(笑)
当初、ヴィンテージナチュラルは経年変化で色が変わりますよー、最初はバラバラの色も年数が経てば、色が揃ってきます。ということをカタログに書いてありました。
でも、、しばらく経つとクレームが来るんですよねー。 『色が違う』 って言って。
いや、、 『カタログに書いてあるやん!色が変わっていくって、、もっと待ってたら色が揃うねん』 って、思ってカタログを確認したところ、、
あれ?書いて無い!(笑)
いつの間にかカタログから削除されてました(笑)
後々、アブソリュートシリーズが始まったころから、UV塗装という工法を取り入れ、色も安定しクレームもなくなってきました。
確かに、、 『色がバラバラだけどそのうち色が揃う』って、『いつやねん!』 って話ですよね。そんなことよくカタログに書いたなぁー、、って思います。
メイプルカスタム発売当初1991年ごろ、、古き良き時代です(笑)
オープンポアの塗装は他にもあると思いますが、塗装工程のことなど各メーカーともに詳しく書いてあるわけでないので、見た目で判断するしかないですね。
ラッカー仕上げ、いわゆるグロス仕上げはツヤツヤ、テカテカ。僕らは鏡面仕上げと言ってました。文字通り、鏡のような面に仕上がります。スマホで写真撮った時に自分の姿が胴体に写るのであれば鏡面仕上げです。
オープンポアはオイルフィニッシュなどがそうですが、ツヤのない木材の質感を残した感じです。あまり塗装やカバリングで音が違うとか気にもされたことがないとは思いますが、同シリーズでカバリングと塗装の設定がある場合は、このようなことも少々考慮されたらいいと思います。
とはいえ、前述の通り大きな違いがないので、自己満足の世界かと思いますが(笑)
塗装の話で印象に残っているのはYAMAHAレコーディングカスタムのリアルウッド塗装です。
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現在の新レコーディングカスタムにも設定されている色ですが、旧レコカスでも神保彰さんのモデルでドラムセット『YD9000AJ』を2010年ごろに作った話です。
これはまた次回に詳しく解説いたします。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
2020年07月25日
塗装ドラムとカバリングドラム、どっちがいいのん?Part 1
ドラムという楽器は、他の楽器に比べて色が豊富で、塗装とカバリング(色のついたシートを巻き付ける)があり、同じ塗装でも表面をツルツルにするようなラッカー仕上げ、木材特有の木目を生かしたオープンポア仕上げがあり、
カバリングでも1mmを切る厚さもあれば、1mmを超える厚さのカバリングもあって(もちろんコンマ何ミリかの世界です)カラーフィニッシュでも音に影響があるような気がします。
僕がドラム製作の会社に勤め始めたころ、やっぱりドラムをしている先輩方もたくさんいましたので、
休憩中は
『ドラムは塗装のほうが胴体を締め付けていないから音が良く伸びるんちゃうかー?』
『いや、カバリングのほうが音に締まりがあって良い音がする』・・・というようなドラム議論ばかりしてました。(笑)
当時の僕は塗装派で、なにしろ当時のYAMAHAの最高級ドラム レコーディングカスタムは塗装しか無かったので、塗装のほうがいいに決まってる!と思っていました。
真相の程は、、はっきり言ってわかりません(笑)
わかりませんが、カバリングドラムと塗装ドラムを工程から検証し、その特性を踏まえドラム選びのヒントと捉えていただければ幸いです。
僕の検証ですので、日本製YAMAHAドラムと旧SAKAEドラムになりますが、基本的には現在流通しているものは同じような工程になるはずです。
さて、、僕が先日購入したホワイトマリンパールのYAMAHAビーチアブソリュート(初代)を見てみましょう。
画像はバスドラムですが、胴体とフープのカバリングの色合いが違いますね。少々日焼けしているっていうのもありますが、フープのほうが黄色っぽい。
これは、初代アブソのホワイトマリンパールは半透明のため、下の胴体の木地が透けて見えるんですね。
その為、胴体をホワイトに塗装し、その上にホワイトマリンパールのシートを巻きます。しかし、フープの場合はカバリングを巻く真ん中部分にホワイトを塗るのは手間がかかるので、塗っていない木地の上からホワイトマリンパールのシートを巻きます。そのため、木地の色そのものが出やすい。ということです。
この半透明の色合い、下の木地を白く塗っても少々木地の影響が出すんですね。
半透明のホワイトマリンパールは、ヤマハでは当時発売されていたヒップギグシリーズと初代アブソしか使っていなくて、アブソ二代目以降ではのに裏側に白い隠ぺいするシートを貼り付けたホワイトマリンパールになっています。そのため、仕上がりはムッチャ『ホワイト!』って感じです。
例をあげると、ラディックのクラシックメイプルシリーズにある
ホワイトマリンパールとヴィンテージホワイトマリンパールくらいの色合いの違いです。
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作ってるときに気が付く事ですが、半透明ホワイトマリンパールのほうが質感が柔らかい。これもコンマ
何ミリかの話なんですが、厚さが違うんですよねー。
僕としては半透明ホワイトマリンパールのほうが味わい深くて好きなんです。
当初はホワイトマリンパールしか無かったカバリングの種類。二代目アブソリュートシリーズで10種類に増えました。
二代目アブソリュートシリーズ当時のカタログ。。カバリング&塗装ドラムで49種類!クレージーです(笑)
実際のところ、注文がきたドラムセットで見たことある色合いは限られていますが、、(笑)
アブソリュートシリーズの場合、カバリングはドラム本体に両面テープで貼り付けます。その他、全体に張り付ける品番もあるし、安い子供用のマーチングドラムでは部分的に両面テープもあり、接着剤で貼り付ける品番もありました。
ということで、どうしてもカバリングは塗装ドラムに比べて胴体の厚みが厚くなります。
もちろん塗装には出せない模様などがあって、他の楽器にはない魅力だと思うんですよねー。
カバリング(かと思われる)ドラムセット↓
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こう見るとカバリングは、ヴィンテージっぽく感じるのと、風格が感じられますね。昔良き時代のドラムセットっていう感じはあります。
他にもあるかと思いますが、ヤマハは現在ないんですね(たぶん!)
ヤマハは2011年ごろ〜2013年に発売したクラブカスタムでカバリングみたいなフィニッシュを塗装で再現するってことをしました。
これについては次回に書こうと思います。
ゆっくりペースで書いていくのでボチボチとお付き合いください。次回は塗装をメインに書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2020年07月23日
YAMAHAビーチカスタムアブソはかく語りき
前回のブログ 『ヤマハドラム全盛期から現在』 でたくさんのコアなYAMAHAドラムファンから反響があり、自分もブログ書いた甲斐があったと嬉しく思っています。
今回は中古で購入したビーチカスタムアブソリュートのことについて書きたいと思います。
前回、ご紹介した通り20年程前に工場出荷したドラムセットでありながら、カバリングの状態は良好。
しかし、ストリートでも使ってただけあって、バスドラムの損傷は大きい。
もちろん僕はこれを見て、嬉しく感じる。『ドラムは使ってナンボやー。ここまで使いきってくれてくれて作った甲斐があった』と、20年ぶりに再会した子供のように愛おしく感じる。。
バスドラムのゴムは注文(まだしてないが、、)バスドラムフープ、、おそらくペダルのチェーンがあたった?部分は若干、割れがありカバリングも剥がれているが、使用上は問題がなさそうだったので、カタチを整える修理をしました。
右側は合板が剥離しているだけなので、スキマに木工ボンドを流し込みクランプで抑える
左側はカバリングとフープの間の木材が削れて無くなってしまってるので、木材の破片をカバリングとフープの間に挟み、木工ボンドで接着。もちろんクランプで圧着します。
フープを直にクランプで挟むと跡が残るので、あて木で保護する。
あんまりクランプで力いっぱい抑えると変形してしまうので、注意!
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木工ボンドは子供のころからよく見た?コニシの木工ボンドがいいと思う。できれば速乾タイプ。
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感想(4件)
他に、タイトボンドという強力なやつもあるが、ちと高いのと、乾いた後コニシ木工ボンドは透明になるが、こちらはちょっと黄色い。。
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感想(1件)
念のため24時間ほどクランプで抑えて、はみ出た木の破片、細かいとこはパテ埋めし、
はみ出た木工ボンドをペーパー掛けしてできあがり。
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感想(1件)
番手は#120→#240で仕上げました。
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感想(10件)
このシリーズの18インチのバスドラ、はフローティング仕様(バスドラを浮かせる)、ペダルのベルト部分との接触を避けるため、フープの一部分にザグリ加工をしていて、その部分は黒く塗っています。
その部分、剥げていたので塗りなおして修理完了。
これは水性ペンで塗ります。実際にこのペンを使用していました→【三菱鉛筆】水性ペン プロッキー
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感想(0件)
奏者側のフープにもスネアのフープが接触したような細かなキズもあったが、軽くペーパーしたくらいで終わっておきました。本気でキレイにしようと思うと1mm以上は削らないと取れないと思うので、、。
いや、残しておいた方がこのドラムの歴史を感じるので残しておきました(笑)
フープ以外があまりにキレイですから。
さてさて、バスドラムのフープは初代アブソリュートから2代目アブソリュートに変わる際、仕様変更があります。
メイプル、バーチ、ビーチともに、厚みが10mm~11mmあった厚みが7.5mm〜9mmの厚みになりました。
それと共に、金属部品関係の変更、タムのフープがアルミダイキャストフープに変更。マークがねじ止め。と、精錬されたドラムへ変貌を遂げます。
バスドラムフープはヘッドが当たるところの形状、初代アブソリュートはフラットでしたが、2台目以降は内側の面取りを深く、、どれぐらい深いかというと、、、専門用語でいうとC3で取っています。(C面取りでググってみてください)
それにより、ヘッドとフープの嵌合(かんごう)をよくさせるためだそうです。2代目アブソリュートを作り始めた以降の年から、その他のシリーズのバスドラムのフープもC3で取っています。
ということで、初代アブソリュートであるこのバスドラムもC3で面取りしました。(写真ではわかりにくいが、、)
フラットな面でバスドラムのヘッドを締めていくとどうしてもフープがどこかに偏ったりするのですが、ヘッドにあたる部分を深く削ることにより、ヘッドになじむんですね。
使用した機械はトリマーという機械
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感想(1件)
この機械は刃を付け替えることで様々な形に削ることができる。
今回使ったのは、面取りビット45°。
SK11 面取りビット45° SRB-32 トリマー用 35mm 軸径:6mm 木工用 トリマービット
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これは刃先にベアリングが付いていて削りすぎないようにしてくれる。
これだけでもできなくはないが、トリマテーブルがあったほうが安全で加工がしやすい。
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これさえあれば、刃先をいろいろ変えてドラム胴体のエッジ面の加工もできる。。あんまりする人いないだろうけど。。(笑)
初代アブソリュートの内面はヴィンテージナチュラルというヤマハのオリジナル色です。湿気等に影響を受けにくく、経年変化で色がより深みのある色になります。特にビーチは杢目がハッキリ出やすいので、結構好きです。
2代目アブソリュート以降の内面は、水性ウレタンナチュラルになって、ツルっとした仕上がりです。
当然、感触は2代目以降のほうがいいでしょうね。
前回のブログでも書きましたが、オールビーチのドラムはヤマハでは生産数が少なかったように思います。
他のオールバーチ、オールメイプル等々に比較しての話ですが。
オールビーチの後継品番は何やろ?って思うと、、
僕が思うには、しいていうならライブカスタムハイブリットオークと思います。
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このライブカスタムハイブリットオーク、すごくいいです。サイズごとに音の粒がハッキリしてるし、現在の時代にふさわしい音をしています。
音質は似ていますがオールビーチのドラムセットに比べるとパンチが効きすぎる感はありますね。どちらかというと初代オークカスタムのほうがビーチカスタムに似てると思います。
時代と共にドラムの音も変わってくるので、ビーチカスタムアブソリュートの音もヴィンテージっぽいサウンドと言われる日がくるかもしれませんね。
そう思うと、その音が再認識される時も来るかもしれません。
・・となると今にも死にかけの(笑)ドラムセットではなく、現役バリバリのドラムセットでなければ価値はないと思います。
前回のブログで書いた通り、
『何十年経っても評価されるドラムを作ってるんだ。ドラム作って数年のメーカーと訳が違う』
と、ハギさん(YAMAHAドラムを作った人)から聞いた言葉が思い起こされます。
このビーチカスタムアブソリュートは製造してから、たったの20年。
このビーチカスタムアブソリュートが30年後、40年後、50年後、、使えるドラムセットかどうかを確認しないと、死にきれないですね(笑)
今回はまた書きすぎました。しかも修理の方法や工具など(笑)工具類は危ないのでできれば、楽器屋さんに修理依頼、メンテ依頼をしてくださいね。
次回もYAMAHAドラムについて語りたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2020年07月19日
ヤマハドラム全盛期から現在
ヤマハドラムの全盛期がいつ?っていうのは人によっては意見が分かれるとは思いますが、
ドラム職人だった僕が思うには、2002年あたりからの10年ほど
この年はアブソリュートシリーズが一新されヌーヴォーラグと呼ばれる『フックラグ』を発表。
胴鳴りに最も干渉しないポイント(ノードルポイント)に部品が全て位置するということや、
ヤマハドラム伝統的な工法『カチコミ』と内側からエアバックで圧力を加える成形方法を
熟練された職人の手で作るということを前面に押し出すことで世界に衝撃を与えました。
この時にまんまと職人という言葉に僕らはのせられて(笑)YAMAHAドラムの裏表紙に『カチコミ』や『塗装』している職人の写真を載せていただきました。そのうちの1人が僕です(プロフィール写真です)
以後、改良を重ね、アブソリュートシリーズは2012年くらいで生産終了になります。
それと同時に
2012年メイプルカスタム生産終了
2013年オークカスタム、クラブカスタム、旧レコーディングカスタムがそれぞれ終了。
これらのシリーズを終了した以降、日本ではドラムを作らなくなり、YAMAHAが大阪のSAKAE工場から撤退していきます。
その時代がヤマハドラムの全盛期、、というか一番おもしろかった時だと思います(かなり主観がはいっています 笑)
ところで、初代アブソリュートシリーズが発売されたのが、1999年頃。
このころは試行錯誤をしてた、、というのが否めないシリーズでしたが(笑)
先日のことですが、初代アブソリュートを中古で購入しました!
これはビーチカスタムアブソリュート。名前からも分かる通り材料はビーチ。中音域が野太いイメージの材。
色はホワイトマリンパール。塗装でなくカバリングです。
ストリート等でも使用したということなんで、バスドラムのフープなどはキズが多いが、比較的綺麗。。(バスドラムフープは修理しました。後日ご紹介します)
驚いたことにカバリングの継ぎ目部分、工場出荷20年も経っているはずなのに剥がれている部分が全くない。
さすがに年数経ってるから。カバリングが少しくらい剥がれてたり、割れてることも覚悟してたんですが、そんなこと全くない。
NAMMショーに行かせてもらったときにハギさん(YAMAHAドラムを作った人)から聞いた言葉。
『何十年経っても評価されるドラムを作ってるんだ。ドラム作って数年のメーカーと訳が違う』と。
その当時でYAMAHAドラムは30数年。’67年から作り始めたドラムが高く評価されているという自負があるんでしょうね。
そして今、20年程前に作ったドラムが、作った人によってハイクオリティなドラムだったことを再確認できました。。
さすがYAMAHA!(笑)20年経ってもこのドラムは生きてます。もちろん音も健在!
このビーチ材ですが、気候の変化の影響を受けやすく暴れやすい材でした。
当然、成形もしにくく苦労しました。そんな思い出のビーチ材。
そんな理由からか、ビーチ材をドラムで作っているメーカーもドイツのソナーくらいでほとんどありません。ビーチ特有の重厚な音、国内外のプロドラマーのファンは多かったようですが、、短命でした(笑)
ヤマハは、ビーチアブソリュート前にビーチカスタムというシリーズ(’98頃?)を出し、廃盤。。
その後ヤマハはメイプルアブソリュートを発売後、バーチアブソリュートを追加。その後、
『ビーチカスタム復活してアブソにしちゃう?』ってな感じで(そんな会話があったかどうか知らんけど 笑)
ビーチアブソをカスタムのときより胴体を肉厚にして復活!バスドラムは10mm厚!
・・が、そのあとすぐに2代目アブソリュートシリーズでバスドラムは8mm厚に若干薄くなり。。
『やっぱ、バスドラムの胴厚は薄い方がよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
3代目アブソリュートシリーズ(日本産最後のアブソリュートシリーズ)では、ラインナップから消えてしまいました。。。『ビーチはもう人気ないし作りにくいから無くてもよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
ビーチ材でドラムを作っているメーカーは有名なとこでドイツのソナー。
現在は ヴィンテージシリーズ で手に入れることができます。
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(2020/7/19 13:51時点)
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ビーチ材のドラムは僕が知る限りドイツのソナーとYAMAHA。
しかしYAMAHAは短命で数量も少ない生産量で廃盤になっている!
そのうえ、ビーチ材のドラムは数年でコロコロと胴厚が変わっているので、何をとってもレアです(笑)
貴重だと思うんですが、やっぱり中古市場でも人気ない。。
僕が思うに、今回手に入れた初代ビーチアブソリュートは歴代のYAMAHAドラムの中で一番の名器と思っています(注!個人的な感想です)
僕が購入したのはBD18×14、FT14×14、TT12×8、10×7.5。18インチは胴体を浮かせるフローティング仕様で、胴体は10mm厚、14インチ、12インチは7.5mm厚、10インチは6mm厚という口径で厚みを変えるというキメの細かさ。
サイズ感以上にローが出て、ふくよかな音の伸び。当時のアブソリュートシリーズの中で一番パワフルなドラムでした。
今回購入したビーチカスタムアブソリュートのレビューは後日したいと思います。
僕の意見はともかく(笑)ヤマハドラムの名器というえば、レコーディングカスタムと言われる方は多いと思います。
1976年くらいから2013年あたりまで約40年近く作っていたジャパニーズバーチ・レコーディングカスタム。
発売当時から細かな変更はあるものの基本的なスペックは変更もなく作り続けていたヤマハドラムの原点。
こちらも新しいシリーズが出ると、そのたびに生産も少なくなり『もう廃盤か?』という噂もありながら、、最後のほうは限定色を出したり、神保彰モデルを出したり、活気づいて最後まで生産していました。
そして、北米バーチ産バーチで2016年に再登場!旧モデルより部品に重量感をもたせ現代風な音にアレンジ。
レコカスは時代が変わっても基本コンセプトは変わらずに復活をしているのが嬉しい。
バスドラム20インチのみ、スティーブ・ガッド氏考案のバスドラムリフターを搭載。
フットペダルビーターの長さを変えることなく20“バスドラムを演奏可能で音量のあるサウンドを実現しているそうだ。
New Recording Custom (新レコーディング・カスタム)
価格: 334,400円
(2020/7/19 16:11時点)
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こちらはバスドラ22インチのセット
価格: 351,120円
(2020/7/19 16:12時点)
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アブソリュートシリーズは2013年に
アブソリュートハイブリットメイプル
として新登場(リンク先はBD18インチのBe-bopキットをチョイスしてみました)
価格: 215,160円
(2020/7/19 16:17時点)
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ビーチカスタムの後継品番はオークカスタムだったんですが、オークカスタムはライブカスタムに進化後、
現在は LIVE CUSTOM HYBRID OAK(ライブカスタムハイブリットオーク) となって進化し続けています。
YAMAHA LIVE CUSTOM HYBRID OAK 4pc Drum Set [LHB2216 LHP6F3 Kit]
価格: 285,120円
(2020/7/19 16:29時点)
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現在のライブカスタムハイブリットオークの塗装はオーク材の杢目を生かした日本の伝統的な木材加工方法である「 浮造り 」仕様。
エキゾチックなルックスで高級感あふれます。
ライブカスタムハイブリットオークの前年にオールメイプルのドラムセット、ツアーカスタムというのを発売しているが、こっちの方が前作のメイプルカスタムアブソリュートに近いんではないか?と思うのは僕だけでしょうか?
Tour Custom(ツアーカスタム)
YAMAHA / TMP0F4BTS ヤマハ Tour Custom ドラムシェルパック 20BD バタースコッチサテン【お取り寄せ商品】
価格: 167,200円
(2020/7/19 16:41時点)
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それにしてもこの値段でオールメイプルのセット。安すぎるでしょ?(笑)
ヤマハドラムに限らず、、中古品を見ればそのメーカーのクオリティがどんなものかわかると思います。
ドラムを長く続けたいっていう方は、
是非いいドラムセットを購入して、20年後、30年後を楽しみにしていただけたらいいと思います。
今回はYAMAHAドラム全盛期(と思われる時代)から現在までの製品を見てみました。
いかかでしたか?
ドラムセット購入の際、少しでも参考にしていただければ幸いです。
最後まで見ていただきありがとうございます。
2020年07月15日
旅のお供に!コンパクトカホン編!
前回は持ち運び便利な折り畳みカホンを紹介しました >>>持ち運び便利!折り畳みカホン!
今回は、さらに持ち運びが便利なコンパクトカホンを紹介します。
このコンパクトサイズのカホンに関してはサイズが豊富で、どのサイズをコンパクトカホンというのか?っていうのも難しいのですが、今回はリュックに入って旅先で遊べる大きさを集めてみました。
たぶん、全部紹介しきれないと思いますが、いつも通り、、僕の主観です(笑)
コンパクトカホンについては
2018年に『 カホンの祭典 HAKO FES 福岡』に出演させていただいと時の事。
当時作っていたLiMEカホンを宣伝しにいくにも、大阪から新幹線で行くんでカホンをそんなに持っていけない!
普通サイズ2台と、あと一台、、リュックに入る大きさのコンパクトカホンを持っていこう!と思い、、
作成!写真は試作第一号
これが後の LiME(ライム)ボ・ Cajón
となります。
LiME《ライム》ボ・ Cajón (カホン&ウッドボンゴ)
価格: 17,380円
(2020/7/15 20:02時点)
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試作第一号より一回り小さくなってリュックの中に入りやすくなりました。
ボ・ Cajónはウッドボンゴ+カホン。それまでのコンセプトと同じく、すべての面を叩いて違う音色がでます。1面はウッドボンゴでハイとローが出ますので、7種類の音色。。サウンドホールの面は叩きにくいですが(笑)
動画>>
さてさて、こちらのボ・ Cajónにはモデルがありました。こちらの製品と差別化をはかるためウッドボンゴをミックスしたのです。
本家は schlagwerk(シュラグベルク)ミニカホン"カホニート"
サイズ的にはほぼ同じです。
【schlagwerk(シュラグベルク)】 ミニカホン"カホニート" SR-DC300
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この動画のオッちゃんがあまりにも上手すぎて、
『このカタチのミニカホンで音を出せるように作ったろ』って思ったのがボ・ Cajónのヒントになりました。
この手のカホンも大きい!となるとこちらはどうでしょうか?
Meinl ( マイネル ) TCAJ1BK ◆ トラベルカホン
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価格: 5,203円
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名前に『トラベル』とつくだけあって、トラベルに最適な3.5cmという薄さ!大きさも30cm×30cmです。
次は ammoon トラベルカホン
ammoon トラベルカホン 31.5 * 24.5 * 4.5cm ゼブラ木 パーカッション カホン 打楽器
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こちらのサイズは31.5cm×24.5cm×4.5cm。マイネルに比べるとやや長細い感じ。
この2つを比べた動画があります。ミッチー先生の動画。
ミッチー先生、いつもありがとうございます。不都合ありましたら言ってください!
この動画によると、バズ音が弦orスナッピーの好みで意見が分かれそうですね。
ミッチー先生は動画の中でammoon トラベルカホンが好みと言ってますが、僕はMeinlトラベルカホンのほうが好きかもしれない。是非、動画でご確認ください。
次は LP LP1410-HW Americana Octo-Snare Cajon 八角スネアカホン
大きさは10インチ(約25cm)というところだが、深さは不明。おそらく5インチ(約12.5cm)くらいだろう。
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こちらのモデルは生産終了だそうです。ですので、いま売ってるものが終われば、もう手に入らないかもしれません。
僕がドラム職人のときに同じようなスネアカホンで、八角形でなく丸いカホンを作ってみたことがありましたが、 『何かが違う。。』
作って叩いてすぐに気が付きましたが、、形状が丸いのでどこを叩いても音が一緒なのだー。
(作る前にきがつけよー 笑)やっぱりカホンは角がないと面白くないよね。
とはいえ、丸には丸の良さがあるので、丸いカホンは現在でもたまに愛用しています(笑)
DG《デ・グレゴリオ》 DGC30RW
サイズ14(幅)x8.5(奥行き) x 18(高さ)cm
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マイネル MEINL MC1HA MINI CAJON Heart Ash ミニ・カホン
サイズ:5 3/4”(幅)X 8 3/4”(高)X 5 3/4”(奥)・・・わかりにくい(笑)約14×22×14cmというところ
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LiME《ライム》ピッコロカホン
サイズ:19x13x13(cm)
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最後の3種類はとても小さい。どちらかというとプレゼントには最適なカホンだと思います。
カホンを知っている方はもちろん、知らない人にも意外なプレゼントをしても面白いかもしれないですね。
youtube動画に合わせたり、『叩いてみた』動画をつくっても手軽で面白いと思います。
持ち運びしやすいカホンは今回、紹介したもの以外にもいっぱいありますので、この記事を参考に選んでいただけたら幸いです。
すごいいいものがあったら私にも教えてくださいませ(笑)
次回はドラムセットについて書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
2020年07月11日
持ち運びに便利!折り畳みカホン!
ケースはリュックタイプが楽でいいけど
カホンを背負って満員電車に乗るのは気が引ける。
カホンを背負って吉野家に入るのも気が引ける。。。
カホンを背負ってスタバに入るのも気が引ける。。。
つまり、家からライブ会場、ライブ会場から家、、
直行直帰で他にどこかに寄って行こうという気にはなれない。。
カホンケースのリュックタイプはこちら
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こちらはリュックタイプにもなるし、肩掛けもできるし、ポケットがあるのは意外に便利!
・・・といってもデカイのには変わりない(笑)
僕は以前、ギター女子とボーカル女子の3人でのライブ終了後にご飯を食べに行って、狭いお店にカホンとスタンドのケースを持って入った経験あってけっこう辛かったー。
なんとかカホンを持ち運びしやすくできないものか、、と、各メーカーいろいろ考えたハズ。。
じつは僕も昔は折り畳みカホン製作をする計画がありました。
でもその時は保留しました。折り畳みカホン、、、密閉率も下がるし、強度も弱くなるし、これで音がいいって、、ありえないでしょ?という結論でした。
というより、その時は通常のカホンで勝負したいっていう思いが強かった。
のちに、LiMEカホンの工房に ミッチー先生 が遊びに来た時に折り畳みカホン(ミッチー先生が来た時の ブログ>>> )
J.Leiva EASY CAJON を持ってきた。
その音に一目ぼれです(笑)
即購入です。現在、入荷待ちだそうですが、この音でケースまで付属してコスパ最強です!
J.Leiva EASY CAJON【専用ケース付属】【折り畳み式カホン】Made in Spain!
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難点をいえば塗装されていないところ。僕は自分で塗装しましたが、普通の人はなかなか無理かと思います。
しかし、逆に無塗装というのを楽しんで、自分で絵を描いたり、出会った記念にサインを書いてもらったりするのも自分だけのカホンっていう感じで面白いかもしれませんね。
J.Leiva EASY CAJONが今(2020年7月現在)、手に入れるのが困難かもしれないので、他の折り畳みカホンも紹介します。
DG Siroco Plus 折りたたみ式 カホン
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DE GREGORIO( デ・グレゴリオ )というスペインのメーカー。ドラマー/パーカッショニストのPaolo DeGregorioにより2002年に設立らしいです。
先ほどのJ.Leiva(ジェイレイヴァ)もスペインです。やっぱりカホンはスペインが主流ですね。
このDG Siroco Plus 折りたたみ式 カホンは幅、奥行きともにデカイです。そのため低音で効いて気持ちよさそう。
こちらは一回廃盤になり、復活後サイズがワイドになったようです。
僕はサイズがワイドになる前のDG Siroco を叩かせてもらったことがあり、しっかりした音で感心したものだ。値段が高いだけのことはある(笑)
次は
GON BOPS(ゴンボップス)GON-CJCOM Commuter Cajon(コミューターカホン)
GON BOPS(ゴンボップス)はアレックス・アクーニャのシグネーチャーカホンも作っているところ
GON BOPS《ゴンボップス》 GON-CJCOM [Commuter Cajon]【折りたたみ式カホン】
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これを見たのは、お仕事で関西打楽器協会さん主催 どらむPARKに行ったときだ。
その時は自分の考案したSakaeカホンの発売を目前に控えたときだったので、興味津々で見させていただきました。
その時は完全に折り畳みカホン否定派だったんで認めたくはなかったが、、、重量感あるいい音でした(笑)
以上、3機種をご紹介させていただきました。
最初の J.Leiva EASY CAJON はコスパ最強です。練習用、旅行用のカホンにばっちり。もちろん本番でも使えます。
後の2機種、 DG Siroco Plus と GON BOPS Commuter Cajon は本格派のカホンがそのまま折りたためるというカホンですね。
メインのカホンでもいいと思います。
僕の好みとしては、DG Siroco Plusが欲しいなぁーって思っています(笑)
ところで、折り畳みカホンは(他にもあるかもしれないが)3機種しかない。
こういうのは、日本人の十八番のような気がするけど、日本のメーカーでは出していないんですね。
実際に制作をしようとして試算したところ、、どうしてもコストがかかるので、あまり本気を出してないかもしれないですね。
でも、DG Siroco Plusくらいの価格帯であれば作れるかも、、と思っています。(好きなこと言ってますが 笑)
以前は否定派の僕でしたが、電車移動や旅先での演奏など、、やっぱり重宝しますね。是非持っておきたいアイテムです。
2020年07月04日
カホン選び方〜音について〜
梅雨で雨が続きますね。。降らなくてもどんよりしたお天気。。そこで思い出すのは、職人時代に毎日見ていた木材。その反り方です。
季節ごとに木材は暴れていたり、大人しかったりしますが、梅雨時は大人しいです。
このときは(特にドラムは)作りやすい。適度な水分??(ひょっとしたら多すぎるかもしれない?)のため、木材は適度にしなって割れにくい。
・・ということは、出来上がってるドラム、カホンも季節によってカタチは変わろうとしています。
それを防ぐために塗装して湿度や乾燥から楽器を守っているんですね。
塗装については各メーカー、研究をされていて工夫されていると思いますし、あまり詳細を公表してないんで、、ある意味、、選びようがない(笑)
当然、カホンは塗装以外にも材質、大きさ、響き方、音の出しやすさまで音に影響します。
それらを踏まえ カホンの音はトータルで選ぶ
ということになると思います。
んじゃ、カホンの音をトータルで選ぶとしたらどんなカホンがいいのか?
まずは下のカホンを見てください。
こちらは
Decora43(デコラ)8PS-ho2468sp3 / 新道産スペシャルカホン
北海道のメーカーです。日本で良く知られているカホンメーカーだと思います。
Decora43(デコラ)8PS-ho2468sp3 / 新道産スペシャルカホン
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(2020/7/3 15:42時点)
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こちらのカホン、サウンドホールが横にきています。こちらに限ったことではないのですが、
メイン打面の裏側の木材が、どのような硬さ、厚さでカホンの響き(あるいは音質)が違ってきます。
これは僕が最初に4打面のカホンを製作するにあたり、気が付いたことですので、カホンメーカーはおそらく知っています。
世間ではあんまり知られてないかもですが(笑)
ドラムの裏側のヘッド、、と思ったらわかりやすいですよね。
後ろにサウンドホールがないタイプでは、この特性が如実に表れやすいです。難しい面でもあり、音作りをコントロールしやすいとも言えますね。
続いては
川本楽器工房 忍カホン 雅 -miyabi-
川本楽器工房 忍カホン 雅 -miyabi- SC-M1SH ※完全受注生産
価格: 43,740円
(2020/7/3 16:01時点)
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こちらもサイドにサウンドホールで背面は二重構造になっています。
背面、二重構造!?
僕はこのカホンを見たときに、『あー。この手があったかー!』って嘆きました(笑)
こちら背面も独特の響きがあります。こういうカホンって楽しいでしょうね。ぜひ動画でご確認ください。
サイドのサウンドホール、欠点をあえていうなら、自分の足でサウンドホールを塞いでしまう可能性があるのと、マイクを置きにくいということかもしれません。(その人のセッティングやフォームも関係するので一概にはいえないが)
そういうこもあり、僕が作った時は背面のサウンドホールの設定しかしませんでした。
が、、僕がサイドのサウンドホールが欲しい!って思ったときがあります。
狭いところでライブをする機会があって、
壁にひっつくほどのセッティングで演奏しなきゃいけないとき。
サウンドホールから壁の距離、、約1cm!!音が抜けないよね(笑)
(これについてはまたゆくゆく書こうと思います)
材質はビーチ、バーチ、他、、いろいろあります。
材質によって『硬い』『柔らかい』っていうのがあります。
全ての材料を試したわけではないので一概にいえませんが、傾向として
柔らかい材料=低音が出やすい、、叩きやすいが遠鳴りしにくい
硬い材料 = 中音域〜高音域が出やすい、、叩きにくいが遠鳴りする
カホンの材料でよく見る『シナ合板』は柔らかいです。ボディに使われることが多いですが、打面で使われる場合もあります。
LiME(ライム)S x W(エスバイダブリュー)
というカホンがありますが、こちらはボディも打面もシナ合板。大変叩きやすく低音も出ています。
価格: 38,500円
(2020/7/3 16:36時点)
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ここで大事なことは、材質は同じでもプライ数(合板にするときに材料を重ねる枚数)で硬さが変わるということです。
例えば、バーチ3プライで3mmの場合と、同じバーチ4プライの3mmがあった場合、、4プライのほうが硬く感じられます。実際に合板としても強度があります。
ここで言ってる『硬い』というのは、実際に叩いたときに手にくる反発、、って思っていただければいいと思います。
硬いと手がとってもイタイ、、です。そうなるとなかなか演奏の持続できないですので、そこは考慮していただく点だと思います。
さきほど言った通り
柔らかい材料=低音が出やすい、、叩きやすいが遠鳴りしにくい
硬い材料 = 中音域〜高音域が出やすい、、叩きにくいが遠鳴りする
っていうことで、プライ数が増えると硬い、また材料の厚みが厚くなると硬い、ということにもなります。
材質の硬さですが、 こちら>>木材博物館 で一つの参考として調べることができます。
純粋に木材の硬さだけでなく、プライ数、厚さまでを考えるとよくわからなくなりますね。。
ただ、そういった特性を知っておくことは大事と思うんですね。
カホンは1つの打面で低音〜高音まで、広い音域を出せる楽器です。
そのバランスがけっこう難しい(あくまで作り手目線です)
例えば、『低音がいい感じで好きなんだけど、スラップ音、もうちょっと出て欲しいなぁー』とか、
その逆だったりします。
そこが冒頭で書いた通り、カホンは
音域の広さ、音量、響き、アタック音、打面の硬さ 等々の、 トータルのバランスが大事 っていうことになります。
ここまでいっぱい書いて、、結論で言いたいのは、、
自分で『いいね!』って思うカホンです(笑)
(「ここまで書いてこれかいっ!」って言わないで 笑)
おそらく、、どの人もそれに近い選び方をしていると思うので素晴らしい!
好きなアーティストのモデル
好きなアーティストと同じメーカー
見た目がカッコイイ! 座り心地が良かった
楽器屋で一目ぼれした。。。etc..
なんでもいいです。
その楽器を好きになったら四六時中触っていられるものなので、練習できるし、練習してると余計好きになって、、また練習するという、、終わりなき戦いになりそうです(笑)
その次に、その持っているカホンの特性を理解して2台目以降の参考にしましょう(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
このブログでカホンへの愛を更に深めてくれたら嬉しいです。
次回もまた、、カホンのことを書かせていただきますね。